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エリケンタス魔法学校の研究室へご招待『エークの電気研究室』

僕としては炎と冷気だけでお腹いっぱいだから、

これから先、どれだけの研究室があったにしても、

同じように各研究室に対しても、生徒にしても、

感覚的にすっ飛ばしてしまうのは分かってる。

なんとなくあまり関わり合いにならなくても、

皆、自分たちの時間軸を生きてるって思ってるし、

そこまで自己紹介をされても一応記録も記憶もつけるけど、

なんとなく無いなって思うことはあるんだ。

そう僕は彼らと仲良くなる前に、

自分に縛られてる、そう思うんだ。

「ぱんぱかぱーん! 電気研究室にようこそ!

 ヒュート君!」


「こ、これは!」


 様々な機械が駆動音を上げながら、激しく振動し、

機械の巧妙に出来た仕組みがガシャンガシャン動いている、

この振動は校舎の半地下にあるこの研究室に入る前から、

感じてたものではあるけど、目にしてみると話は違う。

 電球らしきもの、なかでもびりびりと光輝く、 

真空管って奴だろうか? 機械部品には詳しくないけど、

旧式、新式も入り乱れて、モニターや数多くの、

計器類がメーターとして何か数値を書き出し、吐き出している。

何を計測してるのだろうか? この機械装置は何なのだろうか?


「ヒュート君、ここで学校の電気系統はおろか、

 通信や外にある発電所が発電した電力を扱って、

 校区外の町におろしているんだよ、

 いわば魔法学校の敷地全部の電力は、

 僕たちがまかなってるってわけさ」


 自慢げなエークについていくと、

金属製の階段を降りる?

いや、階段が動いている!

これ知ってる、エスカレーターだ!


「動く階段に驚いたかい?

 どうも古代文明や、

 異世界では普通に扱われてるらしいから、

 僕たちは学者さんが遺跡でひろったデータを使って、

 その文明とやらを再現しているのさ」


「エーク、ますます、

 世界観がわからなくなってきた、

 魔法と科学が両立してるのかい?」


「ふふふ、未だに魔法で生活している人の地域と、

 発展した科学を裏付けにしている人たちがいるって、

 ことだね、さあ、みんなを紹介しよう、

 みんな持ち場に居るだろうから、ここは、

 このマイクを使って全員に伝えるかな」


エークの大きな声が研究室全体に響いた。


「ちゅうもーく!

 新入りのヒュート君だ!

 みんな集まって集まって!」


 皆と呼ばれてる人の顔がモニターに映されて、

おそらくここが管制室ってところなんだろう、

入口のほうから、人の足音がカツンカツンと鳴り響く。


「お前がヒュートか?」


!?


「通信で、話は訊いている、

 俺と似たような能力をもってるんだってな」


彼は! どこから現れた!?


「こらこら、デンデボルク、

 いきなり驚かせちゃだめだろう、

 嫉妬してるのかい?」


「そりゃあ僕とデンデボルクの、

 十八番がやれるってなると、

 つい、ビリッときちまうよな」


 また、現れた!

二人目? ずっと小さいみたいだけれど。


「バリビリカはいいんだ、

 君は電気に溶け込む能力だから、

 でもデンデボルクはいけない、

 彼は電気や雷になる能力だ、

 下手をしたら電気系統にダメージが、

 かかるかもしれないだろう?」


 なんとなく読めてきたけど、

それにしても僕の転移能力よりも、

便利かもしれないぞ、それは。


「なるほど電気そのものになったり、

 溶け込んだりして、

 ここの電気系統の配線を流れて、

 歩いてくるのをショートカットしたんですね」


「御明察、ヒュート、

 お前のワープ能力の話は訊いてるが、

 電気そのものになれる俺たちと比較しても、

 お前のその能力は未知数だ、

 エークに研究させてやってくれないか?」


「こらこらデンデボルクったら」


続々と入口から、電気研究室の面々がやってくる、

この魔法学校は色んな投資で出来てるとはわかってたけど、

ここまで大量にものが溢れてる状況、大丈夫なのだろうか?

コスト的に、こんなに僕らが優遇されていて、

王国の国民は不満をもたないんだろうか?


「さあて、ヒュート君に自己紹介だ、

 デンデボルクもバリビリカも並んで並んで

 さて僕はエーク、電化製品の大半は、

 僕が遺跡から持ち込んだりしてる、

 その時にバリビリカの能力にも手伝ってもらってるけどね、

 左から順番に話していこうか、自己紹介!」


「デンデボルクだ、

 雷そのものになれることから、

 雷雲から落雷させれば、ヒュート、お前の瞬間移動の物真似ができるかもな、

 が、移動する度に何かを黒焦げにしなきゃならないから、

 少し問題は残るが」


 どこか肌にぴりぴり感じる緊張感があるな、

まだデンデボルクは電気を発してる感じで、

いざというとき移動できるようにしてるのかも。


「ライテスナよ、

 電気とか雷の能力に近いけど、

 基本は雷を何かに落としたりすることに留まってるわ」


 そういえば、あまりみんなの性別に関して、

考えたことがなかったけど、

どうやら召喚人はみんな中性的な雰囲気がある、

ライテスナは少し女の子っぽいけど。


「ミトラパナです、

 電気の力で物質を弾き飛ばしたり、

 他、色んなものをショートさせちゃったり、

 自分でもうまく能力がつかえてないの」


 そして、どうやら学年で分かれてるって、

印象が無くて、みんなすごく身長差がある。

この学校は幼い子から年長者まで、

そして種族なんかも皆違う感じなのだろうか?


「コリャシラです、

 触れたものに電気を流すってな具合で、

 感電させる電気クラゲみたいなもんだと、

 思ってくれればいいかもね」


 うん、考えるとわからないけど、

皆の事は手帳につけておこう、

覚えてられるように。


「クシュモス、

 空間にプラズマのようなもの、

 電気を球状にしたものを作り出すから、

 おのずと熱を発してしまうのが、

 特徴でもある」


 みんながどんな性格をしてるのかは、

これからわかることなんだろうけど、

今は、とりあえず馴染むことを考えておこう。


「フールドタヌ、

 静電気って知ってる?

 私に近づくと、ビリビリが出て来るわ、

 相手からエネルギーを電気にして吸い取る、

 チカラがあるみたいね」


 能力を覚えろって言われてるみたいでもある、

もし僕が、彼らと共闘するとしたら、

即座にパーティーを作って、

敵に備えたりってことになるんだろうな。


「おれで最後か、

 バリビリカ、

 デンデボルクとは似ているけど、

 電気に溶け込み一緒に持物も、

 溶け込ませることが出来る能力だ、

 ヒュート、お前は見た範囲でしか、

 ワープできないんだな?」


 ?


「あ、うん、そうだけど」


「よし、勝った!

 おれは電気系統がつながってるなら、

 どこでもワープすることができるからな!

 俺の勝ちな!」


「こらこらバリビリカ、

 勝負になってないよ、

 僕らはヒュートに、

 この研究室に来てほしくて呼んだのだから、

 ね? ヒュート、とりあえずゆっくりしていってくれ」


 そうもいかない、

僕としてはこの部屋を覚えておくのも悪くないけれど、

僕にもそれなりにミッションがあるんでね。


「ヒュート!? なんだ!? 機械の故障?

 ヒュート、大丈夫か!」


光輝く僕をみんなが心配しているけど、

大丈夫、僕は皆を覚えているから。

 気になることがある、

この選択肢の分岐に戻るってことを、

繰り返しているけど、

僕の記憶にはみんなの事が残っている、

でも皆の記憶からは恐らく消えてしまうに違いないけど、

そこでつじつまが合わない世界が生まれてしまうんじゃないか?

それでいいのだろうか? それとも何か答えが待っているのかな?

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