表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/52

陛下のお見合い騒動2

今日は定期的に行われる大臣との会議の日だった。

正直、面倒だしつまらないことが多い。民のことを考えてくれるまともな者もいるが、自分の利益しか考えてない愚か者のほうが多い。

そういう奴に限っていちいち話しかけてくるので煩わしい。



「陛下、そろそろ側妃を娶られてはいかがです?」


……こういう話がいつかは出ると思っていたが…

ディリアスは、はあ…とため息をつく。


「これ以上必要はない。マウラだって一人で十分王妃の役目を果たしていただろう?」

「聡明なマウラ様と比べられるのは間違っています」


最初に文句を言ってきた大臣をきっかけに次々と不満が述べられる。

「はっきり言って、彼女では身分が低すぎます。このままでは陛下の権力も落ちてしまいますぞ」

「我々は彼女を王妃にするという陛下の願いをお聞きした。陛下も我々の話を聞くべきかと」

「そうです。いまだ彼女との間に世継ぎもいない。そうなれば側妃を娶るべきでしょう」

「陛下はこの国を潰す気ですか?」


…そこまで言うか。

ディリアスはうんざりする。


「とにかく、もう側妃は必要ない。妻はユティシアだけで十分だ」


そう言い置いて、会議室を後にした。





ユティシアは廊下を歩きながら思案していた。

今日は天気も良く、中庭で散歩をするには調度良い。ユティシアの足は自然とそちらのほうへ向いて歩いていた。


「ん~………どうしようかな…」

ユティシアは本気で悩んでいた。

どうやってディリアスに新しい妃を迎えてもらえるのか。

陛下はあまり女性に興味があるようには思われない。

お披露目の際に多くの女性に話しかけられていたが、必要最低限の言葉しか返さず、あまり干渉されたくないようだった。


「はあ~…」

「う~む…」

思わずため息をつくと、目の前からも同じような声がした。

みると、年老いた男性がいた。今日は大臣との会議があるとディリアスが言っていたので、大臣の一人だろう。


「おう…これはこれは王妃様、お久しぶりです。そんな暗い顔をなさって、どうなされた?せっかくの美しいお顔ですのになぁ」

「大臣殿こそ、なにか思い悩んでいるようでしたが?」

「いえいえ、王妃様にご心配をかけるほどではないのです」

「そうですか…私は、陛下に側妃を娶って頂きたいと考えておりまして。大臣殿はどう思われます?」

「やはり、王妃様もそう思われておりましたか…」

「陛下に仕える身としては、やはりそうですよね…」


二人揃ってう~んと唸る。


大臣は王妃をちらりと見やる。

面白い方だ。王妃は、陛下が新しい妃を迎えれば取って代わられる可能性もある。陛下の寵愛を望むならこんなことは言わない。あまり、そういうことに頓着する人ではないのか。


「お見合いでも、企画しましょうか…」

ぽつり、とこぼした彼女のつぶやきに大臣は即座に反応する。


「それはよろしいですな!!ぜひとも私にも手伝わせて欲しいのですが」


それを聞いた王妃は、お披露目以来傾国と謳われているその美貌をきらきらと輝かせて言った。

「本当ですか!?大臣殿が手伝ってくださるなら心強いです!!」


幸運なことに、ディリアスは来週から視察に出掛けて当分帰らないと言っていた。その間にお見合いの準備をすればいいだろう。時間は十分にある。最高の美女たちをそろえて陛下をお迎えしよう。


こうしてユティシアは陛下のお見合い計画に向けて、大臣と動き出したのだった。



何日も放置したままでいました。ごめんなさい。

これからも見捨てず読んでくださればと思います。


ユティシアさんが動き出しました。

こうなったらユティシアさんは誰にも止められません。

きっとディリアスに止められるまで暴走し続けるでしょう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ