第一章 「スキノキモチ」
第一章 「スキノキモチ」
中学2年生の冬、僕は、生まれて初めて恋をした。
今まで人を「好き」になる感情がわからず、恋愛など一生しないのだと、そう思っていた。
しかし、そんな僕でも恋をした。
いままでどんな時でも揺るがなかった僕の心が揺れたのだ。
その時からだろう。その人のことが気になり始めたのは。
なぜか、その人のことをずっと見ていたい、その人がつらそうにしていると、
僕までつらくなる。初めての感情にどうしたらいいのかわからず、とても怖かった。
気持ち悪いと思うかもしれない。だが僕は、その人をずっと見ていたい。
ほかの人に触れさせたくない、と。頭の中でずっとこの言葉が再生され、止まらなかった。
このキモチを誰かに伝えたい、このキモチが何なのかを教えてほしい。
しかし、友達もすくなっかった僕に相談する相手も居るはずがなかった。
どうにかしてこのキモチが何なのか知ろうと、必死に考えていた。
そんなある日、友達が「○○さんのこと好きなんだけどなんて告白したらいいかな?」
なんてことを僕に聞いてきた。そんなこと、僕に答えらるはずもなかった。
しかし、僕は答えてしまった。僕の中で頭に浮かんできた言葉。
「このキモチって何だろう?」と。
すると、まじめだったその友達はその人に「このキモチって何だろう?」と言っていた。
もちろん相手は何を言っているのかわからず混乱していた。
友達は、なにも言い返さない相手に振られたと思ったのか、「なんでもない、きにしないで」
といって、僕のところへ戻ってくる。
気まずい空気の中、僕は無神経に「ドン( ゜д゜)マイ」といった。
友達は苦笑いをしながら「ああ」と一言いう。
僕は尋ねた
「ひとを好きになるって、どんなキモチ?」と。
聞いてしまった。
友達は、「お前、そんなんもわからねぇの?」といいつつも答えてくれた。
「人を好きになるっていうのはな、そのひとが頭から離れなくて、ずっと近くにいたいって思うことだよ。」と応えてくれた。
僕はこの時、「ああ、僕はあの人のことがすきなんだな」
と、やっと自覚した。
「僕はあの人が好きなんだ。人を好きになるってこういう気持ちなんだ」
しかし、この「恋」がのちに、多大なる「後悔」に代わることを。
僕は知る由もなかった...