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4話

数日後。

そろそろ帰る詐欺してる二人。

理由は簡単。

そう、初日から会っていたのだ。グリーカル七色王国(しちしきおうこく)国王たる、レン・K・グリーカルと。

勿論レンは即座に新たな異世界人の存在を二人に伝えた。

ナディアとナルスに。

その後、本人達を連れて虹花達が来た。

暫くここにいるそうだから部屋を2つ用意して欲しいと。

それからはもう、質問攻めである。

特に天使に。


「ごめんね、巻き込んじゃって。」

「気にしないで。何だかんだで飽きないし楽しいし。」

「本当に口外しちゃダメだよ?口外出来ない呪いでもかけようか?」

「いや、そこまでしなくても。どうせ日本からこっちに来るのはほぼ不可能でしょ?」


菜々が謝って花音が冗談を言って咲希が答えの定まっているかのような問いをすると三人は黙り込んだ。


「天界行きゲート、開くかな?あと、散々私達の世界にゲート開いたし。」


菜々が言って、天界にゲートを開こうとした。

無理だった。


「嘘、開かない?咲希達の世界は行けて。」

「他の世界は?」


そう言って魔法が得意な花音が他の世界に開こうとする。


「え?出来ない。『時空接続』。え?『空間転移』...狭義の現世(うつしよ)は私達の世界だとして、私達しょっちゅう召喚されてて、魔力あるのは分かるけど、他の世界は出来ない?でも咲希の世界も地界で開く。」


ちなみに金法は使っていない。どこの世界にでも繋がるのは知っている。だって金法だもの。


「地界って魔法とか無いよね。天界も魔界も聖界もあるのに地界だけない。」


「咲希、これはどう?魔法とかは地界では使えないから科学が発達した。これは本能的に力を理解してないし、本当にあるとも思っていないから。だが、代わりに弱いけど、他の世界の力がある、とか。」


「異世界召喚のファンタジーって実はノンフィクション混ざってる?」


「可能性は0じゃないね。ただ、何にもわからないけど。」


「科学の力でイメージが強くできるから強いとか、そういうオチじゃないの?」


皆で話しているとげっそりとした天使が帰ってきた。


「今日は何聞かれたの?」


「他の世界についてとか。俺は何にも話すつもり無いってずっと言ってんのに7人とも懲りねえんだから。」


「あ、もう帰る?送るよ。」


「何も言わずにってのは後味悪いなって思ってたけどもう無理だな。お願いするよ。」


「まぁ、天使が連行されてる時間、ずっと話してた仲だし、虹花と菜々と花音の三人なら後で家来ても良いよ?ただ、魔法連発は禁止。」


「それは流石に弁えてるよ。もしばれたら大混乱でしょ。」


「仲良いッスね。」


レンが隠密行動を解除した。


「俺だって騎士団長よりは強いんッスよ?隠密行動が出来ない訳無いッス。」


物音を立てず消音聖法をバリバリにかけて、視覚も多少ごまかし、物陰に隠れて尾行していたなんて、三人にはバレバレであったが。

何せ、魔力が使えるのである。

金粉も扱えるし、聖力も扱えるのである。

何せ、神になってからそういう視覚だってやろうと思えばできるのである。


それでも二人は驚いた。

くちをパクパクして声も出ない。


「あ、興味があってつけてきたなんて内緒ッスよ?3人が2人をこっそり帰したなんてチクらないッスから。でも、それなりに仲良くなったと思うから今度天使の家に行っても良いッスか?地界の家って見てみたいんッスよねぇ...でも、三人とも女子なので流石に誤解されるとまずいからそんな事今まで言わなかったんスけど。」

「あ、御遠慮お願い申し上げます。目立ちすぎますから。」

「さっきの隠密行動を見てもッスか?」

「わかった、部屋に送ってあげる。ただし他の家族に見つからないこと。」

「ちょ、菜々さん...まぁ、反論する材料もないから良いけど。」

「ま、何かあったら名前を心の中で呼んで。そしたら駆けつけるなりレンをそっちに送るなりしてあげる。今生の別れでもないしね...ゲート」

虹花が珍しく魔法名を唱えた転移門(ゲート)は華やかだった。

別に唱えなくてもできたがそんな気分だったのだろう。

「じゃあね。」

元居た学校に、帰し...

「あ、天使、制服。」

「あ。」

花音が金法の転移を使った。

あの転移をだ。

花音はあれから転移を嫌っていたのに。

それは元着ていた服を学校のカバンに仕舞って直接転移させて着せた。

「さっきの服はそれぞれの学校のカバンにあるから。じゃあね。」

そう言って今度こそ送り出した。


二人が元居た世界に帰ってからレンと天使はこう思っていた。

三人って何者?

二人は普通、空間転移をあんなピッタリ使うなんて神業、人間には出来ない。それは魔法であっても。

ちなみにレンは、所謂魔女さんに必死の形相で転移を止められていたのを隠密行動で見ていたのである。

魔女さんはそれに気づかないフリをしていたが。

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