3章21『湿地の町』
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うわぁ。また急に場所変わったよ!?
ここは……ええと……。アヴァロンか……。朝食を逃した……あ、そういえば食べれないんだっけか……
そんな事を思いながら俺は荷台の上に座っていた。
ここは……どこかの村?
俺らの荷台が止まっていたのはどこか素朴な感じを思わせる湿気だった村だった。
「何処ここ?」
そう俺は呟き荷台から降りあたりを見渡し歩く。
ほんの少し歩くとそこには黒色の木でできた宿があった。入ってみるとちゃんとそこにはみんなが居た。
「あ! 祈さん戻ってきてたんですねぇ♪」
そう俺に声をかけたのはマリンだった。
マリンは俺の身体のないからだに抱きついてそう言う。ああ、可愛いなほんと俺の半分くらいの身長なのに俺より歳上なのかと思うと凄くおかしいな。
「お。祈、おかえり。」
「ああ、ただいま。ところでここどこ?」
「今は、アクアレイクのグレートグラウンドから一番近い町、マース。」
マース? 湿地って意味のmarshか? 英語という概念がなくただ適当に……まあ何かしらのあれはあるとは思うけど、その町の名前と英語の意味はあまり関連してないところが多い。と言うか国名自体意味不明なのが多いから。そんな中で英語とその雰囲気が似ているなんてすごいな。
「そうか、マースね……」
俺がそう呟くととおくのほうからこえがきこえてくる。
「あ♪ 祈く〜ん!! おかえり〜♪」
「祈様、おかえりなさいえ」
そう甲高い声と、落ち着いた声の二つが聞こえてくる。
実はこの子達オレの嫁なのです。アルフヘイムには嫁が一人いて、アヴァロンには嫁画は四人いてでもう大変なことになっている。めっちゃ可愛い。
「祈君。ご飯食べる?」
「あ……え? ええと……俺こんな体だからさ食べなくても大丈夫らしいんだよね。」
俺はアーサにそう聞かれたのでできるだけ手短に話す。
あと、余命あと2日半くらいなのは言わないでおく、余計なことを言って悲しませたくない。
「そうなのか……残念。」
そう俺の答えにとっても可愛くしょぼくれるアーサ。俺はつい可愛さのあまり……ゴホンゴホン、イチャイチャもいい加減にせェへんとあかんで! って怒られてしまう何故大阪弁なのかはよくわからない。違くて、慰めてあげようと俺はアーサの頭を撫でる。
すると顔をまっかっかにしてりんごにも勝らず劣らないぐらいの色になる。
それを傍から見ていたオレの嫁ーズ3人は頭を突き出してきてナデナデを強要してくる。面倒なのでしっかり頭を撫でておく。ああ、この三人も可愛いです。
俺はさっき言った通り食べられないのでとにかく食堂に行きみんなの食べてる姿を見ながら会話する。
「ここも結構広い町でしたよぉ。祈さん後で一緒に回りませんかぁ?」
「うん、いいよ。」
俺はそのマリンの提案にそう返事をした、断る理由もないしね。
「ずるい、僕も行く」
「私も〜♪」
「妾もお供しますえ」
もちろんそのマリンの提案にこの3人が黙っておくわけがなくそう一緒に行こうと三人はそう言った。
「うん、じゃあみんなで行こうか。」
「ランス、二人で回ろうよ〜」
「いや、どっか行け。ピアスと二人でまわってな」
俺がそう言っている間にグィネがランスに誘うがランスは冷たい口調でそう断り関係の無いピアスまで被害を受けている。
「君たち、旅の人たち?」
隣のテーブルに座っていた1人の少女がそう聞いてきた。
「そうだよ。」
俺はそれに心優しく答えた。すると周りの目線がとても痛くなる。なんでだ?
「炎の魔法使えたりしないかな?」
「マリンが使えると思うけど、どうして?」
俺がそう答えると周りはびっくりした表情でこちらを見ているまるで「祈の得意分野なのにどうして?」とでも言わんばかりに?
「実はココ最近……って言ってもずーっとなんだけどここら辺湿地帯でさ、変な花や虫とかが湧いて大変で……」
「少しは良くなるかもですけど、またすぐ同じことになってしまうのではぁ?」
「それが、最高の炎魔法に【ドライフィールド】って言う魔法があるらしくて、それは一度発動してしまえば半永久的に効くみたいで、」
「【ドライフィールド】ですかぁ。でもその魔法たしか日照りにするような魔法だった気がぁ……」
「へっ? そうなの……じゃあダメか……。」
マリンがそう【ドライフィールド】の説明をすると少女はどんよりする。
「少し待ってくれれば多分俺の身体取り戻して魔法も取り戻せると思うんだ。そしたらやってあげるよ? 多分いい感じに出来ると思うから。」
「ホント? ありがと。お礼は必ずするわ。」
「いや、お礼なんていいよ。当たり前のことをしているだけだし。」
「いや、でも……」
少女がそうためらっていると、アーサが、
「大丈夫だよ♪ 祈君はいつもこうだから。」
「そうですえ、妾を助けてくれた時もそうでしたえ」
「そうですか……?」
「「「「そうそう」」」」
なんかうまく言いくるめられている気もしないが少女はお礼をするのをやめて貰えるようだ。
そんな時、ドゴーンと扉が蹴り開かれるような音があたりに響く。
その直後、一人の男の声が聞こえてくる。
「ハッハァ! この町は俺様達が頂いたァ! 素直に付いてきてもらおうかァ!?」
「なんだ何だ!?」
俺はその男の叫び声に思わず声を上げる。
「おい、お前ら早くついてこい抵抗するなよォ? 痛い目にあうぞォ?」
そう言った男の手には沢山の大きな爆発結晶と爆発防護の呪符を持っていた。
爆発結晶とは魔道具の一種で地面に叩きつけるなど少しの衝撃を与えることによって爆発する結晶で、爆発防護の呪符はその爆発から身を守ることが出来るものだ。
なるほど、無駄な抵抗はしない方が良さそうか……
「おいそこの服! こっちに来い。」
俺のことか? 俺はそう呼ばれたのでそっちに行くことにする、行かないで爆発されたらたまったもんじゃない。
「お前ら着いてこい! おい! 行くぞ!」
そう男は言って闘技場内に俺らを連れていく、辺りにたくさんの人がいるあたり本当にジャックされたパターンだ。




