外科の新人の歩み25 盆休みの始まり
外科の新人は店長のお店を訪ねる。
外科の新人「あれ?営業してるの?」
店長「ああ。今日までな。もうピーク過ぎたな。やっぱりお盆はダメだな。早めに閉めるよ。」
外科の新人「ねえ。同僚に相談したんだけど。。その子の出身の看護学校が国立大学病院の系列で。なかなか赤ちゃん出来ないから調べてもらおうかと。かなり名医らしいの。盆休みもやってて、その子のコネで最優先で診てもらえるって。」
店長「そう。。確かに調べてもらってもいいね。行こうか。」
外科の新人が連絡すると明日朝に行けば診てくれることになった。
外科の新人「明日の朝になったよ。」
店長「分かった。なあ。今日は来てないけど、アルバイトの子。弟子になるって決めたらしい。いろいろ調べたみたいで、来年の3月で通信高校に変わると1年で卒業出来るみたいで、そのタイミングで通信高校に変われるように準備しているそうだ。」
外科の新人「来年から弟子?」
店長「夕方5時までしか来れないけど、来月からでもなりたいって。通信高校に変わったら、閉店まで働くって。それと定期日なんだけど。水曜日にしようかと思って。実家に相談したら、実家は水曜日が一番売り上げ少ないらしくて。それなら、合わせたら君も家族の時間が取れるし。」
外科の新人「えっ。ありがとう。愛してる。」
店長「うん。なあ、明日病院なら。。病院終わったら実家に行こうか。」
外科の新人「そうね。お店に立つわ。ねえ、そもそもお客さん。休みと思っているから来ないんじゃない?」
店長「それはあるかも。」
外科の新人「いらっしゃいませ。」
客「あのー。マロンケーキはまだありますか?」
外科の新人「ええ。」
客「良かった〜。ラッキー。マロンケーキ2つ下さい。」
お客さんは大喜びで帰っていった。
外科の新人「いら。。」
婦長「あなた。また働いて!」
部長「お前は休むことを知らないのか?」
外科の新人「ボランティア。無給です。働いていません。」
部長「残っているのか!マロンケーキを30個。」
外科の新人「待ってよ。売り切れになっちゃうじゃない!」
店長「いいよ。今日は売れない。」
婦長「えっ!こんなに余るの!。。仕方ない。1人2個にするか。部長。こちらは私が払う。シュークリーム30個追加。」
外科の新人「お客様。お見舞いの方が買われますので。。出来ましたらフルーツケーキにして頂けると。。あっ!良かったらホールケーキ5個とか。。」
店長「いや。作るの大変だから。余るのが増える。」
婦長「何よ。その他人行儀な態度。じゃあ。フルーツケーキとイチゴ。あとチョコレートケーキを10個ずつ。」
外科の新人「ありがとうございます。」
店長が箱に詰める。
外科の新人「あら〜。6箱になっちゃった。。手が足りないわね。。先輩理事長はいる?」
婦長「今日は。。あっ。いたいた!」
部長「たしか今日は出ないはずだ。」
店長「マロンケーキとイチゴのショートケーキ1個ずつ入れて。ちょっと理事長と食べてくるわ。夕方までに戻るから。」
婦長「り、理事長と仲いいの?」
外科の新人「ん?毎日私のおにぎりを昼に一緒に食べてるよ。」
部長「んー。こいつヤバいな。ああ、理事長の分は私が払うから。」
3人で病院に運ぶと、同僚や先生が群がりケーキを食べる。2個だけ箱に入れて、外科の新人は理事長室を訪れる。
外科の新人「失礼します。」
理事長「えっ?悪い。今日昼食べちゃったよ。」
外科の新人「3時過ぎてますから当たり前ですよ。おやつ。私、お茶入れます。」
理事長「有名なマロンケーキ!本当に?接客のテーブルで食べよう。」
外科の新人「じゃあ。私はイチゴ。」
お茶を入れて持ってくると、向き合ってケーキを食べる。
理事長「うまい!噂通り最高だな。」
外科の新人「イチゴのショートケーキ初めて食べたけど。。予想より美味しいわ。」
理事長「なあ。一口。頼む。マロンケーキ食べていいから。な?」
外科の新人「私。食べ慣れてるから理事長が食べて下さい。お茶飲んで。」
理事長「ん?お茶美味いな。」
外科の新人「はは。仲間とだから美味しいだけですよ〜。はい。あ〜ん。」
理事長がイチゴのショートケーキを食べる。
理事長「ん!味も食感も最高だな!」
婦長「全く。。あ〜ん。じゃないでしょう!ああ、理事長のこんな姿は見たくなかったわ〜。」
部長「あ〜ん。。いいな。」
外科の新人「部長食べたんでしょう!中性脂肪上がるわよ。」
理事長「せっかくいい雰囲気だったのに!」
婦長「ケーキ屋さんの店長。彼女の婚約者だから。あきらめなさい。代わりに私はどうかな?」
理事長「えっ!あの有名な方と。。君、働く必要あるのか?」
外科の新人「あーっ。要らない人間って気持ちが出てるわね。」
理事長「部長。婦長もだが。。お前の女職員は怖いやつばかりだな。」
婦長「失礼ね。もー。。勇気出したのに!」
部長「いい女ばかりですからね。看護師としても最高水準になったしな。」
理事長「本当に?」
婦長「まあ。そのうち分かりますよ。しかし、盆休みまで働いて。。」
外科の新人「だから、ボランティアって。明日から彼の実家で1週間過ごす。。けど、結局は定食屋さんで働くのか。。」
理事長「なに。定食屋さんに連れてくって。婚約者の実家ってこと?だったら明日行こうか?場所は?」
外科の新人は理事長にくっつき、一緒に探す。婦長が唖然としている。
婦長「あなた。近いわよ!」
外科の新人「サービスよ!あっ!ここよ。」
理事長「えーっ。。これ有名な店じゃないの!行ったことないから行く行く。」
婦長「いいなー。ねえねえ。私もダメ?」
部長「出来れば私も。。」
婦長「あら、奥さまが怒るわよ〜。」
部長「仕方ないだろう。理事長の誘いは断れないだろう。」
理事長「俺、誘ってないから。」
部長「いや、理由じゃないですか〜。」
外科の新人「ああ。お母さん。明日の夜。。7時でいい?。。7時から座敷に3名予約。」
理事長「君もだろう!」
外科の新人「私もだって。4名で。。うん。病院の偉い人3人。。そうよ。美味しかったら病気の時に特別待遇してくれるから。。えっ。盆休みは、ずっとお世話になりたいな。うん。じゃあ。。明日用事済ませて昼過ぎに行くから。。昼は大丈夫です。はい楽しみにしてまーす。」
理事長「へー。昼間入れないからなー。」
外科の新人「夜は割と空いてますよ。」
理事長「夜は忙しいからな。。」
外科の新人「ああ。女。」
婦長「綺麗なお姉さんと腕組んでるの見たことある!」
部長「婦長。いい加減にしなさい。付き合い多いんだよ。」
外科の新人「彼がさみしがるから、戻るわ。」
婦長「本当にお友達なんだ。。」
理事長「いや、あの子のおにぎりが美味しいんだよ。びっくりするくらい美味しいんだ。」
婦長「あの子。お金に全く興味ないのよね〜。理事長に近づいたら普通お金目的だよね。」
理事長「いや、私が近づいたから。。」
※※※※
外科の新人は同僚達に、急きょ明日理事長を定食屋さんに連れていくことになったから自分だけで行く!とメールして、ケーキ屋さんに戻る。
店長「おかえり〜。かなり減らしてくれたな。」
外科の新人「ねえ。申し訳ないけど。。今日。愛し合ってはダメなんだって。明日まで我慢してね。」
店長「それはいいよ。」
見舞いの時間まで店を開けると、プリンとシュークリームは空になった。イチゴのショートケーキとフルーツケーキだけが、わずかに残ったため2人で食べて幸せな夜を過ごした。
翌日、病院を訪ねると、店長はエコーと血液検査。精液の採取をされた。
外科の新人はエコーと内視鏡での確認をすると、1ヶ月の身体の変化を確認するのと、排卵のタイミングに訪問出来ない場合は卵子の採取をすることになり、週一度通うことになった。1ヶ月後に2人で来た時に結果を伝えることになった。
仲良く実家に帰ると夜のピークまでお店を手伝う。
店長「おい。お見えになったんじゃないか?」
母「いらっしゃいませ。娘がお世話になっております。」
父「本日はありがとうございます。さあ。座敷へどうぞ。」
外科の新人「はーい。お客さん。これ好きね〜。」
お客「見た目とのギャップが好きでな。」
父「おい。そろそろやめて、座敷に。」
部長「理事長。奥へどうぞ。」
婦長「部長も奥へ。理事長。どっちの女を選ぶ?」
理事長「そりゃ。。あのな。元々2人で来る予定だったんだ!」
外科の新人「はーい。理事長はいただきま〜す。」
婦長「いいな!お金持ちに近づきたかったのに!」
部長「お前。失礼だな。」
婦長「部長は奥さま一筋だから可能性ないしね。」
父「ご注文は、いかがなされますか?」
理事長「そりゃ。娘さんオススメの味噌カツ定食だろう。」
婦長「えーっ。。それは。。」
部長「この子がオススメしたら外れの訳がない。味噌カツ定食4つお願いします。」
父「分かりました。」
理事長「あのー。さっき、娘って。結婚しているのですか?」
母「ああ。つい。。まだですけど。かわいい娘ですよ。理事長って偉いのですよね?」
婦長「私程度は滅多に話を出来る方ではありません。ものすごく偉いです。なのにこの子。。毎日おにぎり食べさせてるって。。私、びっくりしました。あれ?彼が作ってるの!ケーキ屋さんじゃ。。」
外科の新人「ケーキ屋さんやってるだけよ。みんな美味しいの。」
母「まあ。この子らしいわね。今日は楽しんでくださいね。」
理事長「なあ婦長。あなたの目線と思考は前から評価してるんだよ。副理事長を視野に入れている。」
外科の新人「すごーい。あっ!それって。理事長の女になれってこと?」
理事長「バカモノ。私的に病院を利用しない。そういうこととは別だ!」
婦長「私は。。患者さんと向き合いたいから。。理事長の女なら喜んで。。」
部長「いや、待て。理事長の要望と全く違うじゃないか。」
外科の新人「婦長。お金にそんなに困ってるの?」
婦長「女なら、いろんな男に愛されたわ。」
部長「いや、間違ってるから。」
婦長「だって。女盛りは短いから。。理事長は素敵だし。」
理事長「さっきから、部長はダメなのか。」
婦長「それは。。順番があるからねえ。私は、下位だからね。」
外科の新人「あ、あの。そう言えば飲まないんですか?」
理事長「みんな明日仕事だし。。」
部長「理事長が運転なさって。私らだけ飲める訳ないだろう。」
外科の新人「そっか。」
店長「お待たせしました。味噌カツ定食です。」
理事長「いや〜。テレビで見ましたよ。あっ!昨日彼女がマロンケーキを食べさせてくれて。感動しましたよ。」
店長「ありがとうございます。」
婦長「店長が作ったんですか?」
店長「はい。」
部長「いただきます。。うわ。むちゃくちゃ美味い!」
理事長「味噌カツなんて初めてだけど。これは美味いなー!」
婦長「えっ!。。ねえねえ。ごはんが信じられないくらい美味しい!」
部長「うま。。味噌カツがこのごはんなら最高だな。」
理事長「オススメするだけはあるな。素晴らしい。」
婦長「あっ。そう言えば。理事長。彼女の婚約者が店長というのは絶対内緒ですからね。」
理事長「えっ?何で?」
婦長「お金に関心ないのは彼女くらいよ。女の妬みは厄介なの。だから絶対内緒。」
理事長「はい。分かりました。」
外科の新人「ごはんのおかわり4つ。」
婦長「ケーキに。ごはん。。太る〜。けど。ごはん要る!」
店長「分かりました。楽しんでください。」
外科の新人「私が取りに行く。仕事して。」
理事長「太った女性好きなんだよ。」
婦長「えっ!わ、私。頑張る!」
外科の新人がごはんを持って戻る。
外科の新人「聞こえたよ。あのさー。問題起こして婦長いなくなると困るからやめてもらえませんかね?私、部長と婦長は尊敬してるんですから!はい。ごはん。」
理事長「おお。済まないね。。しかし、本当に美味しいな。」
父「娘をよろしくお願いします。ごはんは、娘が来てから、この味に変わったのです。つまり、ごはんは彼女の味です。この味になっておかわり増えましてね。。ああ、いらっしゃい。久しぶりですね。」
婦長「あなたの味なの?うわ〜。尊敬するわー。」
外科の新人「いえ。私が尊敬してるの!」
理事長「なあ君。本当に看護師でいいの?」
外科の新人「私は看護師になることが夢でこの街に来ました。だから譲れません。ただ、彼の赤ちゃんは最優先事項になりましたけど。赤ちゃん産んでも看護師は辞めません。」
母「はい。デザート?のサービスです。」
外科の新人「あっ!」
両親と外科の新人が身構える。
嬉しそうにマロンケーキ?を口にいれると困惑する3人にそれぞれタオルを差し出すと、3人はびっくりして吐き出した。
婦長「なになに。びっくりした〜。」
部長「なんだこれは。。」
父「これも娘が作った。マロンケーキ?です。胡麻豆腐とそうめんと生姜です。今や一番人気になってしまいました。」
理事長「聞いて食べると。。美味いな。」
婦長「本当だ。」
部長「確かに。。あの〜。4つ手土産にしてもらえませんかね?」
父「いいですが。。保冷剤ないから必ず今日中にお召し上がり下さいね。」
理事長「いや〜。楽しくて、美味しくて。。最高だったよ。勘定をお願いします。」
母「娘からいただきましたよ。」
理事長「いや、そういうわけには。。」
婦長「そうよ。」
部長「私は土産までだから。。」
外科の新人「あのね!。。また一緒に食事に行きたい人だったら。。先に払ったら、次の可能性が出るでしょう?」
理事長「なっ。。参りました。」
3人が幸せそうに帰っていくのを笑顔で見送った。嬉しそうな帰りの車。
理事長「いや〜。腕はともかく。絶対に必要な人材じゃないか。」
婦長「さあ。それはどうですかね?」
部長「そうだな。確かに。」
理事長「なんだ。含みのある言い方は。しかし、2人の見る目は確かだな。内科は困ったものだな。」
婦長「新人を婦長にしたら?」
部長「間違いなく正しい。だかな。それは本人が喜ばないからダメだ。ふさわしい人材だが、それはダメ。」
理事長「訳ありか。。その線は外すか。」
婦長は外科の新人ならアリと言おうと思ったが、自分が一緒に働きたいワガママで言うのを辞めた。
理事長「次も会いたい人は先に払うか。。参ったな~。言われて嬉しくなってしまって。。考えたら結構な値段だぞ?」
部長「新入社員に払われて、納得させられるとは。。」
婦長「ケーキも結構払われてるのよね〜。」
部長は自宅で家族のマロンケーキ?のリアクションを楽しむのだった。




