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閑話――彼女はカッコいい探索者に憧れる 4

作者側からあまりリアクションはとってませんが、皆さんいつもお読みいただいているだけでなく、ブクマ・評価・感想などもありがとうございます。

前回の話、公開時、100話達成のお祝いコメントありがとうございました。

これからもマイペースにやっていきたいと思います。よろしくお願いします。


クーリア編4話目になります。

1~3と比べると文章量が増えちゃいましたが、クーリアちゃんのお話、これにて完結です。



 ヴァルトがラヴュリントスにてやりたい実験はフロア1でも出来るものの、フロア1には人が多く、モンスターが少ない。

 その為、実験はフロア2でやるべく、ヴァルトとクーリアは足早にフロア1を突破する。


 すると、丸太小屋のようなエリアが挟まり、二人はそこで得られる情報をしっかり得ながら、ゆっくりと進んでいく。


「話には聞いていたが、本当に親切なダンジョンだな」

「うん。お勉強させてくれるって、変なところ」


 クーリアの漏らした感想に、ヴァルトは小さく感嘆した。


「お勉強させてくれている――そう思ったのか?」

「だって、入るなり色々教えてくれたでしょ? お勉強させてくれてるのかなーって……違うの?」

「いや、私もそう思った」


 ヴァルト自身、ラヴュリントスに潜るのは初めてだったらしく、親切な丸太小屋エリアに、驚いていた。

 そこは随分と丁寧に、このダンジョンのルールを教えてくれる場所だったのだ。


「このダンジョンでの特別なルールも多いけど、他のダンジョンでも使えそうなお話とかもあるんだよね?」

「勿論だ。多くの探索者(シーカー)たちは、この丸太小屋をとっとと抜けてしまうらしいがね」

「勿体ないね」

「勿体ないと思えるままの君でいて欲しいものだ」


 大きく開いた左手の人差し指で眼鏡のブリッジを押し上げながら、ヴァルトは嘆息する。


 二人は丸太小屋を越えて、フロア2へとやってくる。


「クーリア、このフロア2からは地面に埋められている危険な罠が増える。必ず私の通った道を通るようにしろ」

「うん」


 ヴァルトの口にする注意に、クーリアは神妙な面もちでうなずく。多少なりとも緊張はしているようだ。


(だが、動きは硬くないな。言われた通り、しっかりと付いてきている。流石はリッチとライムの娘か。優秀なようだ)


 かつてのチームメイトの娘の様子にわずかに口元を綻ばせながら、ヴァルトは周囲を警戒しながら進んでいく。


 道中で、背後から奇声ををあげながら強襲してくるゴブリンが現れたが、最初の遭遇以後、クーリアに奇声が聞こえたらすぐその場で屈むように言って聞かせていた。

 そのおかげで、奇声が聞こえた直後、屈むクーリアを確認すると同時に右手を振るってゴブリンを確実に倒すというルーティーンが生まれた。これは、このダンジョンを進む上で、非常に重要なことだった。


「いいぞ」


 ゴブリンが倒され安全が確保されたことを知らせる合図のような言葉を聞き、クーリアが立ち上がる。


 それを確認すると、ヴァルトはクーリアの様子をやや見てから、すぐに歩き始める。

 その背中をクーリアは追いかけた。


 ヴァルトは時折、足を止めて右手を振るう。

 すると、右手首に付いている――女神の腕輪とは違う――シンプルな輪っかのような腕輪から何かが飛んでいき、地面を削る。

 削った地面から、変な模様のようなものが出てくると、それを示してクーリアに注意をしてくれるのだ。


「罠だ。踏むなよ」


 どんな罠かはわからない。

 それでもヴァルトが危険だと注意してくれていのだから、クーリアはわざわざ踏む気はなかった。何よりあからさまに見た目が怪しい。


 そこを通り過ぎた時――


「なんだこれ?」

「踏んでみるか?」

「うおおおおッ、目がァッ、目がァッ!?」

「おいッ!? 大丈夫かッ!?」


 ――そんなやりとりが背後から聞こえてきたことを、クーリアは聞こえなかったことにした。

 今日だけで、憧れていた探索者(シーカー)像がどんどん崩れていくのは、気のせいだろうか……と、クーリアは胸中でこっそりと嘆息するのだった。





「この辺りで良いか」


 誰も来る気配のない、奥まった場所にある小さな部屋の中央で、周囲を見渡しながらヴァルトがうなずく。


「お誂え向きに、部屋の中にジェルラビが二匹いるしな」


 そう言うと、右手首の腕輪から、何かを引っ張り出した。

 摘んでいるのは、重りだろう小さく細長い金属。その金属と腕輪は、陽光で煌めくことで何となく見える気がする、透明な糸のようだ。


「さて」


 部屋の隅で寝ていた二匹のジェルラビが目を覚まして、こちらへと近づいてくる。


 ジェルラビ自体は全然強くないモンスターだ。

 クーリアもヴァルトから借りたナイフで何とか倒せるくらいだ。


「クーリア。片方を倒さないように遊んでいろ」

「遊ぶって言われても……」


 怖いは怖いものの、何度か倒せているので、そこまで気後れするものでもない。

 クーリアは意を決するように、ジェルラビへ向けて走り出した。


 そんな彼女の様子を横目で追いつつ、垂らした水晶鋼の糸(クリスタルングス)をゆらゆらと揺らす。

 もう一匹のジェルラビの視線が糸に向いた瞬間、右手が動く。


螺旋(スパイラル)幻惑鞭(・ストライク)


 ジェルラビの目の前でくるくると渦を巻くように糸が動き、それによって小さな衝撃波が生じる。

 螺旋を描く衝撃波はジェルラビにぶつかり、小さく吹き飛ばした。


 これ自体に大した威力はない。

 だが、糸の動きと連動するような渦を巻いた衝撃波に当てられたジェルラビは、起きあがるも目の焦点が合わなくなって、ふらふらしている。


「クーリア、こちらへ来い。

 お前と遊んでいるお友達を連れてな」

「うんッ!」


 言われた通り、クーリアはヴァルトの方へと走っていく。

 その後を、クーリアが戦っていたジェルラビも追いかけてくる。


 ヴァルトは、クーリアとジェルラビの間に入ると、倒してしまわないように気を使いながら、そのジェルラビを蹴飛ばした。

 蹴飛ばされたジェルラビは、ふらつくジェルラビの近くへと落っこちた。


 すると、ふらつくジェルラビは、目の前に転がってきたジェルラビに噛みつく。

 その噛みつきで、転がるジェルラビは力尽きたのか、黒いモヤとなって消える。


「え……?」


 クーリアはその直後、思わず声を上げてしまった。

 力尽きたジェルラビのモヤは、そのまま噛みついたジェルラビに吸い込まれていく。


 ややして、モヤを吸い込んだジェルラビは、そのゼリー状のボディは青から薄いピンク色になり、まん丸の尻尾は蕾が開くように、花が咲いた。


 ただ、ふらふらとした状態は回復していないようだ。


「ふむ。集めた情報からの推察通りフロラビになったか。これは恐らくダンジョン内特有の現象だな」

「何でダンジョンの中だけって思うの?」

「ダンジョン産ではない、通常の野生モンスターがこんな簡単にランクアップをしてみろ。外は凶悪なモンスターだらけになる」


 ダンジョン産のモンスターは異なる種族が同じ部屋にいたとしても、例外を除いて、お互いを襲いあったりすることなく、侵入者を優先して攻撃してくる。


 それに対して野生のモンスターは、縄張り争いや、食料確保の為に他のモンスターと争っている。時には人間を無視することだってある。

 それにも関わらず、凶悪なモンスターは滅多に現れないのだから、この現象はダンジョン特有のものだと推測できる。


「もっとも、ラヴュリントス固有なのか、他のダンジョンもこうなのかは、少しばかり調べる必要があるがね」


 などと話をしていると、この部屋にもう一匹、ジェルラビが入ってくるのが見えた。


「クーリア。今と同じように適度に攻撃をして、こちらへと誘導してきてくれ」

「わかった」


 やることが決まっているなら、その通りに動くだけだ。


 そうして同じように誘導してくると、やはりヴァルトが間に入って、フロラビの前へとジェルラビを蹴飛ばした。


 あとは先ほどの再現だ。

 フロラビが、転がってきたジェルラビに噛みつき、トドメを刺す。


 すると、今度はフロラビの色が薄い黄色に変化していく。

 同時に尻尾の花は枯れていき、思わず触りたくなるような、ふわふわした綿毛で覆われた。


「そら、フワラビになった。これを狩って、尻尾を貰っていく。

 少し離れているように。ジェルラビとフロラビは君のような子供でも狩れる相手だが、フワラビ以降は少しばかり強さが跳ね上がるからな」


 とはいえ、相変わらずふらふらした状態から回復していない為、ヴァルトはそこまで警戒はしていないようだ。


 右手首の腕輪にルーマを込めて、その手を地面に向けた。


空詐鞭(ディメンション)転欺(・フラウド)ッ!」


 ルーマを纏い、腕輪から飛び出した糸は地面に突き刺さる。

 その後、一瞬遅れて、フワラビの足下から無数の糸が飛び出した。


 一本一本が鋭い切れ味をもってフワラビをズタズタに切り裂き、地面に戻っていく。

 全てが地面に消えていくと、地面に突き刺さした最初の一本も腕輪の中へと戻っていった。


「ふむ。ちゃんと尻尾をドロップしてくれたな。では持って帰るとしよう」


 フワラビが消滅し、ドロップした尻尾を回収すると、ヴァルトはアリアドネ・ロープで輪を作った。


「帰るぞ」

「うん」


 クーリアは差し出された手を握ると、嬉しそうな笑みを浮かべた。

 それは決して、欲しかった素材が手に入ったからだけではない。


 ヴァルトのことをカッコいいと思ったからだ。

 このサブギルドマスターこそが、自分の憧れに近いカッコいい探索者(シーカー)だったと気づいたのである。


 知識豊富で、頭が良くて、罠も見つけられて、その上強い。

 それどころかギルドの受付や、ギルドマスターにお願いされた仕事もできる。

 確かに眼鏡の下の眼差しは常に鋭く、口数も少ないし、何となくおっかない人ではあるのだが――

 それでも、いちいちクーリアに気を使ってくれた優しい人でもある。


「ヴァルトさんみたいになるにはどうしたら良いかな?」


 帰還用通路を歩きながら、クーリアはふと問いかける。


「私のように……?」


 そう呟いたきり、しばらく考え込んでいたヴァルトは、出口の扉に女神の腕輪を当てようとしたところで、一度動きを止めた。


「君が私のどこを見てそう思ったのかは知らないが、一つ言えるコトがあると気づいた」

「なに?」


 期待を込めて見上げると、彼は眼鏡のブリッジを押し上げながら、告げた。


「君の世代が現役になる頃には、今の探索スタイルは廃れていくと思われる。だが、君を見る限り、君自身は問題ない。

 このまま――君が啖呵を切って見せた男のようにならず、私に憧れるような考えの持ち主のままであるのなら、その新しい時流に乗り遅れるコトはないだろう」

「どういうコト?」

「君の将来に期待をしているというコトだ」


 言うだけ言うと、ヴァルトは自分の腕輪を出口の扉の封石に当てて、さっさと出て行く。


「どういうコトだろう?」


 首を傾げながら、クーリアも自分の腕輪を扉の封石に触れさせる。

 扉が消えていくのを見ながら、何となくクーリアは思った。


「将来、将来……? 将来に期待って――わたしが大きくなったらお嫁さんにしたいってコトかな?」


 その考えが正しくても間違っていても、どちらにせよ認めて貰えた気がして、クーリアは嬉しくなるのだった。


 

     ☆



 翌日――


「こちらがヴァルトさんからの指名依頼で採取してきたルオナ草です。直接納品をお願いされましたので、お持ちしました」

「話は聞いているよ。随分と慌ただしい日程だったみたいだね。ありがとう」


 若い男女コンビの持ってきた荷物の検品をしながら、リッチは二人へ礼を告げる。何故か男性の方は、タンコブをいっぱい頭につけているようだが。


「あー……その、すんません。

 この辺りに、クーリアって女の子知りません?

 届け先の近所に住んでるから、依頼人に聞けばいい……って、ヴァルトさんが言ってたんスけど」


 頭に大量のタンコブがある青年に問われて、リッチはやや目を瞬かせる。


「クーリアは私の娘ですけど……?」

「え?」


 男性と女性は思わずといった様子で顔を見合わせた。


「あれ? コナおねえちゃんに、カルフおにいちゃん?」


 そこへ、タイミング良くクーリアがやってくる。

 何故か一緒にサブマスのヴァルトもいた。


「クーリア、またお使いの途中でギルドに寄ったのかい?」

「うん。ヴァルトさんに預けたままのものを受け取ってきたの」

「預けていた?」


 リッチは訝しげに目を眇めたあと、その視線をヴァルトに移す。相変わらずの仏頂面だ。なにを考えているのか読むことができない。


「これッ!」


 そんなリッチの様子を知って知らずか、クーリアは嬉しそうに何かの植物の綿毛のようなものを取り出した。


「……フワラビの尻尾?」

「そうだよッ! ヴァルトさんと一緒に昨日、取ってきたの!」

「高級品だからな。そんなものを持った彼女を一人で帰らせるのは不安なので、護衛も兼ねて付いてきた」


 ヴァルトがしれっとそう付け加えてくるのを聞いて、リッチは小さく息を吐いた。


「ありがとう、クーリア。

 お父さんはヴァルトさんやお姉さんたちとお話があるから、先に家に戻ってなさい。アクアがお昼を作って待ってるよ。

 クーリアのお話は、ご飯の時に聞いてあげるからね」

「はーい」


 クーリアは素直に話を聞いてくれ、立ち去ろうとする。

 それを、コナが呼び止めた。


「クーリアちゃん。頼まれてたものはどうする?」

「あ! えっとね、お父さんに渡しておいて!」


 お願いね――と笑顔で言うと、そのまま手を振って走り去っていった。


「あの……クーリアに頼まれていたものとは……?」

「モウカウミルクと、高品質のルオナ草です。クーリアちゃんが欲しがってたので、依頼の分より多めに取ってきたんですが……」

「あれ? モウカウミルクも?」

「はい。ルオナ草とは別件の依頼を受けておりまして、両方採取してきたんです」


 コナがそう説明すると、リッチは半眼になってヴァルトを見やった。


「おい、ヴァルト」

「別件は別件だ。依頼人は同じだが、同一の依頼ではないからな」

「え? じゃあ、モウカウミルクの納品もこちらで……?」

「ああ。だから一緒に持って行けと言っただろう?」


 何を今更――とばかりに告げるヴァルトに、コナは自分のこめかみを押さえる。


「クーリアをわざわざダンジョンに連れて行ったのは、軽いテストのつもりか?」

「依頼の書かれた手紙の添え書きに、娘が暴走しないように気に掛けてくれ――とあったからな」


 そう言って、ヴァルトは虹色の紙をひらひらとさせる。


「目の届く場所に置いておくのが、一番安全だろう?」

「……なるほどな」


 納得しつつも、ヴァルトの様子からテストとしての側面もあったのを読み取り、リッチは胸中で肩を竦めた。


 そんな二人の様子を伺いながら、カルフが恐る恐るといった様子で訊ねてくる。


「ヴァルトさん、その虹色の紙ってなんスか?」

「答える前に答えてくれ。カルフ……君のその頭、どうした?」


 リッチも少し気になっていたので、そちらに視線を向けると、カルフは遠い目をした。その代わりに答えたのはコナだ。


「殴られたんですよ。わたしとギルマスに。何かやらかす度にポカりと」

「ポカりなんて可愛いもんじゃねーよッ! ドガッ! とかズガンッ! とか、そういう打撃音だったぞッ!」


 コナの説明に思わずカルフが声を上げると、ヴァルトはさもありなん――という顔をして眼鏡のブリッジを押し上げた。

 その様子に、リッチはだいたいカルフの立ち位置というものを理解する。


「この紙はな、貴重な遠距離連絡用のダンジョン紙だ」


 カルフのタンコブ事情について分かったところで、ヴァルトは遠距離連絡用ダンジョン紙についての説明を始めた。


「これに、特殊なインクを用いて文を(したた)め、専用の封筒に入れて、専用の蝋で封をする。それから、送りたい相手をイメージしながらルーマを流すと、手紙は光の泡となって手元から飛び立つ。

 やがてその泡は対象の元へとやってくるので、受け手はその泡にルーマを込めてやるんだ。すると泡は割れて、中から手紙が出てくる」


 王侯貴族、商人などが至急のやりとりに使うような道具の為、市場価格は常に高い。

 また、リッチやヴァルトのように個人間での急を要するやりとりの為に、一式を揃えている探索者(シーカー)も少なからずいる。


「そして、リッチから送られたこの手紙を、私が受け取った。

 内容は至急の依頼だ――つまり、君たちに頼んだモノだな」


 もっとも――と、ヴァルトは口の端をやや上げた。


「採取依頼はついでで、クーリアを見守れという方が本命の依頼と見受けたが」

「どっちも必要だとわかって、あれこれ手を回してくれたコトには礼をいうけどな……相変わらず分かりづらくお人好しだよ、お前は」

「本音と建前は必要だろう。貴族や商人とやりあうなら尚更だ。あいつらに隙を見せればついてくる」

「それを言われると反論できねぇな」


 リッチはやれやれと苦笑してから、一転嬉しそうな表情を浮かべる。


「だが、ありがとな。

 娘も無事だったし、依頼の品と嫁さんの薬、どっちも作れそうだ」

「礼には及ばん。ギルドの一員として、探索者(シーカー)として、仕事を全うしたにすぎん」


 口では素っ気ないヴァルトだったが、言い終わると、軽く手を挙げているリッチに合わせて手を挙げた。


「相変わらずだな、ヴァルトは」

「その言葉、そっくりそのまま返してやろう、リッチ」


 軽口をぶつけあい、二人はパンッと勢いよく、掌をぶつけ合った。



     ☆



 一方、サヒーア家食卓。


「何だか嬉しそうね、クーリア。どうしたの?」

「あのね、あのね。カッコ良い探索者(シーカー)さんにね、将来が楽しみだって言われちゃった」

「お世辞じゃないの?」

「お世辞じゃないよ。一緒にちょっとだけダンジョン潜ったんだもん。だからね。その人に喜ばれるような探索者(シーカー)になるって決めたんだ」

「そっか。がんばってね」

「うんッ、がんばるッ! 探索者(シーカー)としての花嫁修業!」


 一瞬、アクアは首を傾げるが――まぁいいか、と流すと、クーリアに告げる。


探索者(シーカー)だろうと職人だろうと、花嫁目指すなら家のコトを出来ないとね。お昼のお皿並べるの手伝って」

「はーい!」


 ともあれ――彼女(クーリア)は、カッコいい探索者(ヴァルト)に、憧れてしまったようである。

ヴァルト「くちゅん……」

リッチ「どうした? 風邪か? 噂か?」

ヴァルト「さて……何なのだろうな?」


コナ(サブマス……くしゃみが可愛かった……)


次回から、新章開始の予定です


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衛兵さんそこのサブマスです
[良い点] 父娘(ガチ)くらい離れた少女の想い、良いですね。 サブマスが現役なら目の前で成長して認められていくんでしょうね。 男やもめだったら押し掛けてきそう……
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