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エリケンタス魔法学校の研究室へご招待『アトーナーの炎研究室』

なんだろう、僕には選択肢があるようで無いんだ。

選択の分岐で出会ったことや起きたことを吸収しないと、

僕の転移能力は破綻すると妖精に言われたんだと、

勝手にまとめてるけど

この先、妖精のことでずっとつきまとわれるにしても、

今はこの魔法学校の生徒たちのことを観察することに決めよう、

脱力感はすごくするけどね。、

「わーい! ヒュート! ヒュートなら、

 選んでくれるって思ってたわ!

 アトーナー感動したわ!」


 とりあえず、アトーナーの炎研究室を選択した、

彼らが一体何者なのかを知るにも、

そしてこのあと、選択肢を全部まわるのかを決めるのにも、

一番最初に声を掛けてくれた子の所に行ってみるのが、

僕にとっては楽だったから、とアトーナーと歩きながら、


「炎研究室って、校舎とは別のところにあるんだね」


「そうね、ヒュート、

 他の研究室は校舎の半地下にあるってのが多いんだけど、

 炎って扱うのが結構大変だから、

 特別に研究室を別に設けてもらってるのよ、

 さ、ついたわ!」


 なんだろう?

どこか工場のような、職人がいそうな感じだ、

というより沢山の木材が詰まれていて、

外まで軽く熱気が漏れているような気がするんだけど。


「結構、校舎から離れてるし、

 それだけ危険ってことなんじゃ?」


「大丈夫よ! 炎研究室の研究員の皆は、

 あたし、アトーナーを筆頭として、

 安全な子ばかりだから!」


 安全か危険かは、

僕に判断させてほしいんだけどな、

まあその時は転移能力でワープすればいいことか、

でも急に襲われたらひとたまりも無いんだけどね。

炎とか、

一度燃えだした状態でそれを切り離す方法も無いから、

きっと一発でゲームオーバーだろうな。 なんて。


「さあ! 皆を紹介するわ!

 ヒュート! ぼおっとしてないで、研究室に入るわよ!」


 そういえば、今気付いたことだけど、

どうやら研究室の皆は長い丈の学生服の他に、

専用のバッジを胸につけてるみたいだった、

炎研究室なら炎、電気研究室ならかみなり、みたいに、

わかりやすいバッジを、

僕にもそんなバッジがつく日が来るんだろうか?


「あ、アトーナー、新入りを連れてきたんだね!」


「みんなに紹介するわ、

 エリケンタス魔法学校の新しい学生、

 ヒュート君です!」


 わーぱちぱちぱちぱちー! って火花散ってる!?

拍手で火花が散る位、炎属性なのか? この子たちは!


「は、はじめまして、

 ヒュートっていいます、

 能力は転移能力」


「転移能力?なんなのそれ?」


おっと質問には答えなきゃだね。


「要するにワープです」

「きゃっ! いきなり隣に!?

 ちょっと近いわよ!

 そんな風にしなくても分かるから!

 この新入り! ヒュートったら!」


 みんな笑ってる、

少し和んだみたいだな。


「さ、アトーナーに紹介させるのはなんだろ?

 皆、名乗っていこうぜ!

 おれたちは炎や熱に関する能力を持ってるんだけど、

 詳しくはちょっと秘密ってことで、さ、

 左から順にいくぜ!」


「パーパリアル」

「ナプセモイセ」

「アパッタン」

「ミューテ」

「タイタルミア」

「アヌケセー」

「そして私、アトーナーよ!」


「えっと、この僕に、

 飛びついてきた、

 四足の動物はなんなの?

 かわいい」


ってあつ!

熱いよ!

手で触るんじゃなかった!


「失礼ね!

 わたしは

 テイポル!

 れっきとした学生で、

 炎研究員よ!」


「こらこらテイポル、

 ヒュートやけどしちゃうから、

 それくらいにしないさいね!」


「もう、アトーナー、

 もう少し新入りを、

 しつけてよね!」


 みんな、よく笑ってるけど、

彼らに触るのは御免だな、

熱いったらない、それにこの部屋、

やっぱり熱い、どうやらかまど?

いやこれは炉じゃないか?

なにか焼き物でもしてるのか?


「おっと、ヒュートよく気付いたわね、

 ここでは炭焼きをわたし達の魔法で、

 あっという間に行ったり、

 焼き物や、金属鋳造とか、

 炎や熱を使って出来ることを研究してるのよ」


 ああ、そうなのか、

僕としてはもう少し長居したいけど、

ちょっとひんやりしたくもなってきたような、

気もするんだよな。


「あれ、ヒュート?

 汗かいてるの?」


 パーパリアルや、

ナプセモイセ、

アパッタン、

ミューテ、

タイタルミア、

アヌケセー、

テイポルにはちょっと悪いけど、

とりあえず記憶の端には収まったから、

僕はこれくらいで、

そうだな、確かにパラレル、

並列世界を楽しむというのは、

案外悪くないかもと思ってきたよ、

早く切り上げれば、転移のエネルギーの回収ってのも、

出来る訳だから、そんなに相手に気にせず転々と、

させてもらおうっと。


「あっヒュート! ヒュートの身体が輝いて!?」

「ほんとだ! アトーナー!」

「一体どうして!? パーパリアル!」

「ワープ? ワープなの!! ナプセモイセ!」

「これって一体! アパッタン!」

「どうなるの? ミューテ!」

「不思議、不思議! タイタルミア!」

「アヌケセー、タイタルミアを叩いても何も出ないって、

 でも、

 あらやだ、私に触ったから? でもそんなことって?」


 四足のモフモフのテイポルに触ったからじゃないよ、

僕のワープは何種類かに分かれる、

目に見える場所にワープする能力、

覚えてる場所にワープする能力、これは目に見えてない場所でも覚えてるなら行ける。

触れたものと一緒にワープする能力、これは少しパワーがいるみたい!

そしてこの!


「時間を逆行して跳躍するワープだ!」


 いざ、異空間に飛んでみて、思うことは、

何となく過去の自分と出会っちゃうんじゃないかってことだけど、

でも並行してる世界の中で、

特に妖精から言われたことや、

魔女フテンレスの水晶玉に触れてみえたビジョンから察するに、

僕が並行世界からエネルギーを回収しなきゃいけないのは確かなんだ、

そうなると飛び飛びにでも色々、やらなきゃいけないのは分かってる。


 僕はとりあえず、

アトーナー達が研究室に招待するって、

ところまで並行転移記録が為されてる場所へ、

まだ選択してない選択肢があるところに戻った。


 他の選択を吸収するために。

とりあえず、

順番に回ってみようと考えてるんだけど、

今回、熱い思いをしたのは結果として残されてる、

どうなるのかは分からないけど、選択肢の、

分岐に戻るって感覚は妙だ、

けれどこれも慣れていくのだろうか?

僕の転移能力ともいえるけど、

ここまでの時間転移ってのは果たしていいのだろうか?

「いいのよ、並行世界をめぐることで、

 始めて転移能力はパワーの裏付けが出来るのだから」

僕の中の妖精はそう言ってる、

けど簡単にはもう会話しないぞ、だって、


「僕が独り言いってるみたいになるからね」


しまった。

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