佐藤と関岡
第零話
「省エネこそが正義」
高校に入学してから、僕、佐藤は省エネを求めている。
第一話
「机にカーペットを搭載すればいつでも安眠出来ると思うんだよね」
僕(佐藤)は隣の席の関岡に話しかけた。
「どう考えても、ノート書きづらいだろ」
速攻のツッコミ、さすが関西人だと思う。
「いや、そもそもノートなんて書かなくても大丈夫」
「もう、お前の頭が大丈夫じゃないぞ」
「だって、自分でノート書くより、関岡のノートの方が綺麗だし
写したほうが早いし」
「ちょっとは、自分で綺麗に書けるよう努力しなさい」
関岡は母のような顔で諭すのであった。
「ってことで、ノート見して」
「佐藤、今度テスト勉強一緒にしような。」
関岡は、悲しそうな顔で誘ってくるのであった。
第二話
「ひなたの席って冬はいいけど、夏は暑いだけだよね。」
佐藤は下敷きを団扇がわりにしながら、関岡に話しかける。
「まあ、確かにそうだな。」
関岡は、涼しげに答える。
「だから、関岡をカーテン代わりにしてたら涼しいんじゃないかって思うんだよ。グリーンカーテンならぬ関岡カーテンだよ。」
うまいことを言ったつもりの佐藤である。
「いや、待て。佐藤。俺の人権は日本国憲法に保障されているからな。それは厳しいぞ。俺の日照権がヤバすぎる。」
すると、佐藤は何かを真剣に考え
「関岡、僕、高校卒業したら総理大臣になって憲法を変えるよ」
真剣な眼差しで関岡を見る佐藤であった。
「佐藤、以前の現代社会の点数はどうだった?」
「僕、総理大臣は無理かもしれない」
すぐに諦める佐藤だった。
第三話
「佐藤、またタオルをひいて寝ている」
授業中、関岡は佐藤を心配している。
「佐藤の将来のためにも、起こしてやるか。」
友達だからこそ、将来を思っての優しさである。
「しかし、どう起こそうか。下手に起こすと不機嫌になるかもしれん。
そっと起こしてやるか。」
肩をとんとんとしようとすると、佐藤が寝返りを打ち、かわした。
そこには、これ以上ない満足そうな寝顔があった。
「佐藤、いい夢見ろよ。ノートは俺が書いておく。」
関岡は今日も起こすのを諦めるのであった。
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