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パラレル、並行的な学園生活の幕開け

眠りにつく前までは、

まだ自分の能力の一端も知らなかったって、

どこかで夢が語りかけてくるとは思わなかった、

どうやら僕にギフトを与えた神さまは、

予想以上に僕の運命に介入したいらしい。

「ん」

真っ暗だ、

僕は自分の名前をヒュートと記憶していて、

転移能力で勝手にワープしたのかと少し戸惑ったけど、

すぐにこれが、

「夢か」

そう思えた、けど、ただの夢じゃなかった。


「たとえばだけど、

 あなたの生活が普通に訪れて、

 普通に終わったとして、

 あなたは本当に魔王と戦うような、

 人になれると思えるかしら?」


「君! 君! だれだい!?」


妖精だ、妖精が舞っていた。


「わたしは使いみたいなものだけど、

 あなたゲームって知ってる?」


「ゲーム?

 ビデオゲームだったら知ってる、

 ネットゲームはあまり遊ばなかったね」


 僕は一体何者なんだろうな、

知識に関してはまるで話したことがあるような、

語り口だけど、どんなゲームで遊んだとか、

そういうのはぼやけてる、とても、

解像度が、


「やはり前世界の記憶を引き出すのには、

 制約がいるみたいだけど、

 この夢空間でならあなたは自由に会話できるみたいね、

 制約付きだけど」


「制約、制約ってなんなんだい?

 君の名前は?」


「パルパルパル、メデストライナ、アカテンクリクス

 コットデルウェッテ、バーナクルトピクル、

 サプワンテ、トメトルアーキネイケ、デフライテ、

 どれでも好きなのを呼んでいいわ、

 もっとも無限に名前があるからこそ、

 この世界だと考えてくれていいのよ」


「言ってる意味が分からない」


名前は一杯あるようだけど、

この妖精、沢山の通り名を持ってるのか?


「ヒュート、とても大事な話をするわ、

 あなたの能力に関して大事な話」


僕の能力? 転移能力だけじゃないのか?


「あなたの能力は転移能力だけど、

 実を言ってワープってのには、

 果てしないほどのエネルギーを必要としていて、

 並列世界が無ければ成り立たないの、

 つまりあなたは並列世界を巡らなければ、

 ワープできる根拠が存在しないってことになるわ、

 というよりワープできること自体が、

 ある意味並行世界があることを認めてしまってる、

 ようなものなのだけど、ここまでは分かる?」


分かる?分からない?

じゃないような気がするけど。


「分からない」


「話は簡単なの、

 今あなたが心の中で選択したように、

 無限にある選択をあなたは挑むことになる、

 そうでなければあなたのワープ能力は、

 鍛えられないし、制限つきのものになるわ、

 あなたには嫌でも沢山の選択肢を巡ってもらう、

 そうやってワープに必要なエネルギーを、

 回収するのそれがあなたがこの世界を生きる上で、

 必要な事なのよ」


なんだか雲行きが怪しくなってきた、

とにかくわからないが、

僕は恐ろしいほどの時間に、

一人で向き合うことになるってことなのか?


「あなたの手帳を上書きさせてもらったわ、

 無限に記録出来てかつ簡単に検索できるものに、

 こうやって便利なツールをあなたに与えるから、

 この世界に不足している要素を好きに、

 どんどん選択していって、

 あなただけの世界に没入するのよ」


「ま、待って、

 その説明だと、

 この先、沢山ある選択肢の全部を、

 僕が経験するというような話だけど、

 それを行えって本気で言ってるの?」


「そうよ、

 簡単でしょ?」


 簡単か難解かは、

その人ごとに変わると思うのだけど、

何故、それを君が決めようとするんだ?

えっと名前はなんだっけ?


「フラライカ、今はそう呼んでほしい気分」


「フラライカ、お願いだから、

 僕に選択肢をたくさん与えないでくれ」


「何言ってるの?」


 気付いた、真っ暗闇じゃない、

ここは魔法学校の寮の一室で、

僕が生きていくようになる場所、

そして国の名前はえっと記憶していない?

記録にもない?


「ヒュート、貴方はこれから、

 魔法学園で暮らしていくことになります、

 とりあえずみんな授業が終わったみたいだから、

 今は自由時間ってことで、

 アンタに構う時間があるわけだけど、

 ヒュート、アンタはどこに行きたい?」


 これって選択肢じゃなかろうか?

僕はこれから恐ろしいほどの選択肢と出会うって、

確か訊いたような気がする、妖精フラライカに、

夢の?中で?夢の空間で、その話を訊いたんだ、

確かに、だからここで、僕がする選択によっては、

やることが無限大に増幅してしまうわけだから、

とりあえず選択肢をつぶす方向に行こう。


「あ、ヒュート! サボるってのは無しだからね!」


「ごめんフテンレス、

 僕のおぼろげな記憶じゃ、

 クラスメイト全員なんか覚えてられないから、 

 さよならだ」


僕は部屋の外にワープした。


「あ、あなたが魔女フテンレスの言ってた、

 新しく来た子ね」

「おまえがか!」

「へえ普通じゃない」

「肌が褐色なんだね」

「だれなのこの子?いきなり出てきた」

「一体どんな能力があるの?」

「まさかと思うけどわたし達より強くは無いわよね」

「何がしたい?これからわたし達、

 授業後だから自由なのよ」

「できれば、君のことを詳しく知りたいな」


これが、

これが、

選択肢の山か。

可能性というのは、

無限大にあるって、

僕にはわかるけど、

その無限大の可能性を、

一手に引き受けなきゃいけなくなったら、

一体その人を受け入れてくれるのは誰なんだろう?

僕はヒュートという自分の器に、

収まりきるだけ、人との出会いを記憶を留められるだろうか?

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