2章15『第一の試練〝迷宮〟』
俺は降りて咲が死んだのを確認すると、みんなが居る所に行く。
「カッコよかった……です……。」
「祈君。あの最後のどうやって交わしたんだい? 私にはあれは交わしたようにしか見えなかったものでね」
そう質問しているのは信実さん。それに俺はこう答えた。
「俺が戦っている時に全力のスピードを出してなかっただけだよ。ただそれだけ……」
そう、俺はあの時、光速をも超える速さでナイフの一部分をどかして咲をあそこに連れていった。ただそれだけ。
1度だけ全速力の速さを出したことがあるけど減速したら体が重く感じてちょっとだるくなったことがあるからあまり使ってない技なんだけどな。
「切り裂き咲は死んだのか?」
「はい、多分死んだと思います。【消去】も掛けましたし……」
俺は乗らない口調でそう答えた。だって、恐怖の象徴だぞ? これまでに殺した人数なんて数え切れないぞ?
「この死体、どうしますか?」
「君の異能で消してしまっていいよ。」
そう言われれ俺はこの咲の死体を【消去】する。
これでこの国に……この世界に平和が訪れたのか……。
そんなことを考えていると俺は光を放ち、この世界から消えていった。
□□□
目を開けばそこは見覚えのある薄暗い人口の洞窟だった……。
当たりには義兄さんもシュタさんも居ない、どうやら先に行ったようだ。
俺は階段を降りる、今は地上から地下2階。あと27階下がある。
「パパここに何か書いてあります。」
エレインが階段近くにあった文字のようなものを発見する。
「ええと、これは古代妖精語だな……第一の試練〝迷宮〟って書いてあるよ。」
試練か……と言うかどうやってふたりを探そうか……
そんなことを思っているとなにか聞き覚えのある声が聞こえてくる。
「あれぇ。またここに帰ってきましたねぇ。」
「おや、祈ではないか。」
そこには義兄さんとシュタさんがいた。
あれだななんかご都合主義感が強くなってるな……あの時間帯に転移したのが必然かのような……
「祈か、やはりここの階段は戻る階段なのか……」
「えっと……義兄さん。どういうことか説明してもらえるとありがたいです。」
「それはわたしがしましょう。わたし達は相当な時間この迷宮でさ迷いましたぁ。どの道を行ってもこの階段が続いているぅ、という状況ですぅ。」
どの道を言ってもか……。
「じゃあ、とにかく行ってみようか。」
俺らは少し歩き最初の分岐点に遭遇した。
「この一見11もの分岐点があるだけに見えるこの道実はシャッフルされてるんだ。我が一度検証してみたが曲がり角の方向や場所が違ったので間違いない。」
「そうか……ウ〜ン……じゃあこの道へ行こうか……」
俺は正面の道を指さしてそう言った。
選んだ理由はなんとなくだ……なんだよ? なんか文句あんのか?
俺らはその道を進み一番左、一番右、真ん中・・・と進む。
すると……
「ここは、さっきの階段です。パパ。」
階段の場所に戻ってきたみたいだ。一度に使う労力はあまりないが、これを長時間やるとなると結構くるものがある。
「そう言えば祈。ここにはなんと書いてあるんだ?」
「第一の試練〝迷宮〟って書いてあるよ。
……。次行くか……」
そう言い出しまたさっきとは違う道へ進む。
シャッフルの法則がわかればなんとなくは分かるんだけどな……。
とかなんとか思いながら次はエレインの感に任せることにしてみた。
するとなんと……
「すみません。元の場所ですね。パパ。」
「いや、気にすることないよ。次行こう。」
ちなみにエレインが選んだ道は一番左、左から3番目、右から2番目、真ん中・・・という順番だった。
それから俺達は何度も、道を進んでいった。
右から2番目、右から3番目、左から4番目、真ん中。
左から4番目、左から3番目、左から2番目、一番左。
一番右、一番左、真ん中、真ん中。
………………。
その結果。
「うわぁっ。」
23時間が経ち、シュタさんは何も無いところでコケるというドジっ子アピールをするようになってきた。
「仕方ない、一度休もう。」
俺らは一見何も持っていないように見えるが意外と違う。なんと言ったって俺はグィネのスキル【貯蔵】を自由に使える様になっているからだ。
ならば自分が入ればあっちに出れるんじゃねぇか? と思う人もいると思うがそれは出来ないことになっている。何てったってこん中には生命は入れないようになっているからだ。
俺はその中から、パンと水を取り出して一人づつ配る。
椅子はやっぱり外で使うとばっちくなるので、階段の上に座っている。
「はへ? ほほほひ、ほはふひはっへへ?」
俺は見るものが特になかったので、文字でも見てるか、みたいなことを思って文字を見てると、ハングル文字みたいな文字の中の丸くなっている部分の一つがボタン上になっていることに気がついた。
俺は水をグビグビと飲み干すとそのことを改め知らせて、そのボタンを押してみることにする。
「いいか? 押すぞ。」
そう俺らは息を飲み俺はそのボタンを押す。
するとゴゴゴゴゴと機械音がなったが、何も変わったことは全くなかった。
俺らはなーんだ何もないんじゃないか、と思いながらパンをただ咀嚼するのに戻る。
「行くか……」
俺らはパンを食べ終え再び迷宮へと戻る。
すると、普段なら一つ目の分岐点があった場所が無く、四つある分岐点の二つ目の分岐点にいた。
「もしかしてこれ何処かに分岐点を減らすスイッチがあるんじゃないか?」
俺がそう言うと、2人は唖然とした表情でこちらを見てくる。
え? 何俺何かしたか?
そっからは簡単だったよ、30分程であと三つのボタンを見つけすべてを押すと階段への一直線の道が出来る。
2人はというとグダッとした感じで絶望の顔を浮かべている。
「あれ? ここにもなにか書いてありますよ、パパ。」
「えっと……馬鹿正直乙って書いてある。」
その書いてある文字に腹たったのか義兄さんは炎の魔法で壁に攻撃する。
まあ、すっごくさ迷ってたからね。怒るのも仕方ないか……。
俺らは階段を降りようとすると俺は光とともに消えていた。




