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1章8『地球での日常』

俺は、異世界転生スキルと、チート能力の定着スキルを手に入れてしまっていた。それも、神様の力とか言う公式チートを使って……


「パパ♪ 凄いです。では、少し契約の改善をしなければいけませんね。転生されて状況把握をしたらすぐ私を呼び出してください。お願いしますね。」


「ああ、分かったよ。急に俺がいなくなってアーサ心配してるなー、ちゃんとアーサには、このスキルについて教えとかなきゃいけないな。」


「はい。そうですね。」


そんなことを話していたら、下の階から声が聞こえた。

願の声だ。俺はすぐにその声の正体がわかった。

願は、はっきり言うと、むっちゃ可愛かったりする。兄としての偏見ではなく世間的評価がそれなのだ。要するには、イケメンから何から何までありとあらゆる人に告られているらしい。我が妹ながらやるな。ちなみに俺はコクられたのはアーサ1人のみ……悲しい。


「お兄ちゃん? いるの?」


「ああ、願。俺だ。祈だ。」


そう返事をしてやるとバタバタと階段をわざわざ音を立ててるかのように登って、バタンとあえて音が出るように、ドアを開けて、俺に抱きついてきた。


「お兄ちゃん……どんだけ心配したと……グスン……思ってるの……2日もどこで何やってたの?」


「願。ごめん心配かけて、ちょっと異世界転生してて……」


そう俺は言うと、願は涙を止め、ちょっと急にお兄ちゃんが壊れた。とか訴えてくるように軽蔑のような眼差しをして見てくる。


「ホントだって。これ、妖精。」


「は、初めまして……」


「何これ? 玩具オモチャ? これどうやって動いてるの?」


エレインをグイッと掴み、電池を入れるところや、電源を探す。エレインの姿は正直エロかった。足を持って股を開いてみたりされていた。


「違います、私は妖精のエレインです。パパに召喚されたんです。」


エレインは、願のてを振り払ってスカートを抑えて顔を真っ赤にしてそう言った。


「本当なんだ。ほれ、人間はこんなこと出来ないだろ。」


俺は、人差し指にだした光で、空中に『REAL』と書く。


「本当はお兄ちゃんじゃないとか? お兄ちゃんを装った宇宙人?」


願は、正直に驚き否定した。


「本物だから。ユア リアル ブラザー」


「じゃあ、お兄ちゃんが出してた数は。」


出してたって何を……はっ、いや、なわけが……


「じゅ……うは……ち……かい。」


「正解。やっぱ本当のお兄ちゃんか……」


願は、パンと手を叩き、そう言った。


「ちょっと待とうか。なんで回数知ってんだ?」


「いや、いつも見てるから……」


見られてた。我が愛するマイシスターに出してるの見られてた……恥ずかしい。


「出してたって何をですか?」


「それは、せ……フグぁっ。」


だめだ、エレインに伝えるのだけはダメだ。アーサに伝わり、笑われそうだから。


「お兄ちゃん何をする。『義理の妹なのをいいことに何度かやろうとしてたしょや。まあ、根性出して誘いに来たらいつでも答えるつもりだったのに。今襲っても大丈夫だよ、お兄ちゃん、お兄ちゃんになら好きにされていいよ……』」


「ちょっと待て、願。俺のライフはもうゼロだ……バタン。」


やっぱり中学二年頃に出していた、中二病全開のあの痛いラノベだったか……確か題名は『世界は俺だけで十分すぎる。この世には、我以上に使える人間はいない』だったか……。うぐっ、痛すぎる。あれ結構俺の中では良かった黒歴史だな。思い浮かべた女の子かわいかったし。願を題材に書いたからつるペタロリしか出てこないけど。


「んで、お兄ちゃんは、私になにか伝えたかったの?」


「ああ、実は俺、神様のスアって奴に【転生】って言う何時何処で何処にどのくらいが不明な異世界転生スキルを与えられたんだ。この世界やあっちの世界、それにまだ見ぬ世界にも行くだろう。だから俺は、多分急にここに現れたり、逆に急に消えたりすると思う。それを伝えておきたかった。」


「分かった。お兄ちゃん。願はお兄ちゃんを全力でサポートする。だから、この世界ではお兄ちゃんは、そこにいる妖精さんと私だけのもの。分かった?」


「ああ、分かった。この世界では俺の全ては願いのものだ。」


それはまるで、姫に忠誠を誓うように床に膝と拳をつき、願の手の甲に軽くキスをした。


「お兄ちゃん……じゃ、いずれ結婚しようか。」


「ダメですよパパ。あっちの世界でママが待ってます。」


「お兄ちゃん……。お兄ちゃんは、この2日で、こんな小さい妖精さんにパパ、ママと言われるような関係の人が居るの?」


「あ、ああ。アーサ=グランドナイツ、俺の彼女で永遠の愛を誓い、いずれ結婚しようって約束をした。ほれ、この娘」


そう言って俺は、ギルドカードを見つけた時に一緒に入っていたスマホの写真アプリでアーサにスマホの説明をした時に撮った写真を見せた。


「むぅ。この娘が、お兄ちゃんのお嫁さん? 私よりものすごく可愛いじゃない……」


「そんなことないよ。願もすっごく可愛いよ。」


俺はそう言って願の頭をワシャワシャ撫でてあげると、えへへと声を漏らした。


「あっ! パパ。ママに言いつけますよ。」


「それは勘弁。お願いします、エレインさんご慈悲を……」


「まあ、この世界ではパパは、願さんのものです。仕方ないので黙っておいてあげます。」


気づくと願は俺のスマホを奪い取ってアーサの他の写真を探していた。

少しやばいんじゃないかな。確か今日の朝とった裸エプロンとウェディングドレスの写真を撮っておいたのがはいって……


「お兄ちゃん……? ……正座。」


「は、はいっ!」


願は、それを見つけてどうもご立腹なご様子。俺はその威圧感に勝てず、正直に罰を受けようと正座をした。


「お兄ちゃんは……なにこれむっちゃ可愛いじゃないですか……じゃなくて……全くけしからんですよ。この写真よこしてくれるんだったら許します。後お兄ちゃん。ドンマイ結婚遠のくね。」


「あっ、はい。どうぞご自由に……」


あれか、ウェディングドレスの都市伝説。ここまで言われると流石に悩みどころではあるな。やだよ。相手は目の前にいるのにしかもアピールされてるのに結婚出来ないとか……何それ。なんて地獄?


「あっ、そうだ。あっちの世界でスマホの充電切れたらやだから、ソーラーチャージャーを持ってかなきゃな。」


そう言った俺は、机の引き出しに入っているソーラーチャージャー(圧倒的知力で改造し貯めることも可能)を手に取りそれをポケットに突っ込む。

さ、これでいつ来ても大丈夫だな。

できれば、アーサが心配してるだろうし早く帰りたい。


「エレインちゃんは、お兄ちゃんが好き?」


「はい。流石にママや願さんには負けますが、大好きですよ。」


「じゃあ、エレインちゃん。出来るだけお兄ちゃんにがあまり無茶させようとしないでね。だって、お兄ちゃん優しいし、かっこいいし、ちょっと鈍いところもあるからきっとちょっとした理由で例えば、女の子を助けに。とかで魔法が行き交う戦場に一人で突っ込んでいくかもしれないけど……その時はお兄ちゃんのサポートを全力でしてあげてね。」


「はい。分かりました。願さんの分も沢山面倒見てあげますね。」


「うん。宜しくね。」


きっとお兄ちゃんのことだから、各世界に1人以上の女の子を惚れさせていっちゃうと思うけど……


「さて、願に俺の凄いところたくさん教えてやるよ。きっと英雄譚とかにしたら売れるんじゃないかな? まずはだな…………」


そうして俺は願とエレインにいろんなことをひとしきり話した。まあ、英雄譚になるかどうかはわからないけど……

英雄譚に続く序章にしてはとてもいいものだったんじゃないかな? 家に着くなりエロエロエロではっきりいって自慢できることはきっと一つもしてないけど……

例え2日間であっても俺の日常はとても凄いものだった。この世界での15年とも充分張り合えるほどにカラフルで綺麗で、たった2日をそんな綺麗で美しいものに帰ることが出来るアーサと共に過ごしたいと思った。絶対何があろうとアーサだけは守り抜こうと……


「それをアーサさんにも伝えてあげなさいよ。」


「えっ? 声に出してた?」


「はい。それはそれは情熱的に……」


そんな話をしているとまた俺の体が光り輝く。


「さ、じゃあ俺行ってくるよ。」


「行ってらっしゃい。お兄ちゃん。」


俺の体はこの世界から眩しい光とともに消えていった……


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