もしも、彩花達が王道少女小説になったら
あっれぇ?
少女小説なのって最初の2行だけじゃん
王道少女小説は詐欺ですよー。
「いっけなーい、遅刻遅刻ー。」
「あ、私も遅刻。すんごい寝坊した。莉菜は何を気取ってるの?」
「きゃっ!」
うわー、パンを咥えながら走るJKたる莉菜に突っ込んだのは...
「あ、魔王...ビジュアルはいいんだけどね、シーン的に初対面でないと...」
「なんで再びここにいる???さっきまで会議してたのに??」
魔王は錯乱状態だった。
「まおーさまー。莉菜のパンのイチゴジャムが制服にべっちょりついてますよー!」
「あ、突っ込んだのは莉菜だったか。って、ジャム、べったり...」
無言で洗い流し、乾かした、
魔法は有能である。
「あ、魔王。ここは初対面のイケメンに恋するところだけど、駄目だ、ただの男友達にしか見えない。」
あんぐりしていた莉菜が口を開いた。
「魔王と出会ってから馬鹿話ばっかだもんね...って、あ!私達いつの間に地界にきてんの?!」
「ゲート開かない!」
「ふんぬぅー...駄目だ、残存魔力の99%を使用しても駄目だ。もうそろそろ倒れるぞ。」
「ちょ、魔王サマー」
パタって倒れた魔王サマを取り敢えず高校に連れていき、遅刻の言い訳にして、保健室に預けた。
一時間目も終わり、様子を見に行くと、まだ1%も回復してなかった。
「しゃーないかー。」
私達は宝石も用いて魔王の魔力を平常時の10%まで回復させた。
どんだけ魔力があるんだよ魔王サマ、こっちはもうくたくたなんだよ。
「うぅ、あー、二人が回復させてくれたのか。目眩がする。」
「うん、その馬鹿でかい魔力をほんの少し回復させたよ。」
「めまいだって!大丈夫なの?」
「莉菜、起きてられるんだから大丈夫だよ。」
「...うーん...ダイヤ。」
「?」
私が悩んだ末に口にした物質は、ダイヤモンド。
「この世界なら、いけるっしょ。」
まず、炭素を抜き取ります...炭...二酸化炭素。
二酸化炭素を酸素と炭素に分離させる。
取り敢えず大量に分離させ、集めて...人口ダイヤモンドの完成。
「これから補給して、魔力。」
「ありがとう、彩花。お前は本当に優しい。」
そういって受け取ったが...
「13%程回復させたら消滅してしまった。けど、体調に問題はなくなった。」
そして、保健室の先生に声をかけてから、退出した。
それからは授業を終え、部活を終えて、家に帰った。
家に帰ったら帰れるようになった。
...ちなみに、魔王の家は一応存在した。
義理の祖父母に拾われたらしい。
結局王道少女小説関係なくなった。
まぁ、楽しんでいただけたのなら、それでよいのです。