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第8話 魔法学校4

文字抜けのミスがありました。

修正します。

すみませんでした。

 休憩時間も終わり、教室に戻る。

 移動中、教室にいる時でもあのギポーの壁は途切れず魔人を退けている。

 本当に人間は魔人を嫌っているのが見えた。

 カイはそれをじっと見張っている。

 さすが死警官の息子だと思った。

 しかし、俺らはまだどうすることもできない。

 それは実際にはギポー達が魔人に対して危害を加えていないからだ。

 そして、魔人達も僕らを嫌っている。

 まずは魔人の人から信頼を得なければいけない。

 カイはグルジエの子供であるから、その威厳もあってか壁を作らぬとも避けられているようだ。

 その後に発展はなく事態は平行線で休憩が終わり授業が始まる。

 

 グラフ先生は初めに「賢者」とは何かと問う。

 もちろん俺もみんなも答えることができなかった。

 賢者の存在は現在確認されていないようだ。

 そう、今は架空の人物として扱われていることも多い。

 しかし昔の書物には賢者と思われる人物が何人も載っていた。

 そこでグラフ先生はこう言った。


「賢者とはこの世界を作った神なのではないか?」


 その言葉で俺は考えた。

 生死の賢者は神なのかと。

 しかし、どうもこの特性だけでは世界を作るには力が足りない。

 もしかしたら俺は十分に力を引き出せていないのか、それとも先生が言っていることは間違っているのか、わからない。

 昔の書物に描かれた賢者は本当に賢者だったのか。

 どんなに考えても俺の知能では答えを導けない。

 だけど一つ先生に聞きたいことが浮かんできた。

 それは現代に賢者がいればどうなっているのか?ということ。

 俺は挙手した。


「もし現代に賢者がいるのならばどうなりますか?」


 先生は笑う。


「賢者が現代にいるとどうなるか?

 そんなこと決まっておるだろ。

 すぐに全ての国が動き出し、賢者を捕らえるだろう。

 それほど考古学者に重要だからな。」


 先生の言葉で賢者の存在を再認識した。

 賢者は世界を動かすほどの存在で力を持っているということを。

 まだ師匠に聞くべきことがたくさんあった。


 そして放課後、カイと一緒に帰ることになった。

 俺とカイは報告をし合った。

 が、特に発展の兆しは見えなかった。

 カイと別々の道に進み別れた。


 街を抜け、師匠の元へ一目散に向かった。

 それから賢者について聞いた。

 賢者は何なのかと。

 しかしパッとした回答は帰ってこなかった。

 生死の賢者は特性であり人物ではないということだった。

 賢者とは話すことはできず、向こうから話しかけてくる待ちなので情報をまとめても賢者の問題には手も足も出なかった。

 でもわかったことがあった。

 師匠が言った、生死の賢者のことは誰にも話すなということの理由がわかった。


 その後、数日後ある事件が発生した。

 それはカイとの放課後だった。

 その日の授業が全て終わり、校舎を出ようとした時俺は尿意を感じ、トイレに向かった。

 そこで俺はかすかに声が聞こえた。

 それは外からの声である。

 ギポーらしき声が聞こえた。


 壁に耳をつけた。

 数人の足音と、鈍い音。

 そして嘲笑う笑い声。


 嫌な予感がした。

 尿意も引いた。

 そそくさとカイの元へ走った。

 そして状況を教えた。

 カイは事件性があると主張して俺と現場に向かった。

 ただそこには一人だけだった。

 同じクラスの人だ。

 走り駆け寄ったが、逃げられる。

 俺らより走りは速く、距離はどんどん引き離される。


「どうして逃げるんじゃ!?

 待たんかいわれー!」


 カイは大声を出すがさらに加速する。

 追いつけず、逃げられてしまった。

 

「せっかく、わしが助けようとんのに逃げるなんてこと・・・

 見過ごせん!

 わしらで解決するんじゃ。」


 まずはカイの方言を治さないといけないかもしれない。

 今までの言い方ではきついし、怒っている印象も相手に植え付けるかもしれない。

 そうなることを思って方言を直すように提案したが、カイはそれを受け入れてくれなかった。

 どうやらこの方言は母譲りの方言らしくそう簡単に直すことはできないとのこと。

 なのでこの口調はそのままになった。


 次の日、その人が来た。

 夕日の影で見えなかったが、仮面にはヒビがあった。

 ギポーに何かされたに違いない。

 カイは黙ってはおけなかった。

 しかし、この目で現場を見たわけでもないし、本人にもまだ近づけない。

 証拠がないままでは正当な裁きを下すことはできない。

 そしてグラフ先生が登場。

 授業の数分前には絶対来る。

 一度も遅刻や忘れ物をしたことがないのだ。


 今日の授業は「地上絵」だ。

 地上絵とは大昔に古生代アタマデッカチ族が描いた謎の絵。

 この街、中央フラット王国西南部から北西の方角にある、ラレラ帝国の西側にその地上絵は存在する。

 その地上絵の通称はラレラレットの地上絵。

 ラレラレットの地上絵には過去にいた賢者を描いたと推測される絵があったり、昔に存在した生物を描いていたりと、理解できない部分が多々ある。

 しかしその中でも理解ができたとされた地上絵があった。

 読み取った結果、「進化は生、退化は死。」を表すような抽象的に絵が描かれていた。

 その翻訳が実際に合っているのかはわからないが、多くの考古学者はそう答えるだとか。


 確かに進化した生物は今を生き抜き、生活しているが、退化することが死ぬことなのかは疑問だ。

 

 そしてまだその地上絵には秘密が隠されていた・・・


 の言葉にカイは反論する。

 全ての魔人が悪いのではない、一部の魔人が暴れているだけ。

 人も悪いことをする、それは全人類が悪いのか?と言う。


 ギポーは舌打ちをしてその場から仲間を引き連れて去った。


 ギポーが去った後でも静寂の世界だった。

 ギポー達の足音が消えてやっと体が自由に動けるようになった。


 今の感じ的には話は聞かれていなさそうだ。


「危なかったのう。

 ギポーの発言は魔人を本当に嫌っているようじゃ。」


 その魔人は今起きたことに驚いた。

 魔人を挟み、人間同士が対立していることに。

 

 その影響か、俺達のさっき説得していた言葉を信じてくれた。

 彼女の名前はゼヴァ・ヴェル=エルレカ。

 特性は特性変化。

 もう一つは溶解。


 特性変化

 触れたもの、自分の特性を変化させることができる。

 基本的にはあべこべの特性に変化することが多い。


 溶解

 体を液体のようにすることができる。

 擬似スライムのような感じにできる。

 特性変化と組み合わせれば、凝固になり硬質化することができる。


 そして魔人との関係に発展が生まれた。


 今回は2つの証拠を手に入れることができた。

 ギポーは魔人を嫌っている。

 ギポーは魔人に攻撃的ということ。


 これさえあれば俺達でも行動ができる。


 その日は夕暮れが近いため解散して帰ることにした。

 が、そう簡単に帰ることはできなかった。

 偶然なのかわざとなのかわからないが、行手にはギポーの集団がいた。

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