姐花魁から花魁へ
「牡丹~牡丹早く来てなんし」
姐花魁の菜花が、部屋で呼んでいる。
「はい。菜花花魁。着付けですか?」
にこやかに妖しい笑みを浮かべる。
「そうでなんす。今日は、お得意様の旦那が来てくれるからねぇ。
気合を入れなんし。お前さんも、初お披露目だからねぇ・・・。
あたいの下に来たときは、普通の女子なんやと思ってましたが、美しくなったどすなぁ。
お前さんなら、あたいから離れてもやっていけるなんし。」
昔、ここに連れて来られてから早10年・・。
牡丹は14歳になり、今夜お披露目される。
一人前と認めてもらえるのだ。
牡丹は、純粋に嬉しかった。自分が、お金になる。自立できると。
それと同時に、姐花魁の菜花から離れるのは寂しかった。
可愛がってくれた花魁・・・・
この世界の厳しさと、規則をきちんとこの体に染み込ませてくれた・・・
ーーーーーー私は葉花花魁のように、なって越してみせるーーーーーーーーー
「花魁いままで、ありがとうございます。
この10年間を決して、忘れれません・・・。
花魁のように、立ち上ってみせます。
その時まで、花魁は私の目標として生きていてください。」
涙が頬を滑り落ちていった。
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