外科の新人の歩み18 ご褒美
研修が終わった土曜日、外科の新人が朝食を作って同僚と一緒に食べる。
同僚「いつもありがとうね。料理はあなたのほうが美味しいからね。ねえ、今日はどうするの?確か1日いないって言ってたわね。」
外科の新人「彼と1日過ごしたいから、ケーキ屋さんを手伝って、仕事終わったらデートかな。夜は帰るか泊まるか分からない。彼、盆と年末年始くらいしか休みないから、悩んでるみたいなんだ。」
同僚「そうよね。休むのも必要よね。あなたが大切だから変わったんだわ。」
外科の新人「私ね、平日は休んでいいと思うの。」
同僚「ねえ、今日夜ダブルデートで夕食食べない?夜9時に何か買ってケーキ屋さんに行くわ。」
外科の新人「いいわよ。彼に言っておくわ。」
2人はデートに向かった。
同僚は彼が迎えに来ていたため、駐車場で見送ると歩いてケーキ屋さんに向かう。中に入ると店長はケーキ作りに集中している。
店長「あれ?夜デートじゃなかった?」
外科の新人「昼はお手伝いよ。そう言えば、同僚がダブルデートしたいから、夕食を一緒に食べたいって。夜9時にここに来るってさ。」
店長「へー。なんか嬉しいな。」
外科の新人「しかし、土曜日はすごいなー。開店したばかりなのにもう並んでるの!」
店長「シャッター開けたら10人以上並んでた。ありがたいことだよ。」
外科の新人「アルバイト増やしたんだ。3人も!思い切ったわね。」
店長「土日は働ける人が多いから集まりやすい。平日はあの子の友達と2人体制。どっちも可愛いからさあ。気をつけてあげないと危険な気がする。」
外科の新人「ねえ。私、厨房手伝うわ。行列出来たら店に立つ。」
外科の新人は店長の様子を見ながら材料を渡し、完成したケーキをトレーに入れ、店に運ぶ。
アルバイト「店長。ホールケーキ大です。メッセージ置いておきます。」
店長「了解。。忙しいのにホールケーキか。」
外科の新人「私、イチゴ切るわ。メッセージ書こうか?」
店長「頼む。あっ。メッセージの時はホワイトチョコ使って!チョコレートで文字入れないとメッセージが目立たない。」
外科の新人「出来た!どう?」
店長「へー。僕より遥かに字が上手いな。ありがたい。」
外科の新人「イチゴ切るわ。10個でいい?」
店長「大丈夫。3つに切って。」
店長が素早くホールケーキを仕上げると、外科の新人がメッセージチョコを乗せた。
外科の新人「幸せ〜。あなたと一緒に作った。赤ちゃんみたいなものね。」
店長「そう言われたら。。確かに嬉しいな。でも、切り刻まれて食べられる。赤ちゃん。。微妙だ。」
外科の新人「も〜。そんなこと考えないでよ!夜に本当の赤ちゃんを。。」
店長「えっ!終わったの?」
外科の新人「昨日終わったから。。土日愛してね。」
店長「これは頑張らないと。。しかし。結婚して子供出来たら。。やっぱり休み必要だな。仕事だけ考える時代は終わったんだな。。きっと幸せなんだ。」
客「おーい!」
外科の新人「えっ。外科部長!」
店内に走っていく。
外科部長「お前。何をしているんだ。アルバイトは禁止だろう。」
外科の新人「私はボランティア。彼を助けて早くデートしたいから。」
外科部長「閉店時間決まっているだろう。」
外科の新人「お客さんいなくなったら、イチャイチャするの。何をしに来たんですか?」
外科部長「娘が誕生日だから、ホールケーキ大だよ。」
店長「えっ。また。。はい、すぐに。」
外科の新人「部長。フルーツケーキ買ってもらえるとトレー入れ替え出来るんですけど。」
外科部長「分かった分かった。店長。余りやすいのは?」
店長「プリンとシュークリームですかね。今はそれなりの味のものが簡単に買えますから。ただ、見舞いで買われるお客様が結構いますから無くせないのです。」
外科部長「じゃあ、箱を別でプリンとシュークリームを10個ずつ先にくれ。」
外科の新人「何で?」
外科部長「医師と看護師に持っていく。」
外科の新人「あら。そんな素敵なことするから、部長はモテるのね。」
外科部長「あのな。妻一筋だ。」
アルバイト「まず、プリンとシュークリームをお渡し致します。」
外科部長「ああ。誕生日ケーキ頼むよ。そうた!これメッセージだ。」
外科の新人「ながっ!これ入らないですよ〜。チョコレート2枚使うから1000円も上がりますよ?」
外科部長「娘が喜んでくれるなら安いものだ。ちょっと病院に行って、戻ってくるよ。」
店長「お前。そうやって値段釣り上げるのやめろよ。」
外科の新人「チョコ追加だから値上がり当たり前でしょう。バランス悪いから3枚にする。1枚は名前をデカく書く。。ほら!どう?」
店長「おー。いいんじゃない?これなら1000円アップ納得だな!」
アルバイト「店長。マロンケーキがもう無いです。」
店長「ヤバい。すぐに作る。」
部長が戻って来た。
外科部長「申し訳ない。足りないらしい。婦長に怒られた。あと10個ずつ頼む。」
外科の新人「私が届けましょうか?」
外科部長「いや、アルバイトしてるとかモメるとヤバいから、婦長に来てもらう。来たら渡してくれ。」
外科の新人「分かりました。」
店長「お待たせしました。ありがとうございます。」
外科部長「ありがとう。仲良くな。」
外科の新人「お気をつけて。」
外科の新人「マロンケーキに集中ね。。えっ!もう2トレーも作ったの!」
店長「下地は大量に作ってあるから、上にクリームとマロンのせるだけなんだ。そのために朝4時起きなんだけどね。」
アルバイト「ケーキ取りにみえました。」
外科の新人「婦長。おはようございます!」
婦長「あなた。何やってるのよ!アルバイト禁止でしょう!」
外科の新人「ボランティア。というかデートです。婦長。これ。」
婦長「何?」
外科の新人「婦長だけマロンケーキ。」
婦長「あら。嬉しい〜。休み明けは誰よりも厳しく指導してあげるからね。特別だよ。」
外科の新人「何でよ!おかしいじゃないですか。」
婦長「みんな喜んでた。けど遅番の医師と看護師の分が無かったから。余ったらもらっちゃお。早番だからね。じゃあね。」
外科の新人「あれ?箱作り置き?」
アルバイト「はい!先日のを見て、出来ることを先にって。行列はかなり減りましたよ。」
外科の新人「あなた、やるわね!」
アルバイト「私、ケーキ屋さん憧れなんです。店長尊敬してるんです。」
外科の新人「そう。いい人生になるといいね。あなたは努力すごいと思う。」
店長「そろそろ交代で弁当食べなさい。」
外科の新人「しばらく店に立つわ。」
外科の新人はアルバイトに指示しながらフォーメーションを変え、どんどん処理していった。3時にアルバイトが帰るとケーキ作りも一段落し、2人で店に立つ。
外科の新人「ねえ。思ったんだけど。前からいるアルバイトの子。ケーキ屋さんが憧れって。あなたの弟子にしたら?休みも取れるかも。」
店長「そうなの?一度聞いてみるよ。腕もあるからな。。」
外科の新人は余り過ぎのケーキを上手くオススメしながら確実に商品を減らす。夜8時に店を閉め、売り上げの計算や片付けのあと、明日の準備をするうちに同僚と彼がやって来た。
彼「世話になりっ放しですので、ウナギ買ってきました!」
店長「嬉しいね!ありがとう。」
店内で楽しい夕食になったようだ。




