表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/52

陛下のお見合い騒動5

ディリアスはついに視察から帰ってきて、城でユティシアの出迎えを期待していた。


しかし、ユティシアは出迎えてくれなかった。

宰相のローウェが城の入り口に、にこやかな顔で現れた。


「ローウェ、ユティシアはどうしている?」

「部屋に篭ってずっと何かの作業をしていますよ。何をなさっているかまでは知りませんが、陛下が出発なさってからとても充実した日々を送っているようです」


正直、気に入らなかった。

ユティシアは自分を待っていなかったのだ。しかも、寂しがるどころか、充実した生活を送っているだと?


悲しみ、というより腹立たしさが湧き上がってきて、ディリアスはユティシアの部屋に向かった。




ユティシアは、部屋に篭ってお見合いの段取りの確認をしていた。

…計画は完成したといっても、それをきちんとこなせなければならない。


ユティシアは計画表を片手に机に座っていると…


「ユティシア」


聞き慣れた声が耳に響く。それは、久しぶりに聞く声。


「陛下、帰ってこられたのですね」

ユティシアはそう言ってディリアスのもとに駆けていった。


「お帰りなさい、陛下」


ぎゅっと抱きつきながら顔を上げて上目遣いに見上げてくるユティシアを見ると許したくなるのだが、そういうわけにはいかない。


「ユティシアにぜひ、出迎えて欲しかったんだがな。正直、俺は寂しかったぞ?」


ディリアスもユティシアを抱きしめ返しながら、言った。


「それは、すいません。でも、陛下のためです」

「俺のため?」

「はい、陛下のために私がとある計画を立てたのです」

「そうか、それは嬉しいな。…ちなみに、どんな計画だ?」

「それは秘密です」

ユティシアは、ふふ、と笑う。


「明日になったら分かりますよ。楽しみにしてて下さいね」



その夜、ユティシアはディリアスと共に眠ることをせず、お見合いのための準備に没頭した。




翌朝、ユティシアは顔を洗って気合を入れた。

…多少寝不足だが、今日のためなら仕方がない。


なぜなら今日は、お見合いの日だからだ。


陛下の妃獲得のため、絶対に成功させようと心に誓うユティシアだった。




長らくお待たせしました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ