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王妃を狙う者9

そんな時、ユティシアが帰ってきた。…犯人まで連れて。


「きゃっ…」

自室への転移魔法に失敗したらしい彼女は、執務室にいるディリアスの上に落ちた。

ディリアスは持ち前の運動神経で彼女をうまく抱きとめた。


彼女は男物の粗末な服を着ていて、何箇所か怪我を負っていたが、それ以外は無事のようだった。


「も、申し訳ありません…ご無礼を」

彼女はすぐにディリアスから離れようとしたが、ディリアスはユティシアを抱きしめたまま離さない。

「そんなことはいい…まったく、今までどこにいたんだ」


「えと…裏にある組織全滅させるのに時間がかかってしまって…」

「……は?」

「えと…犯人が雇った組織が分かったので、倒しに行っていて…」

「………」

「結構人数が多かったので、組織から逃走した人たちをすべて捕らえるのに時間がかかって…」

「………」

「ところで…誘拐犯である令嬢ですが、いいように操られていたようですね。首謀者は、彼女の屋敷に従者として入り込んだ男だったようです。さらに彼女、他にも人身売買などにも関わっているようでして…。二人とも縄で縛って連れてきましたので、処罰は任せます。他にも関わっている者がいるようですのできちんと調べてください。…あ、大臣である彼女のお父様は関わっていないので罰しないで下さい」

「…ユティシア、後で少し二人で話をしようか…」

「はい…?」

なぜか、ディリアスの顔は怒っているように見えた。



執務室を出たユティシアは、自室の寝台の上でミーファに手当てをしてもらった。


さっきのディリアスの言葉が気になる。何か悪いことをしただろうか、自分は。


コンコン、とノックの音が響いた後、扉の開く音がした。


「へ、陛下っ…」

ミーファが焦った様子でディリアスを止めた。


「いいじゃないか、夫婦なんだし」

「そう言う問題ではございませんっ!女性は恥ずかしいものなのです!」


ディリアスはミーファの文句も聞かず、そのまま部屋に入って来た。

…ちなみに、ミーファはうるさいので退出させられた。


ユティシアは手当てのために服を脱いでいた。先ほどまで着ていた衣服で身体を隠そうとするが、ディリアスの手で止められる。


「また、痩せたな…それに、怪我までして…」

ディリアスは、苦笑する。


「えと…」

ユティシアは少しだけ顔を赤く染め、俯いている。

普段ディリアスから何をされてもまったく羞恥心ない彼女だが、さすがに下着姿は見られたくないのだろう。


「しかも、顔に傷まで作って…。俺がどれだけ心配したかわかっているのか?」

ディリアスがそっと頬にある傷をなぞる。


「私が、王妃として認められていないからですね…申し訳……」


ユティシアの言葉は、彼の悲しそうな顔によって遮られた。自分を抱きしめた腕に込められた感情が伝わって来て、それ以上喋ることが出来なかった。


「もう…二度と俺の前からいなくならないでくれ。心配しすぎて、気が狂いそうだから」

「はい…もう、いなくなったりしません。ずっと、お傍にいます」

ユティシアはディリアスの背中に手をまわして、ぎゅっと抱きついた。


ディリアスはずっとユティシアを抱きしめたまま、離さなかった。


遅くなりました。

文章は8話目よりも前に完成していたのですが、昨日の深夜に更新しようとしたらお風呂に朝まで(合計6時間)入ってしまいました。すいません(汗)

手がふやけすぎると指先が痛くてキーボード打てないです。


母から注意されたのですが、長時間のお風呂は疲労や脱水症状などの原因になるらしいので、皆さん気をつけてください。



これから更新が滞るかもしれません。忙しくて書く暇がないので。

ちょっとずつ書いていこうとは思いますが…

これからもこの作品をよろしくお願いします。

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