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1章6『炎の剣士』

朝ごはんを食べたあと俺らはクエストを受けるためギルドへ向かった。


「ではダ……祈君。行きましょうか♪」


「今ダーリンって言おうとしたよな」


「そんなことは無いよ♪ ダ……祈君♪」


「まあいいや。」


俺らはそんな感じの話をしながら家から3分ほどのギルドに着いた。

俺らはギルドの中に入りクエストボードたるものを見た。


「ええと、一応俺全属性持ちで【思考実現】があるよね。」


「うん♪ そうだね♪」


「じゃあもしかして翻訳魔法を作れるんじゃないかな?」


【思考実現】それは、魔法適性がある魔法を思う通りに出来るスキルである、らしい。俺文字読めないからアーサに読んでもらって聞いた話だから。ねっ。

頭でこの文字が読めることをイメージして、っと。


『ラウン高原でスライム十体討伐。銅貨3枚』


おっ。読める読める。


「んで、何処かいいの祈君♪」


「出来るだけ、炎の被害を受けない広いところがいいんだけど……」


「分かった♪ じゃあこれね♪」


アーサがクエストボードから緑色の依頼書をビリッと剥がし僕に見せる。


『レート砂漠でアーマースコーピオンを三十体討伐。銀貨10枚』


「アーマースコーピオンはホワイトクラスでも簡単に倒せる。ただしものすごく硬い。そして火属性魔法が弱点なの♪」


「なるほど。いいかもしれないな。」


「じゃ、受付しようか。」


そう言ってアーサと俺は、カウンターへ向かう。


「こんにちは、アーサさん、クエストの受付でしょうか。」


「うんこれ♪ 祈君とふたりで受けるの♪」


「ではギルドカードの提示をお願いします。」


そう言われ、俺とアーサは、しろと赤のギルドカードを渡した。


「はい。ありがとうございます。クエスト承りました。気をつけて言ってらっしゃいませ。」


俺とアーサは、ギルドカードを受け取り、ギルドをあとにする。


「さ、レート砂漠は、すぐ近くだから歩いていきましょ♪」


「ああ、分かった。」


キャメロットから南西に30分くらい歩いた所にレート砂漠がある。

そこには沢山のアーマースコーピオンがいた。その外見は蠍の10倍くらいの大きさで赤い鎧をかぶったような感じだった。


「うわー、たくさんいるねー♪」


「これ全部ぶっぱなしていいのか?」


「うんどうぞ♪ 尻尾の先の針が討伐部位だからそれだけは残してね♪」


俺は来る途中に買ってもらったいくつかの魔法学書の中から火属性の魔法学書見る。えーとまずはどれを使おう。んじゃアレ。火属性の最強魔法。名前は確か『アマテラス』その呪文は


われもとむは 光明の主神 力以ちからもって 燃やせ 爆ぜろ 爆ぜろ 爆ぜろ ほのおを以て 燃やし尽くせ ほむらよ刺し穿うがて!! アマテラス】


だったはずだ。まずは一応その呪文を唱えてみる。


「【我が求は 光明の主神 その力以て 燃やせ 爆ぜろ 爆ぜろ 爆ぜろ 焔を以て 燃やし尽くせ 焔よ刺し穿て!! アマテラス】」


俺がそう唱えると足元に、魔法陣の中に10個の魔法陣がある赤い光の魔法陣が現れ、右手を振り下ろすと自分が思い浮かべた場所(1番アーマースコーピオンがいる場所)に半径1キロ位の焔の柱がそびえたつ。その焔は、ただの赤色の焔ではなく、赤はもちろん黄色や青の焔が混じりそれと同色の雷もその塔の中にある。

その炎の塔が消えるとそこに居たモンスターどころか砂も消え去っている。

ヤベェ。破壊力がかばい。4~5キロ話したけどものすごい風圧と熱量だ、最強魔法だってのも頷ける。


「す、凄い。あんな離れてるのにすごい暑い。昔よく見てたけど、こんな熱量初めてだよ。」


「アーサ、前にって……お兄さん?」


「うん♪ そう。よくここに来てたまにアマテラスとかツクヨミとか試してた。」


そういったアーサの顔はどこかさみしそうだった。


「じゃあ、【無詠唱】を試してみるか。次は少し熱量と範囲を減らして……」


イメージ、イメージ。アマテラスのイメージ。それを少し小さくするイメージ。

よしまとまった。じゃあ次はあそこに……

そんなことを思っていたら出来ていた。アマテラスから青の色が抜かれていたがあれはアマテラスだった。


「おお、凄い。規模を小さく出来てるし、【無詠唱】出来てるじゃん♪」


「アーサは、暴れなくていいのか?」


「うん。大丈夫。今日は祈君の魔法の成果を見てることにする。」


う〜ん。炎の剣を作れないかな? レーヴァテインのような……錬金術って魔法項目があるからイメージで金属の柄に炎耐性になる様に錬金して……

そんなことを考えていると自分の周りの砂が少し消えていて、手元に柄があった。


「何それ?」


「ああ、炎の剣を作れないかな? って思って……」


じゃあこの柄に剣ぐらいの大きさになるようにイメージし、細かい魔法陣を錬金術で刻みつける。

じゃあきっとここに魔力をつぎ込めば……おお。出来てる。魔力消費量があんまりだしこれを通常装備でいいか。名前は……そうだな〜。まんまレーヴァテインも何かな〜。


「凄い。炎の剣出来てるじゃん♪ 私のも作って?」


「確か、アーサ魔力なかったよね? これ一応自分の魔力を使ってるから……というよりこれエンチャントじゃないから、魔法適性がないと出来ないし、【無詠唱】のスキルも無いから結局は僕だけの武器になるのかな?」


「そう。残念。」


「落ち込むなって暗くなったら綺麗なものを見させてあげるからさ。」


後で夜になったら花火でも上げてあげよう。なんかつまんなさそうだからな〜。


「分かった。」


「なあ、アーサ。この剣に名前つけてくれないか?」


「うん。良いよ♪ そうだなー……クラウ・ソラス。うん♪ クラウ・ソラスにしよう♪」


クラウ・ソラスか……アーサー王と同じケルト神話の剣で、光の剣や炎の剣と言われてるんだっけか? ……いいんじゃないかな? レーヴァテインはありきたり過ぎるなーって思ってたから。


「クラウ・ソラスね。気に入ったよ。ありがとう。」


そう言って俺はアーサの髪をわしゃわしゃするように頭を撫でてあげる

あっそうだ。火属性の魔法は確か温度魔法でもあるとか聞いたことがある。

思い立ったらスグやるべし。

どうしようか……空気中の水分を集めて凍らせる。イメージを……

ズドーン。そんな大きな音の正体はすぐにわかった。目の前に俺の半分の大きさの巨大な氷が聳えていた。


「これ何? 氷? 水魔法?」


アーサは、目を見開かせそう聞いてきた。


「氷だよ。火属性魔法で熱変化を試してみた。空気中の水分をまとめて冷やして凍らせた。」


「祈君凄い。さすがは未来の旦那様。」


「誰が旦那か。」


「やだの?」


そうアーサが目をウルウルさせ上目遣い出そう訪ねる。


「いや、やじゃないけど……」


「いずれね、いずれ結婚してね。絶対だからね♪」


「ああ、分かったよ」


成り行きで結婚の約束をしてしまった。まあ、こんな誰もが羨むような美少女なら……まあ、ねっ。

じゃあ次は、冷たい所と暑いところを作って、風を作る。

ビュォォ。お、成功か。

じゃあ次は……



ハーァ、疲れた。何かちょっと魔力効率と威力が悪い気がする。え? もう夜か……さて、爆発と光の炎を使って花火を作ってみる。

綺麗にな、綺麗に、連発して。

バーン。バンバン。沢山の色とりどりの花火が雲一つない砂漠の夜を色づかせる。


「祈君。何これ? 綺麗♪」


「これは花火って言って、僕の元いた世界の風物詩みたいなものかな? 本当は火薬やらなんやらを使うんだけどね。」


「祈君が見せたかったのってこれ?」


「ああ、そうだ。この花火は君と僕だけの花火だ。色々してくれたりしたそのお礼。ありがとなアーサ……


大好きだ。付き合ってくれ。」


そう告げると、ぼフッっと、音を立てアーサの顔が赤く染まった。

それと同時に、後ろの方でハート型の花火がひとつ上がっていた。

そうか、タイミングを作ってくれたのか。今だな、これが初めての自発的な愛を伝える為…………


俺はアーサの頬に手を添えてアーサの桜色の唇に……キスした。


どどドンとピンク色のハート型の花火が祝福するように連発し僕の、初めての告白が終わった。


「その言葉を、もっと前から待ってました。良いよ♪ 結婚しよう。」


顔を赤くし、少しの涙を浮かべたアーサは、心做しかいつもよりも可愛く見えた……








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