表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

前日譚_03(人間ドック受診)

特に山も谷もオチも面白さもありません。

7/9、37歳まであと一日と迫った金曜日、人生三回目になる人間ドックを受診。


前日、夜9時までに飲食を済ませ、

それ以降は水だけ接種した朝。

その後に待ち受けている胃カメラを思い、軽くえずいていた。


父親は昨年胃ガンの手術をし、その検査で月一ペースで胃カメラ飲んでいたのに情けない所。

しかし、押し上げてくるムカつきにはどうしようも無い。


今回は、それまで受診していた所ではなく、

昨年、胆嚢ポリープの検査のため、内視鏡超音波を受診した病院で人間ドックを受診することにした。

会社指定の所では無いので手続きが多少面倒なのだが、

どうせ何か引っかかったらその病院にお世話になるのだからと、そこにした。


胃カメラは当然麻酔をしてもらうつもりだったので、

自分で車を運転せずに、父親に送って貰った。

トボトボと歩いて受付に付き、受付を済ませる。

持ってくるものの中に、『下着一式』とあって、頭に?マークがいっぱいだったが、

特に要求されなかった。

7:45受付、普段の出勤時間とあまり変わらず、眠い。


受付後、専用の検査着に着替える。

ひもがついていたが、どこと結ぶかわからず、片方放置していた。

後半になって、結ぶ所に気づけた。


名前を呼ばれ、身長と体重を計測。

慎重はなぜか1cm伸びていた。

体重は去年から1kg増えていた。

ダイエット食を食べているのに体重が増えるとはなぜ?

そのまま血圧を測ったんだけど、上が120弱の下が50弱。

下、低過ぎね。。。?


身長、体重、腹部を計測後、書類を見ての問診。

胃カメラ用の誓約書を記載するように言われる。

鎮静剤関連で結構怖いことが書いてある。

ここで問診の看護婦さんから『前回の超音波内視鏡の時、麻酔の効きが悪かったから、お医者さんと相談して麻酔薬を選択するって所にチェックを入れて』と言われたので素直に従う。

ここで初めて、胃カメラの時の麻酔に種類があって、色々選べることを知った。

効きが強いけど眠気関係が一日抜けないもの、効きが弱いけど眠気が抜けるものが速いもの、あとは麻酔とプラスして使う痛み止めのようなもの。

ただ、色々と怖いことが書いてあって、お医者さんに聞いてみようと思った。


誓約書を書こうとしたら、すぐに採血に呼ばれた。

昔は平気だったが、今は血を抜かれる所を見るのが苦手になった。

痛みも苦手。

よそを向く。

どうも、俺の腕は太っているのと、血管の通りが見づらいらしく、結構時間がかかった。

今回は四本。

オプションで亜鉛/貧血検査とピロリ菌検査を入れていたので本数が多かった。


その後、栄養指導用の書類を書いていたらオリエンテーションが始まった。

俺の他に20人ぐらい受けるが、回るルートは人それぞれ違うらしい。


まずは、胸部レントゲンを撮った。

昔はTシャツも脱げと言われたが、今はいいらしい。

可もなく不可もなく、1分ぐらいで終了。


次に腹部超音波検査。

これが俺はとても苦手。

毎回、終わった後、筋肉痛のように腹が痛くなる。

憂鬱な気分で居たら呼ばれた。

今回担当するのはおじいちゃん先生。

あら、外れかと思ったら、後々とても当たりだったと気づく。

スケベ心で女性がいいなと、この瞬間は思っていた。

毎回、検査の際にはほとんど教えてもらえず、『最後、先生に聞いて下さい』と言われていたのだが、

このおじいちゃん先生は違った。

一々止めて、画面を見せて状況を教えてくれる。

『ここは問題ないね』

『これは問題ないね』

『肝臓にのう胞があるけど、これは良性だから』

これは、一々気になる俺にとってはかなり嬉しい誤算だった。

ただ、問題もあって、

『あー、これはかなり深刻な脂肪肝だね。昔はフォアグラって言って笑ってたけど、今は肝臓がんの温床になることがわかっているから頑張ってダイエットしてね』

『あー、すい臓にも脂肪が巻いてるね、このままだと糖尿病になるからダイエットしてね』

『腎臓とその間と肝臓、これね、白黒黒ってならなきゃいけないのに、君の場合は白黒白。オセロはね、アウトなの』

『腎臓に石ねぇ。。。 私の腕が悪いのかもだけど、左に3mmのやつがあるようなないような。。。』

『内臓脂肪と皮下脂肪はね、落ちるから。大丈夫、少し頑張れば改善するから』

どうも、やはり脂肪肝が問題らしい。

どちらかと言うと、腎臓結石の方を気にしていたのだけど、脂肪肝の方が重要視される模様。

ちなみに、胆嚢ポリープは、去年からほぼ変化が無かったため、良性と断定して良いとのこと。

良かった良かった。

この時点で、ダイエットを固く決意した。


次に心電図と肺機能。

これは結構待った。

一般の患者さんが多いみたい。

みんな心臓が悪いのかもしれない。

まずは肺機能。去年は別の所だったけど、コロナのせいで検査出来なかったやつ。

まぁ、息を吸って吐くだけの検査だけど、どうにも手ごたえがないからどうなのかよくわからん。

多分、肺活量は無い方だと思うけど。。。

次に心電図。

若い看護婦さんに対応してもらったが、何かジェル塗られる時、ちょっとドキっとしてしまった。

ごめんなさい。


心電図まで終わったら一端受付に戻った。

そこで二回目の血圧を測る。

上が120弱の下が80強。

あれ? 今度は下高すぎじゃね。。。?


血圧を測ったらちょっとまったりしていると呼ばれた。

この呼び出しで、俺はちょっとしたミスをしていたことに気づいた。

今回、ピロリ菌検査を入れていたのだけど、実は昔、ピロリ菌検査をやって陰性だったのだ。

それで二回目やっておこうかと思ったのだけど、

実は、ピロリ菌は大人になってから感染することはほぼ無いため、

二回目の検査は意味が無いらしい。

今回、血を既に取っているが、そのまま検査をすると6000円ぐらい取られるけどそのまま続けるか?

と言われたので、呼気検査はやったことなかったのでせっかくだしやってみた。

これが落とし穴。

実は、ピロリ菌の呼気検査は、息を吐く→薬を飲む→横になる(5分)→椅子に座る(15分)→息を吐くという、時間がかかる検査だったのだ。

既に、バリウム検査の人は終了してご飯食べだしている中、半分も検査の終わっていない俺。

まぁ、ちょっと疲れてたし、素直に従って横になったり、座って雑誌を読んだりして検査終了。

そのまま視力検査/聴力検査を受ける。

視力は裸眼で両目0.1、眼鏡で両目1.5。

聴力問題無し(全音聞こえた)

眼圧と眼底写真撮影し、残すは胃カメラのみに。


とりあえずラウンジで待機していたら、胃カメラの呼び出し有。

ドキドキしながら胃カメラの場所まで行く。

まず、胃の中の泡を取る薬を飲めと言われる。

味の限りなく薄いポカリみたいなもの。

一気に飲んで気持ち悪くなる。

その後暫くしてから、麻酔用の管を通すため、静脈に針を刺される。

とても痛い。

ここで気づいた。

前回の内視鏡超音波の時は点滴だったのに、今回は注射器のようなものだけついている。

『これでいいの?』って聞いたら、今回はお薬入れるだけだからこれでいいと言われた。

違いが良くわからない。

ビクビクして待っていたら、もよおしてきたのでトイレへ。

用を足していた所で呼び出されて慌てて内視鏡の部屋へ。

そのまま流れ作業のようにベッドに寝かされる。

ここで気づく。

麻酔の説明されていないんだけど。。。?

しかし、俺の想いとは裏腹に、作業が着々と進んでいく。

俺はせめてもの抵抗で、『緊張する』だの『前回きつかった』だのアピールするけど、優しい看護師さんは『大丈夫』の一点張り。

『何かあったら薬足しますからねー』と声かけられたので、もういいやと全てを諦める。

口にマウスピースをはめられた段階で軽くえづきそうになっている。

そのまま、喉の麻酔を吹きかけられる。

合計三回、吹きかけられるんだけど、三回目で喉の感覚がなくなり、唾を飲み込むなと言われる。

その段階で、緊張から飲もうとして、気管に入りかけ、呼吸困難で死にそうになりながら、ぜーぜー言い始める。

看護師さんから、『はい、薬入りますねー』の声から、すーっと意識が無くなり、周りが暗くなり、まっくらな水の中に沈んでいく感覚があった。

ただ、それだけ。

前はそこで意識がぷつっと途切れた感覚があったがそれが無い。

今回は、周りが暗くなってそれだけ、意識がある。

あれ?って思った所、遠くから声が聞こえる。

『おえー!!! おえーーーー!!! おえええええええ!!!!』

自分の喉が延々えづき続けている。

苦しさは正直ない、まったくの他人事。

ただ、声は聞こえてくる。

『そんなに大声上げないで、また喉痛くなるよ』

えづいているのは確かだけど、意識が無いの俺、どうしようも無い。

看護師さん達が叫んでいる。

『先生、このまま検査するのは怖いです』

うん、申し訳ないけど、意識無いから俺にはどうしようも無いね。。。

『薬増やして、7まで』

前回の内視鏡超音波だと『20mmgまで増やして』って声が聞こえてきてたのは覚えてたので、今回薬変わったんだなぁって所が最後の記憶。

次、意識が戻ったのは台から起き上がって車いすに乗ったところ。ただ、正直、そこから休憩する部屋までの移動の記憶は全くない。

休憩する部屋について、車いすから立ち上がらなきゃいけない時に、支えてくれた看護師さんに、『うわー、身体の感覚まったくないっすわー』って言って笑ってたのを覚えている。狂気。

そこで大体11時だなぁと思ってすっと意識が無くなって、次意識が戻ったのが12時ぐらい。

あれ?と思って、一応身体を確認。

前回は、30分ぐらいの時には身体の感覚が全くなくて、正直怖かったのだが、今回目が覚めた時には割と楽。

むしろ、胃がすっきりしているぐらい。

ただ、周りに何人か同じような人が居たけど、次々呼ばれて最後の先生との面談に行っている。

でも、俺には呼びに来ない。

そのまま12時半まで待ってたら、ようやく看護婦さんがこっちに気づいた。

『かなり強めの薬を入れてたので1時間ぐらい休んでもらいました。先生の診察いけますか?』

やっぱり強めの薬だったのね。。。

ってか、最初から強めの薬入れてくれないかなぁ。。。


そのまま軽くふらつきながら診察室へ行く。

すると、また別のウィスパーボイスのお爺ちゃん先生。

『コロナ対応中だから、あまり推察とかどうしたらとかは言わず、結果だけお伝えします。詳細は2~3週間後に届く冊子を確認してください』

へー、なるほど、そういうもんなのね。


身長体重、体重多いねー。

血液、多血症とコレステロール関係が多いね、ダイエットだねー。

レントゲン、詳細は内科の先生の精査が入るけどたぶん問題ないねー。

腹部超音波、胆嚢ポリープはそのままだから問題ないねー、脂肪肝は減らしていこうねー。

検便、検尿共に問題ないねー。

心電図、肺機能共に問題ないねー。

胃、ポリープあるね。

はい終わり、とにかくダイエットしようねー。


。。。


っえ?


ポリープ。。。?


『せ、先生、胃にポリープって!?』

『まぁ、内科医の先生が見てからになるから詳細はねー』

『え、あの、いや、あの、父が昨年胃ガンの手術したので不安なんですけど。。。』


そういうと、お爺ちゃん先生は苦笑しながら、


『まぁ、あんまり僕がこういうこと言うの良くないんだけどね。まぁぶっちゃけると、このポリープ、胃底線ポリープってなっているし、胃壁との色味差もないからほぼ大丈夫。大きさは書いていないけど、基本的に何かあっても一年後の経過観察だろうから安心してください。細胞も取ってないみたいだし、まぁ、大丈夫でしょ』


あー、良かった。。。

内村さ〇ーずの人間ドックの際によく見るやつか。。。

癌にならないやつなら安心。


『それらを気にするより、まずはダイエットしてくださいね、それで全部改善するから』


はい。。。

ちなみに尿酸値がギリギリオーバー。

眼圧問題無し、それ以外も基本的に大丈夫だけど、結果待っててねって感じだった。


『先生、ちなみに、オエオエなるから来年レントゲンにしようかと思ってるんですけど、胃カメラとレントゲンってどっちがいいんですか?』

『それは断然胃カメラ。レントゲンはポリープもガンも一緒くたになっちゃうけど、胃カメラだと区別つくからね。一年に一回だし、眠っている間に終わるからそんなオエオエならないでしょ』

『いや、どうも今回もだいぶきつかったんですけど。。。?』

『。。。まぁ、君の場合は身体大きいし、麻酔の効きが悪かったのかもね』

はい。。。


この時点で既に13時を超えていたが、俺はオプションで栄養指導を入れていた。

去年の11月から仕事環境が変わったので、夜ごはんが寝る二時間前とかになったので、

それを相談したかったのだ。

暫く待っていたら、やってきたのはおばちゃん栄養士さん。

俺の顔と名前を見て、父親の名前を言った。

どうも、父親の手術前の栄養指導をしていた人の上司らしい。

父親は手術のため、約30kgのダイエットをしたのだが、俺の場合はそれを倣ったらリバウンドしちゃうからダメらしい。

父親の場合は手術という目標があったから短期間でやるしかないが、俺の場合は今後長い人生続けていく必要があるから、ストレスにならない方向で考えるべきとのこと。

なので、食事関連は一切削る必要が無いらしい。

逆に、

 ・ 寝る前に食べるアイス

 ・ 寝る前に飲むビール1L(金曜~日曜のみ)

をやめるだけで良いと。。。

ただ、

 ・ アイスを食べるときは日中

 ・ ビールを飲みたい時は350mmまで。

 ・ ノンアルコールビールなら、1L飲んでも可(ノンカロリーなら直良し)

 ・ 酒を飲みたい時は焼酎のお湯割りを推奨(カロリー的に)

とのことだったので、運動を追加する方向で考えた方が良いとのこと。

 さらに、夕食を食べる時間が後ろ倒しになったことへの対策は、

 トータルカロリー200kcal以下になるように、多少の油ものを追加して、

 間食してくださいという話だった。

 その方が、空腹時のリバウンドで食欲が暴走することも無く、

 ただのパンとかご飯を食べるよりも、油ものを混ぜた方が血糖値が上がった後、急激に下がらないとのこと。

 ちょっとおやつを考えようと思った。

 豆乳は飲んでるし。



これで全ての段取りが完了。

最後に着替えと会計を終えて、帰り際に食堂でご飯を食べる。

今回の人間ドックは食事セットなので、そば/うどん/弁当から選べたので、せっかくだから弁当を選ぶ。

弁当が届く、結構豪華。

『ごはんとみそ汁お代わり自由ですからね』

ぴくっと動く俺。

ごはんお代わり自由、何と甘美な響き。

ただ、断腸の思いで、ごはんいっぱいでやりくりする。

本当に悲しい。。。


これにて、人間ドック終了。

特に重大な問題がなさそうだったけど、このままだとやばそうだったのでダイエットを開始する。

とりあえず、40歳に受けようと思ってる、泊りがけの人間ドックに向けて、どこまで改善出来るか、頑張ってみようと、油淋鶏食べながら決意しました。


追伸。

前回受けた内視鏡超音波の時は、後日喉の痛みに苦しみましたが、今回は大丈夫でした。

良かった。。。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ