外科の新人の歩み19 改善会議
夕食を終えると彼が話しはじめた。
彼「店長。最も利益があがる休みを検討をしたいので、売り上げ表を見せてもらえないですか?もちろん機密情報ですので外部には出しませんのでご安心下さい。」
同僚「彼、営業の仕事をしているけど、将来企業コンサルタントになるために日々勉強してますから、お役に立てると思います。」
店長「分かりました。売り上げ表を持ってきます。字が汚いですが。」
同僚が渡された売り上げ表を見ながら読み上げ、彼がノートパソコンに入力する。
入力が終わると、彼がノートパソコンを見せる。
彼「店長。まずは1ヶ月分のデータを入力しました。右が週の曜日ごとの売り上げ。グラフは曜日の占有率です。データの取り方次第で、より効率の良い働き方も検討出来るかもしれません。4人でこのデータを分析しましょう。」
店長「へー。すごいなー!」
同僚「土日がやっぱり圧倒的ね。全体の5割近い。」
外科の新人「平日は金曜日が多いね。」
彼「確かに。推測ですが、金曜日は見舞いの方が多いためではないかと。翌日休みだと見舞いにきやすい。土曜日が最大なのは見舞い以外と見舞いの両方が来るため。日曜日は見舞いが少ないから土曜日より若干落ちる。極端に言うと金曜日から日曜日まで働くのが一番効率がいい。けど、残り休んだらお客さんが減るでしょうね。」
店長「なるほど。」
彼「赤字ラインは日にいくらでしょう?」
店長「一番売り上げが低い火曜日の3分の1くらいだと思います。有名になる前はそれくらいだった。あの頃は見舞いのお客さんが大半だったんだ。」
彼「なるほど。つまり。。今はむちゃくちゃ儲かっている。ここまで儲ける必要があるのか、休みを選ぶかですね。ただ、建物の保守などいろいろ考慮する必要もありますので信用して頂けるなら細かく教えて頂けたら、ベストの案が導き出せるかもしれません。」
同僚「商品ごとに売り上げが分かると、適正な製造数も予測出来るわね。」
彼「食品業界は廃棄が一番のダメージです。売るための技とかはいろんな販売者とお付き合いありますから、ノウハウは身に付いています。データを吸い出せるレジスターがありますので、少し高いですが導入して分析したら、あっという間に元取れると思いますよ。」
外科の新人「ねえ。そのレジスターは時間ごとに分析出来るのかしら。」
彼「時間の情報が入っていますのでパソコン内で処理すれば好きな間隔で区切って統計は出せます。材料費や様々なデータを入力したら各商品の利益率も出せます。個人的には、マロンケーキが圧倒的人気で人気店になっているはずなので、需給バランスが合うラインまで値上げするべきだと思います。あまりに安すぎると思います。」
外科の新人「私もそれは思った。病院に持っていくケーキって形が崩れないやつを選ぶ傾向があると思う。プリンとかシュークリームはお見舞いに適している。形が崩れない商品のラインナップが不足してる気がします。あと、フルーツケーキは作るの手間なわりに売れてない。」
店長「なるほど。いろいろ思うところはあるな。」
同僚「ねえ。それは次の議題でいいでしょう。休みをどうするかよ。」
彼「そうだったね。」
外科の新人「あのね。今日アルバイトの子に聞いたらケーキ屋さんが夢らしいの。店長にも話したらけど私、彼女を社員にして育てたら、営業したまま休めるようになると思う。やがて自分の店を持ちたい時は応援したらいいと思うし。」
彼「投資に見合うならいいと思う。ただ、経営者は雇用はリスクだ。売れなくなった時に経費は痛い。雇用責任はある。」
店長「彼女なら、社員にするのは抵抗ないよ。私も店に立ちたいんですよ。」
同僚「育ったら週休2日は出来るかも。」
外科の新人「でも1日は定休にしたほうがいいと思う。もう1日は交代で休めばいい。」
同僚「定休は何曜日?」
彼「それぞれ言おうか。」
同僚「私は月曜日。」
外科の新人「私は木曜日かな?」
店長「水曜日。」
彼「私は火曜日か水曜日かな。」
彼「根拠は?」
同僚「一般的には週の初めだから、ケーキのニーズが一番ない気がしたの。」
外科の新人「最近は月曜日と火曜日が美容院とかが休みだから。女性ターゲットと考えたら。。あと月曜日は祝日になりやすいから。」
同僚「ああ確かに!」
店長「週の真ん中だから。単純に。深い意味はない。」
彼「火曜日は確かに。売り上げ低いとはいえ火曜から木曜日までは大差ない。月曜日は今月は1日祝日がある。それで売り上げ押し上げているのは確かだ。」
外科の新人「水曜日と木曜日は町医者は午後休診も多い。」
彼「なかなか難しいですね。無難なのは木曜日なのかも知れない。」
同僚「他のケーキ屋さん調べるか。」
外科の新人「ここが圧倒的ナンバーワンだから、あまり意味はないかも。でもそういう周辺事情って決める材料にはなるから、いろいろ調べるべきだと思う。」
彼「これくらいで一旦切りますか。次回をまた打診しますので、各自考えてみて下さい。」
同僚達はある程度の時間で区切り、気を遣って帰っていった。




