エリケンタス魔法学校の研究室へご招待『ラーラーナの水研究室』
そういえば水に電気は流れるっていうけど、
電気研究室の面々は、
水研究室に流れたらどうなっちゃうんだろう?
とはいえ僕の選択肢の中にはそんなことを実証する流れは、
というより面倒事は避けたいよね、とにかく、
誰かと戦うとかそういうことにならないのが一番、
自分の平和の為にそれぞれの所をまわることにしよっと。
「えっと、その、ヒュート君、
この度はわたし、ラーラーナのお誘いを受けてくれて、
水研究室を見学に来てくれてありがとう!」
巨大な水槽と、魚、
沢山の配管と水車、
ミズゴケや水草、ハスの葉など、
ここ半地下だけど陽の光を、
何かで引っ張って来てて、
水を循環させているポンプとかもあるから、
ここはちょっとした湖のほとり、
あるいは流れのある庭園といったところだろうか?
なんというかしっとりしてる。
軽く短い橋を渡って、
湖の傍にある外向けのテーブルのところまで辿りつくと、
そこにラーラーナを含めて、8人の、
学生たちが僕を歓迎するために集まってくれた。
「ヒュート、入学おめでとう!」
フテンレスから生徒全員に情報は先に送られてるらしく、
僕の事を理解済みって感じだけど、
もし召喚人が敵意を出したり、暴れたりしたら、
どうしてるんだろうか? 能力があると分かった瞬間に、
僕なんかだったら逃げだす事もあるだろうに、
まあ、今は逃げたりはしないんだけどね。
「ヒュート、皆からの挨拶を受けてね、
あとあなたに贈り物があるわ」
「わあ、なんだろう?」
ともかく左から順番に名乗ってくれるのは分かってる。
どうやら彼らの習慣らしいし、きっと、
召喚人の数が増えるにつれて習慣化したことなんだろうな。
「まず、私はラーラーナ、
波を操る能力を持っているわ、
水の波を空間に作り出せるのよ」
「僕はピットポス、
波を操るのはラーラーナと同じだけど、
僕の場合はその波に乗ることができるんだ」
「パトマンテよ、
渦潮を自分を中心に作り出す能力があるわ、
結構な勢いがあるからね」
「ポロニキアです、
海を操る能力を持ってるから、
あなたも海に行った時に見せて上げるわね」
「アンパララです、
水の玉を発射する能力をもってます、
誰にも負けませんよ!」
「テルパララだ、
水の羽衣をまとう能力がある、
これがあれば大概の水攻撃も炎攻撃も、
防げる感じだな」
「ミラパララよ、
水柱を突然作り出せるから、
水圧の強さなら任せておいて」
「ほっほっほ、ジャーバイバじゃよ、
濃い霧と雨雲を呼び寄せる能力じゃ、
雨乞いの心配もいらんぞえ」
皆、水の能力者でまとまってる、
彼らに掛かったら砂漠も簡単に、
オアシスになってしまうのかもしれない、
もっともそんな風に能力を使うために、
ここに集ってるのかはわからないけど。
「じゃあ、ヒュート、受け取ってね、
これが魔法水入りの瓶!}
少しかざりっけのあるガラス瓶に、
透明な水が入ってるものを差し出された。
「魔法水? これって飲んでも大丈夫?」
「大丈夫よ、むしろ、
魔力を回復出来て、
あなたが調子が悪い時に、
助けになると思うわ」
なるほど、魔力の回復手段は、
並行世界を巡ることだけでなくて、
こういう物品、魔法水などで補えるのか、
これは1つ収穫だった。
持って選択肢の前に飛べるか試してみるのも悪くないけど、
余計に時系列がめちゃくちゃになりそうな気もする。
まあ何事も実験か。
「あら、ヒュート、ワープするの?
ワープする時光輝くのね?
アンパララがおどろいちゃってるわ」
「すごいすごい! 能力使っても、
こんなふうにならないから、
本当にびっくり!」
今はこの分岐する世界を巡ることで、
魔法力を補充させてもらおう、
じゃあ水研究室の皆、お元気で。
また僕の部屋の前に帰ってきて、
皆から一緒に行こうと催促を受けたわけだけど、
手に魔法水を持ってるから、
驚かれちゃった、
何でもここまで小さなガラス瓶に、
圧縮してある魔法水は市販されてる魔法水より、
高級品だそうで、何にしても時間が巻き戻っても、
物を所持したまま飛べるってことがよく分かった。