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誰が僕の『結婚相手』を決める。

作者: 七瀬

僕は28年間ずっと何一つ自分で決めた事がない。

全ては、母親が僕の全てを決める。

どんな食べ物が好きで、何処に行くにも、何をするにも!

すべて 『母親の言いなり。』


所謂、僕は 『マザコン』だ。

母親が言うから間違いないし、僕の初恋の相手も【母親】で

僕の理想の女性も母親のような人だ。


そもそも、母親以外の女性を素敵だなと思った事が1度もない。

母親は僕の世話をやき僕のみの周りの事は母親がやっている。

本当に素敵な女性だ。


世の中に、母親以上の女性などいるのかな......?

そんな事をずっと思っていた。




だがしかし...!? それがまさかあった!

僕の働いている職場に新しく入って来た新人の 『なつみちゃん』

正直人生初の僕は、『初恋』 と言うモノをした。


彼女を見た瞬間...!?

彼女の周りにはキラキラ星が舞っているように。

綺麗な花がふわっと。

そんな風に、僕には彼女が見えた。


僕の目は 【ハートマーク】になっていたと思う。

100発100中の天使の矢が僕のハートにグサッと刺さった。

ついつい僕はボソッと。 『なんて素敵な女性なんだ......。』

と呟いてしまった。


生まれて初めて僕は母親以外の女性に、僕自身が好きと思った。

自分の意思で、こんな風に思うんだと自分に感動した。


当然、世の中にそんなやつはいないと思う。

でも、僕にとっては物凄い発見であり進歩なのだ。




でも数日後......。

母親からお見合いを勧められた。

既に、相手のお見合い写真を何十枚か僕に渡してきた。

その時の僕は、母親に何も言えず黙って受け取った。

母親には、 『どの人がいいか...? 候補に3人ほど選んでおいてね!』

と言われ僕は母親に何も言い返せずただ、 『わかった』

と答えるのでやっとだった。


このままだと......? 僕の 【結婚相手を母親に決められる。】

もう気持ちは、なつみちゃんの事で頭がいっぱいなのにだ......!

どうしたらいいのか? 僕は分からず...この事をまさかの!?

なつみちゃん自身に話してしまった。


なつみちゃんは...僕の話を目を丸くして聞いていた。

まるでこの人は...何を言っているのかって思う顔だった。

僕はこの事がおかしい事だと......?

これっぽちも思っていなかった。


普通の僕ぐらいの歳の男性は、好きな女性にこんな事を言わないのかな?

まったく考えもしなかった。


普段から僕は全て何かあると? 母親に言っていたからだ。

どんなに小さな事でも、その日1日あった出来事を母親に話すように

育ってきた。大人になった今でもずっと......。


そして彼女が僕に言った言葉は......。


『ごめんなさい。私じゃ貴方に釣り合わないと思います。』

...と言われてしまった。




僕は...僕は...なつみちゃんから言われた事が、物凄くショックで

何日か塞ぎ込んで仕事も休んだ。

そしてなつみちゃんの事を忘れる為にも......。


母親が決めた人と 『お見合いをした』

そして...『結婚』

これで良かったのか? ずっとずっと心のしこりとなって僕の中に

残っている。やっぱり僕は......。

『母親の言いなりだ!』
















最後までお読みいただきありがとうございました。

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