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3章19『セルキーの個性』



□□□



あれ……? また、【転生】したのか……。

ここは……海?


どうやら俺が【転生】した先はアルフヘイムのようだ。


「他のみんなは先に下に行ったのかな?」


そう独り言をつぶやく。もちろん帰ってくる声はなかった。

ええと確かあそこだったよな、余命宣告3日と言われあまり時間が無いんだが……。

俺は祠の中にあった階段を一段ずつ慎重に下ってゆく。

全ての段を降りるとそこは火山地帯とでも言うべき光景が広がっていた。溶岩は噴火していて、マグマが当たり一面に広がっているが、そこに通路ですと言うかのようにそこだけマグマが通っていないところがあった。

いつものように俺は階段の横にある文字を読む。そう言えばこれ魔力を使って読んでいるんだっけか……。

ええと、第三の試練〝炎獅子〟? どういう事だ? さっぱりわからん。


「お、おお、祈か。丁度いいところに来た。あの獅子を倒してくれ。」


そういったのは俺の義兄さんこの国の現国王様だった。

そう言われたら仕方がなくとにかくカリバーンとクラウ・ソラスを出す。

クラウ・ソラスって俺の魔力をがっぽり使っていくんだよね。三日ほどの寿命わ一気に使ってしまいそうだ。

……あれ? そう言えばあの獅子とはやはり……。


そんなことを思っていると、そのマグマの中を泳ぐように移動していた、全身がマグマで作られたような模様の獅子が姿を現した。

……あ。 これクラウ・ソラス使わねぇわ。

俺はそう思い即座にその今の状況ではとてつもなく燃費の悪い剣をしまう。


「どいてて!」


俺はカリバーンを片手で強く握り構えてそうみんなに言う。

俺はカリバーンを炎獅子に振りかざそうとすると、


チリチリチリ……。


そんな音が聞こえてくる。


「え? 何この音?」


「旦那様、服? お身体? が燃えています!」


「え? マジ?」


「はい、マジです。」


どうやら炎のその体の熱で俺の服が燃えたらしい。ヤバイじゃないですか!? ここまで元気だということは義兄さんの【魔術】も聞かなかっただろうし。


「という訳でぇ、祈さんはぁ、無能(・・)ということですねぇ〜♪」


「なに楽しそうに言ってんだ、逃げるぞ!」


まさか自分の属性にやられるとは屈辱でしかない。

ただいま俺らは逃げるしかないので炎獅子を背に全速力で逃げ出す。


炎獅子のファイアブレスにより追い詰められ逃げる場所がなくなり俺らは再び階段を登り上の階に行く。


「ハアハア。みんな居るか?」


「はい、います。」


俺のその問いにみんなはちゃんとそう答えた。ちゃんといるみたいだなとにかく一安心。


「作戦会議をしようじゃないか。」


「まず、祈さんは服が燃えて無能(・・)ですからぁ、ここにいてもらって結構ですよぉ」


「何を言うか、何を」


俺はそのシュタさんの言葉にそうツッコミを入れる。


「一度、私たちの個性をもう1度把握しておかないといけないのでは? アクアさんの個性も知らないわけですし。」


「そうだな、それが一番手っ取り早い。」


俺はそうティターニャの言葉を肯定して皆に言うとティターニャが目を輝かせてまるで頭を撫でてください、とオネダリをしている猫のような感覚に陥った。

なぜ犬じゃなくて猫かと言うと、ティターニャが猫に似ているからだ。どっちかと言うと犬はシュタさんすぐ俺に食いついてくる何でだ?

だから仕方がなくティターニャの頭を撫でてあげると猫のようにニャーニャー喜びほんとうに可愛かった。


「じゃあ、俺から。俺の個性は【成長】。1時間毎に1、2、4、8、16……と言うように全ての値が上がってく。要するに戦闘向きではない」


そう俺は言うとみんな分かったかのように頷いていた。だが、俺はわかっているこれ程の学力水準になっていない、つまり分かっていないと……。


「では次は私が、私の個性は【巨人】でその名の通り大きくなるだけです。」


「次は我かな? われの個性は【魔術】攻撃魔法が使えるが、さっき見たと思うが全く歯が立たなかった。」


「ではわたしが。わたしの個性は【接合】その名の通り合わせることができます。ただ熱と水に弱いです。」


「じゃあ、次は此方だ! ええと……此方の個性は…………。個性ってなんだ?」


その誰も想像しなかった発言に俺らは壮大にこけた。


「ええとですね。個性というのは自分にしかできないことみたいな感じですかね?」


「ええと……此方は水を操れるよ? 多分……。【水舞(すいぶ)】だったかな……? 多分……。」


そうマリンは覚束無い口調でそう言った。

【水舞】? それが本当ならきっとランスの様な水魔法が使えることだろう。ならばあの炎獅子にだって対抗できるはず。


「そうなの? ちょっとやって見せてくれないか?」


「うん。いいよ♪ ふぬぬぬぬぬぬ……。」


そうアクアが念じるとあたり1面の海の水が浮かび上がり俺らにもろ被さった。

その勢いは滝からの水と同じくらいで正直頭頂部が禿げそうだった。身体がなくてよかった。そう少しだけ思ってしまったのは内緒だ。


「流石はセルキーの個性だ。古来よりセルキーの個性は飛び出た技術があるとされているからな。現段階ではエルフの個性が最高ですごいと言われているが、それの何倍もの力を持っている。その威力も計り知れないだろう。」


そう義兄さんが補足を入れる。

じゃあ、きっと炎獅子も余裕で倒せるっしょ。


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