序
初めての投稿なので駄文ご容赦下さいm(__)m
「ヴォルクスはホントにお調子者ですねえ」
「え?」
そう言って横にいる彼女、シャルロットは微笑んだ。
「ゴブリンロードを一人で倒したのは凄いですけど、皆で協力すればこんなこんな怪我しなくて済んだんじゃ!ない!ですか!」
いやすいませんシャルロットさん。
回復しながら肩をバシンバシン叩かないで下さい。
物凄く痛いです。
「そうは言っても他にゴブリン達もいたし各個撃破するしかなくってさ、だったらリーダーの俺がやるしかないわけで」
「そうかもしれないですけど、心配なんですよ」
はい、心配かけてすいません。
でも、簡単な怪我ならあなたが治してくれるんですもん。
つい頼っちゃいます。
「じとー...」
いや口でじとーって言わないで下さい。
「まったくもう少しヴァロン家の跡取りという自覚をですねえ...」
「そんなの興味ありませ~ん」
だって弟の方が統治とか絶対向いてるし。
「俺はお前と一緒になることしか考えてないんでな」
「んなー!」
あ、かわいい顔が真っ赤になった。
下向いてブルブル震えてる。
これは逃げた方が良さそうだな。
「もう!もう!ヴォルクスさんったら!」
「はははは」
こうして俺は目が覚める。
「はぁ...」
体を起こすだけで安宿の古めかしいベッドが軋む音がする。
「夢か...」
楽しかった記憶、それをそのまま夢にみるのは契約の影響だろうか。
今はいない彼女、シャルロットのことを思い、そして気合いを入れ直す。
「待ってろシャルロット、俺が必ずお前を治してみせる!」
彼女を治す秘宝を求めて、今日も俺は旅をする。
人々の記憶には残らないままに。