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エリケンタス魔法学校の研究室へご招待『ランクタムの土研究室』

 どうやら土研究室も校舎の半地下にあるらしいけれど、

ランクタムちゃんのいう事によると、

他にも土研究員専用の庭園があったりするらしくって、

今回は皆がせっかく土研究室に集まってるっていうし、

行った研究室もそうだったことを考えると、

僕の全ての選択肢を並行した時間軸で回るってやり方は、

間違いではないのかもしれない。

 ランクタムちゃんは話す方なのかと思ってたけど、

道中ちょっとだんまりってかんじで、

こっちから話を振らないととくに話にならなかったりして、

実は話すことが得意じゃなかったりして?

「ついたよ、ヒュート君」

「うん、ここが、そうなんだ」


 土研究室ということもあって、

室内に盛り土がされているようでもあり、

なにより、鉱物の塊らしきものが沢山輝いて見えるのが、

なかなか趣きがあって楽しい、

ランクタムちゃんたちで集めたんだろうか?


「ヒュート君、

 みんな作業に夢中みたいで」

「うん? どうしたの?」


 言わんとするところはなんとなく分かる、

ランクタムちゃんは大声で皆に召集をかけるのが、

どこか恥ずかしいのだろう、ちょっと、

性格が分かれるところではあるし、そうだな、

ここは声をひそめて耳打ち、


「一人ずつ作業場所に行って、

 紹介してくれたらいいよ、

 皆が集中してるなら、

 邪魔したくないし」


「あ、ありがとう、ヒュート君」


 と言っても、なんだか学生の数自体が、

少ない気がする、鉱物を削ってる音や、

他には化石を掘り出してるのだろうか?

土っぽさやほこりっぽさを吸い込むための、

ダクトが常設されてる机なんかもあって、

専門的だなと思う所はある。

 専門的だから研究員も少ないのかな?


「ランクタムちゃん、

 他の研究室より学生の数が少ないんだね」

「あ、ヒュート君、実はね、

 ここの研究室を始めた二人が、

 先生もやってるから、

 今はいないんだよ」


二人? 召喚人だろうか?

「僕たちと同じように魔女フテンレスに呼びだされた人?」


「ドシオーシュ先生とドドシミシ先生だよ、

 二人は高等学級と中等学級の先生なの」


 高等と中等、という事は下に初等があるって感じで、

クラスは大きく分かれて三つかな?

あくまで想像だけれども、校舎が広い分、

案外まだ、生徒の余裕がある感じなのかな?


「わ、わ、ヒュート君はまだ、

 授業受けたこと無かったんだったね、

 今日が初日だもんね、当然だよね」


僕はどのクラスに入るんだろう?


「あ、タマムミキラもいないみたい、

 またサボってるのかな?」


「そうなるとこの研究室は回っていくのかい?

 三人も不在ってなると、監督してくれる、

 先生や上級生が足りてないんじゃないかな?」


 ちょっとランクタムちゃんも不安そう、


「みんな大人しいから大丈夫と思う、

 あ、ヒュート、その子は、

 カンタトリエトだから座らないで」


「えっ?」


 僕は岩に腰かけようとしただけなんだけど、

とっさに振り向くと、岩が人になった!?


「ごめんごめん、君がヒュート?

 僕がカンタトリエト、

 身体を石に出来る能力をもってるんだ

 周囲の岩に擬態できるんだよ」


「驚いたよ、

 その能力で一体何をしてたんだい?」


「ちょっと重しが必要になってね、

 このスクラップを圧縮してたんだ」


 ぺしゃんこになった金属だろうか?

どちらにしてもカンタトリエトは、

自分の重さもある程度コントロールできるって、

ことだろう、


「ランクタムだけじゃ不安かな?

 一緒に回ろうか?」


「カンタトリエト、お願いね、

 ちょっと手間取っちゃって」


「僕からもそうだね、

 はやくみんなの所を見て回りたい」


 とりあえず、作業所まで、

三人一緒に歩いていくと、

なんだ、みんなここに固まって作業してるじゃない、

少し、カンタトリエトの能力から、

探すのが大変かとおもったけど、

なんてことなかったような気もしちゃうな。


「紹介するから、

 それぞれのこの近くに行こう」


「わたしは、作業の事を説明するね」


「ありがとうカンタトリエト、ランクタムちゃん」


 まずは、岩から鉱石を取り出そうとしてる人から、


「彼女はクテルモニテ、

 岩石を操る能力を持ってる、

 自然から天然物まで何でもさ」


「能力を使って、

 岩と岩をぶつけ合って、

 鉱石だけ取り出そうとしてるところね」


「うんうん、集中してるね、

 土研究室っていうけど、

 結構、主には岩なんだ」


クテルモニテは常に岩を持ち歩いてるらしくって、

身体の周りにふわふわ浮いてる岩は、

それぞれ硬度が違うものらしく、

砥石や削岩に使い分けてるようだ。


「で、こっちで化石を取り出そうとしてるのが、

 アッセムアだよ、

 地面に潜る能力があるんだ」


「わ、わ、

 地面を潜る能力があれば、

 化石だけ取り出す時に便利なの」


「なるほど」


地面に潜る、想像はつかないけど、

地中にはワープできないから、

アッセムアは僕からしたら無敵かもしれない。


「最後に、あっちで彫刻をしてるのが、

 フーテオス、泥を操る能力があるんだ」


「フーテオスは今は彫刻してるけど、

 粘土細工が本当に得意なの、

 一番、土属性っぽいから、

 うちの看板みたいなところがあるわ」


「なるほど、よく分かったよ」


 フーテオスの彫刻の腕には、

驚かされる所があるけど、

なんとなくずっと集中してると、

時間があっという間に過ぎてしまいそうだから、

そろそろ、


「ところで、

 水研究室のラーラーナが驚いてたけど、

 水研究室でしか作れない特別の魔法水を、

 どうしてヒュート君がもってたの?」


「えっと、それはね、

 ワープ!」


 あぶないあぶない、いや危ないのかな?

どちらにしても僕の能力は少し自重したほうが、

いいことがあるらしい、

ものを持ち運ぶのは特に気をつけないと、

下手をしたら、皆に不審がられちゃう、

いくら並行世界で貰ったものにしても、

明らかに問題があるのは確かだものね。


 この異空間を抜けて、

また同じように寮の自室の前に戻る、

繰り返しだけど、

皆の事を知るには手っ取り早いや。

 まだ試してないけど、

触れて持って行けるワープって、

どれくらいのものまで行けるんだろうか?

たとえば魔法水の瓶なら持ってワープできるけど、

これが泉の水だったらワープで持って行けるのかな?

手に触れた部分の水滴だけ持ち運ぶことになるとしたら、

結構、このワープにも制約があるのかもしれない、

今度、試してみないと。

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