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エリケンタス魔法学校の研究室へご招待『フルッターの冷気研究室』

全ての研究室を周れば、

おそらく、この魔法学校のことは大体知れるだろうし、

同時に自分の転移能力の謎もつかめるかもしれない、

そういえば魔女フテンレスは魔王と戦うためとかで、

僕たち召喚人をこの魔法学校に集めてるんだっけ?

まあどちらにしても今はひんやりしたい、

さっきの研究室は熱かったからね。

「ヒュート! ヒュート!

 このフルッターの冷気研究室を、

 一番に選んでくれるとは、お目が高い!」


 フルッターは鼻息荒くして、

学校の校舎の怪談を降りて、

半地下になってるっていう、

冷気研究室に招待してくれた。


「まあ、熱いのには何となく飽きたから、ね」


「? まあヒュートがこの研究室に入ったら、

 ひんやりできると思うよなんにせ!」


 さむっ、

あ、そうだった、

魔法体質になってる召喚人は持ってる属性で、

それぞれ耐性があるとかだっけ、

でもどちらにしてもこの冷やっこい空間は、

まるで冷凍庫、これじゃ短いズボンから、

素足に近い僕としては寒くて当然、

きっとフルッター達は寒くは無いんだろうけど。


「わっ」

雪玉が沢山飛んで来て、

たちまち僕はゆきだるまになってしまって、

なんとか顔だけ出しているけど、

これはたまらない。


「わーい新入り新入り!」

「フテンレスから訊いてるわ、転移能力者なんですってね!」


「こらこらフロズニア、ロストス、

 まだ自己紹介してないだろ?

 彼もまた召喚人だからね、

 とりあえずまともなコミュニケーションをとろう!」


おや、皆、整列して、

名乗り始める流れ?

僕のことは助けない感じ?

仕方ないのでワープして脱出と。


「わっ! これがヒュートのワープなのか!」


「マルケレリア、挨拶をしよう、ヒュートの事、

 何かと知りたいだろうからね、

 こちらから名乗るのが筋ってものだよ

 じゃあ左から」


「フロズニアよ、氷ならまかせて!」

「ロストスです、氷河とか興味あるかしら?」

「マルケレリア、吹雪のブレスっていったらたのしいかな?」

「ハルビーテ、氷のスケートシューズで滑走したところに吹雪を吹かせれる」

「ナークスマル、雪雲を支配しているから、トンレベルで雪を集めれるよ」

「アパラジア、ドライアイスとかつくるのすきかもね、ちょっとしたマジックさ」

「カラキネキク、触れたものを凍らせる感じかしらね」


「そして僕はフルッター、

 雪玉を投げるのが得意なのが、

 冷気研究室の皆だけれど、

 主に食堂におろしている冷凍食品なんかを、

 冷凍して保管するための研究をしてるのが、

 僕たちってことになるね」


 なんとなくだが、

生徒たちでこの魔法学校の設備を維持して、

ある程度自立して自給してるって具合なのかもしれないけど、

何にしても寒い、部屋に雪が積もってるというのは、

何が何でもやりすぎな気がする。


「よろしく、みんな、

 だいぶ寒くなってきちゃった、

 眠くもなるね、ここにいると」


「おっと、そいつはいけない、

 この外套をみにつけたらどうかな?」


「うん、有難う、

 それで、まだ何か説明することとかあるのかい?

 フルッター」


 フルッターはしばし考えているようで、

それでいて、まわりの子たちは、

フルッターをよそに雪合戦してるって始末だから、

僕のほうにも飛んで来て、ワープしてかわすっきゃないな、

これは。


「みんな、みんな、

 落ち着きなよ、

 ヒュートはまだここに来て浅いんだから、

 って、ふがっ!」


 フルッターの話を訊かずに、

一度、雪合戦が始ったら、どんどん、

室内の気温が下がっていくのを感じた、

こんな中に留まるのは僕としては危険域だ、

もう脱出させてもらうしかないな、これは。


「あれ、ヒュート?

 いや、ちょっと待って、

 とりあえず話しておこうと思ってたことがある」


「なんだい?」


「君の転移能力は便利だけど、

 この魔法学校の校区内から出ないようにしなきゃ、

 だめだよ、僕たちはこの国の切り札の一つでもあるから、

 下手をするとさらわれてしまうかもしれない、

 この国には不穏分子が隠れてもいるし、

 なにより魔王軍が活発に動いているからね、

 とにかく君のワープであんまり好き勝手しちゃいけないよ」


 言われなくてもだけど、

僕としてはこの能力を使わずにはいられない。


「!? ヒュートの身体が光って!」

「これって、ワープ? じゃないの!?」

「フロズニア! 近づくのは危なそうだ!」

「ロストス! フロズニアを引き戻そうとしたら、あなたも巻き込まれるかも!」

「マルケレリア! きちんとしてないと駄目だ、これかなり、

 大変な魔力を感じるから!」

「ハルビーテ、どれくらいの魔力? 一体!?」

「ナークスマル! この魔力量は魔女フテンレス並なんじゃ!」

「アパラジア! ヒュートを止めなくていいの!?」


「みんな、かまくらに隠れろ!

 あとは僕、フルッターに任せて!」


「フルッター!」「フルッター!」「フルッター!」「フルッター!」

皆の声がこだまする時になったくらいで、

僕は、件の選択肢の場に戻っていた。

 雪国を満喫した気分だけど、

この記憶って僕しか残らないのかな?

とすると、選択肢を分岐してるもの全部回ったら、

どれか一つを改めて過ごすことになるのか?

早くも日常が非日常になって、

僕の転移能力の為に、

皆に協力してもらってる形になってる、

こんなに都合よくていいのかな?

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