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陛下のお見合い騒動6

ディリアスは目を覚まし、寝台から起き上がった。

隣には、いつもあるはずの温もりも、柔らかさも…ない。


ディリアスは苛立っていた。

なぜ、ユティシアは昨日一緒に寝てくれなかったのか。遠方から久しぶりに帰ってきた夫を労わる様子がまったく見られない。

それどころか、ディリアスが帰ってきてからユティシアの態度は冷たい。


ユティシアが立ててくれた計画とは、一体何なのか。

気になりつつも、ディリアスは、迎えにきてくれるユティシアを待ったのだった。



ユティシアは朝から上機嫌でディリアスを呼びに行った。


「陛下、おはようございます!」

「おはよう、ユティシア」


ディリアスはおはようのキスをユティシアにした。

…が、ユティシアはキスを返さず、計画のことで頭がいっぱいになっている。


「さっそく、いきましょうか」


そう言ってディリアスの手を引っ張り、連れて行こうとする。

ディリアスは不満に思いながらもはりきっているユティシアが可愛らしく見えて、笑みを浮かべながらついて行く。


ディリアスはとある広い部屋の前に連れて行かれた。

ユティシアの周りには多くの大臣たちがいる。


…何か、嫌な予感がする。

こいつらが関わるとろくなことにはならない。これは、楽しめる計画ではないことが明白だ。


「では、始めましょうか?」


ユティシアがそう言うと、大臣たちが頷いて扉を開けた。

扉の中には、貴族の令嬢たちが大勢いた。


「どうですか?陛下のためにお見合いを用意して差し上げました」

「………」

ここで、ディリアスの不満が限界まで達する。

「では、ごゆっくりどうぞ」


そう言ってユティシアは扉を閉めてしまった。



ユティシアはお見合いの進行状況が気になりながらも、扉の外でじっと待っていた。

他の大臣たちも気になるようだ。


…しばらくして、ディリアスが扉から出てきた。


「陛下、もうお相手を決められたのですか?」


ユティシアは嬉しそうに聞いたが、ディリアスはいつもの笑みを浮かべてはくれなかった。

冷たい表情でユティシアを見やる。


「令嬢は帰らせた」

「どうして………」


ユティシアの質問には答えず、ディリアスは相変わらず冷たい態度を取る。

ユティシアはディリアスが怒っていることを察して、青ざめる。


「ユティシアがそんな風に思っていたなんて、知らなかった」


ディリアスはそのまま立ち去ろうとする。


「陛下、待ってください!」

「ついて来るな」


ユティシアが掴んだ手を振り払い、ディリアスはその場を後にした。


遊びで入れたつもりの「陛下のお見合い騒動」が予想以上に長くなってしまっているので、ちゃっちゃと終わらせたいと思います。

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