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4章23『残り2人……』

転移をした祈ら御一行は北海道の南端襟裳岬近辺に建てられた日本軍本部にいた。

そこには、司令官の信実真や【治癒】の異能で医者をしている治癒診らが居た。


「祈さん身体戻ったんですね〜」


「ホントだ……良かった……」


そういったのは診と満身創痍になり診によるドクターストップを食らっていた篝火蛍だった。

診と蛍は本当に嬉しそうで下手したら体が元に戻った祈より、嬉しがっている。

その奥で指揮を執っている真といつもとはなにか違った雰囲気の奏が頷いていた。そんな中で祈は診に願を託し今陥っている状況について話をしていた。その中で祈は奏の雰囲気の違いの原因に気が付きそれを口にしてみた


「あれ? 奏さんどうしてヘッドホンを?」


「ああ、これですか、これはノイズキャンセラー付きのヘッドホン何ですが、私の異能とリンクしていて聞きたい音しか聞こえないようになっているんです。

これのおかげで必要な音がより鮮明に聞こえて位置を把握するのに役立っています」


「位置を把握ってもしかして奏さん目でも悪くしたんですか?」


「その通り、私は視力を失ってしまった。治癒さんの【治癒】でも治らないほどに」


「え? それじゃあ……」


「それ以上言うな。同情しなくていい、私はこれでいいと思っている。もとより目の情報より耳の情報の方が多かったからな特に不便でもないからな」


「そうですか。」


「今外部から一般線に連絡が入った。祈君、君をお呼びだよ。」


そう言ったのは真だった。一般線とは【念話】の異能では【念話】を保持している異能者が電波塔の役目をしているのでたくさんの人がこれを使用すると異能者の脳がショートして使えなくなってしまう。それを防ぐために一般兵に与えられた電波を使って会話をするトランシーバーを使ったものだ。

ちなみに言うと【念話】の異能は電波も感知することが出来るが二つのものを一度に感知すると酔ってしまうらしい。


『マスター。仰せのままに〈山〉を処分いたしました。ですがマスターあれはもとより脳は死んでいて後は自然消滅を待つだけでした。長期に渡りあやつを翻弄していた妹様に微塵ながら感謝しています。』


その電波介入の主はカマエルの倒した報告だった。


『それどうやってやってるんだ?』


半分が時計仕掛けのカマエルには電磁はご法度あまり良くないものだ。だがカマエルはそれをキャッチそしてそれに介入していたそれに疑問を持って何がおかしいだろうか?


『それはですね。〈エロヒム・ギボール〉〈十一翼の太刀〝電波〟〉で無理やり入っているんです。この世界の電波はとても雑音がありますね汚いです』


ホント便利だな、もうこの際太刀じゃないじゃんなんてツッコミはいらない。


『おや、新手が現れたようです。殺ってしまっても宜しいでしょうか』


『それは素なのか? 同士とそうぽんぽんと死亡フラグを建てられんだよ』


『分かりませんが、さっきのはつまらなかったので次こそは楽しいことを期待します』


『そうか、死ぬなよ。』


『マスターのご命令とあらば死ねませんね』


そうカマエルは言い残して通信は途絶えた、これはカマエルが〈エロヒム・ギボール〉を違う形態にした証だろう。


「今のは誰かね? 祈君」


「ああ、アイツですか……心強い俺の従者ですよ。言葉の通り」


「ほお、それは良いな。君が出る幕もないんじゃないか?」


「いや、きっとその時は近々くると思いますよ。」


「そうか? 私には彼女と咲君だけで十分な気もするが」


「それは過信しすぎじゃないですか? カマエルや咲だって一応は人ですよ、さすが二二人だけじゃきついでしょう」


「いや、そうとはならないかもしれないぞ。案外」


「そうですか?」


祈はその言葉にそう問い返すと遠くの方から診の声が聞こえてくる。


「願さん過労が溜まっているだけみたいですぅ。寝ていれば良くなりますよぉ。」


「そうか、良かった。」


「それはそうともう異能者が半分も切ったな。あとは〈風〉と〈雷〉か」


「【音速】と【落雷】」


そんな真の呟きに祈はそう言った。

この二つの異能は元からわかっていたのだ。それに〈火〉〈山〉〈陰〉この三つの異能は情報からわかっていたのだ。だが、〈林〉この一つだけの異能を事前に知ることが出来なかった。それは仕方のないことだ、自らの存在感を消す異能なんて言うのはチートだ。だが、それは自体が悪化する前に奏が始末した。奏の【音階】という異能があったおかげで倒せた。最強のコマだっただろう。仲間は倒されていくのに誰が殺したのかその正体が一切わからないのだから。


「その二つの異能。どちらでもカマエルは負けませんよ」


速さだって落雷だって特に屁でもないだろう。きっと口笛を吹きながらでも倒せるなカマエルなら


「その絶対的自信はどこから来るのやら」


「分かりませんよ。でも俺は【寛容】らしいですから」


「寛容か……祈君らしい言葉じゃないか」


「そうですか?」


「じゃあ、【寛容】らしく全てを受け入れようと思います。」



その言葉を発した俺が間違えていた。まさかこんなことになるだなんて誰も思わないだろ?

そう思った時にはもう遅かった。なぜなら、


「祈さんやっと私を娶ってくれるお覚悟が……」


「祈さん……やっと……決心が……」


そう2人にいきなり抱きつかれた。

その場を理解するのに少し時間がかかったが祈も馬鹿ではない学習する。


「ついてないから。」


「え〜? でも今そういったジャありませんかぁ」


「言ってません。診は人の看病ばっかしてないで自分の耳をしっかり直したらどうかな? 俺は全てを受け入れるって言っただけだ」


そう自分で言ってやっと理解した。その状況を……

あ、もしかしてこういう事だったの?

そう祈は心で汗を垂らし唖然な表情で居た。この鈍感たらしめと叫んで攻撃する人がここにいたらなお良かったのだがそんな事は一切ない。

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