3章22『緑の騎士とラグネル』
俺らが連れていかれた先は野球をちゃんとした大きさで出来るほどの大きさの闘技場だった。
そこには俺ら以外にもたくさんの人が居てジャックグループだと思われる人はちょうど9人。なに? 野球すんの? 丁度いいくらいの結晶いっぱい持ってるし。
その中でリーダーらしき人が俺らの視線の先に立ち大きな声で叫んだ。
「俺はァ、ベル=シラックこの国の王となる男だ!」
その男は全身を緑の鎧で包みそう堂々と叫ぶ。
ベル=シラック? もしかしてあのベルシラックか? 緑の騎士の……
その横で一人の女の子が佇んでいた。
「お前ら! 歯向かう奴は切って捨てろ。あと武器は奪え。分かったな」
そう俺らがいるのにもかかわらず大きな声でそう命令する。なるほど武器を取りに来るのか……敵は9人。ならばらばらに散らばって……
俺はそう考えるもあたりの安全とかを考えそれを実行はしなかった。
「ええと、服さん?」
「え? おれ?」
「そう、怖い……どうしてこんなこと……」
そう俺を呼んで抱きついてきたのはさっき宿で話していた少女。
「こんな時になんだけどさ、俺は巡谷祈。あっ祈が名前ね。君は?」
「祈がなまえ? 変わってる。私はウル=ラグネル。ウルって呼んで」
「分かった。」
この子がラグネル? あの? やばいやばいこのままではウルとも……いやいやいや、必ずしもアーサー王伝説通りに行っているわけじゃないし……と言うかガヴェイン系の物語の登場人物多くね?
「ゴホン。そこのおふたりさん? 何をしているのかな?」
そう威圧とも言える声で言ってきたのはアーサだった。
今更だけどアーサは記憶を喪失していても一応エクスカリバーを持っているので確実に監視員さんがこちらに来る。ランスも腰につけてるし。
「どうしようか……何か過解決策は……。」
「とにかくこんなに人質がいたら暴れようもない」
「そうだよな……」
「敵は11人だって決まったわけでもありませんしねぇ」
「ちょっと待って、祈達もしかしてあれに戦いを挑もうっていうの?」
「え? そうだけど……」
俺達はそう作戦会議をしているとウルがそう行ってくるのでさも当たり前のように俺はそう答える。
「ダメだよ。あれは人の力じゃない。呪いがかかっているから。」
「どういうことだ? 詳しく説明してくれないか?」
「うん」
俺らはそう話しているとさっきとは違う男が俺らに話しかけてきた。
「おい! お前ら何を話している? キサマとキサマ剣をよこせ。」
そう乱暴にアーサの腰とランスの尻部にてを触れようとしたので俺とグィネは反射的にその男の手を叩き落とす。
「キサマらァ!? 何をする? 死にたいのか?」
「アナタこそ何してるの? 死にたいの?」
男がそう叫ぶとグィネがそれに挑発するようにそう言い返した。
すると上の方緑色の鎧を着込んだベル=シラックがそれを見て叫んだ。
「おい! 何をしている? 切って捨てろと言ったはずだ。」
ベル=シラックがそうこの男に叫ぶと男は
「ひいっ! 死にたくねぇ死にたくねぇ……」
と何度も何度も呟きながら俺らになんて目もくれず一生懸命走ってるんだか歩いてるんだかな歩幅で逃げ去る。
ほんの少しその男が逃げると水風船のように脆く爆発した。いや、多分水風船の方がまだマシだ。その男は跡形もなくただ自らの血肉をあたりにばら撒きその男の形なんて残ってないのだから。
「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」
そんな悲鳴がその男の周りにいた人質たちの中からたくさん聞こえてくる。主にこの街の人々だろう。戦闘経験もなく全く戦死とは無関係の人たち。
その悲鳴の中高いところに仁王立ちをしていたベル=シラックがその場から消えて、俺らの前に現れた。
おいおいおい、こちらにしても敵の大将が俺らの前に現れるなんて本望なんだけど。
「キサマか? 逆らうのは!? キサマか!? キサマか!? キサマか!?」
ベル=シラックはそう言ってあたりの何も関係ない人の命を奪ってゆく、さっきの男と同様な姿にされてゆく。
「やめて、逆らったのは僕。これ以上関係ない人を殺さないで」
そうランスがいい出た。いや、逆らったのは俺とグィネなんだが……
そう思い俺もベル=シラックの前に出る。
「キサマらか!? 俺の崇高なる野望を隔てるのは!?」
そう喚き散らしベル=シラックは俺らを爆発? させようとするが……俺は爆発せずランスは爆発し血肉を散らすがそれよりも早く自らの肉体を再生する。
「おい!? キサマら何もんだよ!? なぜ爆散しない!? なぜ元に戻る!? ウワァァァァ、バケモンだァ」
そうベル=シラックは怯え喚き俺らふたりを何度も爆散させようとする。だが、俺は何度も爆散せず、ランスはすぐに再生する。
なぜ俺が爆散しないのかは多分こうだ。奴はきっと肉体を爆発させる力を持っているだが俺は今肉体を持っていないだから爆発しない、ランスは何度も言っているがアロンダイトの力で不老不死だからだ。
それを見た他の町の人も俺らからバケモンだ! って離れてゆく。
「勘違いするな? これは戦略的撤退だ!」
そう言ってベル=シラックは俺らの前から消えて再び高いところにいた。




