詩 「朝の景色」
萎れた朝の冷たさ
凍える程の冷たさ
ナナカマドの実が、モノクロの視界を彩る
霜が降りている
車道に往来する自動車の群れ
橙に染まりいく空
バス停までの十数メートルの
肌を叩くような寒さに
ああ、冬が来たのか
と感じたり
車窓から見える朽ちた葉を
湛えた木々の
色彩の哀しそうなことに
秋は終わるのか
と思ったりして
そんな私を載せながら、バスは走っていくのだ
誰かが車窓を覗く
あの人も
冬が来たのか
と思っているのか
往来する人々、自動車の群れ、禽獣草木に
朝は廻されていく
世界が廻されていく