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#19 商都へ

ヨースランドの領都であるリブストンへ向かう道中で盗賊団の襲撃を受けたが、ほぼ被害はなく切り抜けられた。


僕は何にも活躍してはいなかったが、アクセルさん達が無事で良かった。


その後しばらくすると十数mほどの川幅にかかる橋の前に設けられた関所に通りかかった。


この土地の領主が設けた関所らしく、罪人や盗賊の通行を防止する目的と、通行料をせしめることが目的の関所であるとアルフレッドさんが教えてくれた。


こういった関所はこれまでも何箇所か通ってきている。


今回はこの関所に手土産がある。捕らえた盗賊だ。


数時間前にあった襲撃事件とまだ盗賊の残党が残っていることを報告し、盗賊の頭を引き渡すと、関所の兵は感謝の言葉を口にしてくれる。


しかし、アルフレッドさんは感謝だけでは困ると言いたげな顔をして関所の兵長と交渉し始めた。


確かに被害はほとんどなかったが、多くの盗賊を討伐し首領も捕らえた事を考えると何か褒美があってもいいくらいだ。


結局、交渉がうまくいってここの関所の通行料は払わなくて良くなった。

その辺りの事はアルフレッドさんはなかなちゃっかりしてる。商人たる者そうでなければ。



西に進むに連れて、森が少なくなり広い穀倉地帯を目にする事が多くなった。

気候が暖かいためか、この辺りでは場所によって小麦や大麦とライ麦の二毛作を行うことがあるらしく、雪解けしたばかりだと言うのにところどころ小さく育った麦の穂が見える。


食べるものが多いと言う事は人も多いと言う事でもある。

ここまで来ると道幅も太くなり、2000人〜2万人程度の街が適度な距離に現れるようになった。


街があれば宿がある。

毎日宿に泊まる事が出来るようになって僕もビアンカも大満足である。





「リブストンが見えますよ」

御者が声を上げる


プールズ川が見下ろせる少し小高い丘の上を通った時に、その川の先に霞むように街が見えた。


ラノベではドレイン方伯の権力の源としてヨースランド領の事が取り上げられている。

ヨースランド領は肥沃な大地を持つ穀倉地帯を占めており、その都リブストンはタンブル川とプールズ川という2本の大きな川に挟まれた大都市として登場する。

2本の川は商業にも大いに貢献し、海岸部に良港を持つため川と海の水運が非常に発展している。ゆえにリブストンは商都とよばれドレイン方伯にも莫大な利益をもたらしている。

都市の人口は30万人を超え、今では帝都を上回るほどだ。


そう、この国最大の都市たどり着いたのだ。


*****


大河川であるプールズ川に架かる橋は大きくとても長い。巨大な石を幾つも基礎にして橋をつなげている。

橋の両側の大きな門に関所があり、兵達が簡単な聞き取りをしたうえで橋を渡る人や荷車から通行料を取っていた。


橋を進むに連れて大きな門越しにこれぞファンタジー世界に来たという街並みが近づいてくる。

ほとんどの建物が3階から4階建で、茶色の屋根に白や薄青や薄黄色の漆喰の壁をもつ。

そして大きさが綺麗に整えられた石畳の道。

今までの街とは比べ物にならないくらい大きくて綺麗な街だ。


そして人通りも今まで通ってきた街とは大違いで、人や馬車がひっきりなしに石畳の道を通っている。


僕たちはこの素敵な大都会の中心部にほど近い位置にある薄黄色の漆喰が立派な宿に泊まる事になった。


高級な宿らしく、ここでの夕食はこれまでにない豪華さである。

サラダに鯛のような白身魚のムニエル、羊のステーキ、小麦のパン。

先に鉄が使われているフォークも初めて見る。

そしてなんとワインが出てきた。


「初めてのワインでしょう?」

アルフレッドが問いかけてくる。


「成人になったばかりですので、もちろん初めてです。」

教会で成人の儀をしたわけではないが、年齢的にはもう成人だ。


「お味はどうですか?」

「美味しいのかと言われると、、わかりませんね。なんだか渋いですね」


「フフッ。この味がわかるようになって初めて大人の仲間入りですよ」

「僕もまだまだ子供ですねw」


「カイトもまだお子様だねw」

ビアンカが可愛く割り込んでくる。


「ワインは何から出来ているかは知っていますか?」

「はい。葡萄ですね。」


「良くご存知で。いや、さすがドレイン方伯のご子息です。

このヨースランドは葡萄の栽培も盛んで、ワインの品質も良い。我々もヨースランドのワインの買い付けルートを開拓したいと考えております。」


「そうですか」


「葡萄の栽培地の多くはドレイン方伯の直営の荘園でしてね。

なかなか入り込む余地がなくて困っていました。」


「そ、そうですか」


「カイトさんには期待していると言う事ですよ。」

「は、はい。」

ドレイン方伯に取り次げと言う事だね。


「そうそう、私は明日から数日は商売のために駆け回りますので、しばらくこの宿に泊まります。その間、アクセルは私の警護をしてもらいます。

カイトさんには別の警護をつけますので自由にこの商都を楽しんでください。」


「わかりました。」


「あっ、もしドレイン方伯にお会いになる場合は私もご一緒させていただきますので。」

アルフレッドがウインクをしてくる。


「・・・・・」

ドレイン方伯に取り次げ圧力に耐える僕であった。



**********


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