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第5話 魔法学校1

 俺は師匠に街の報告をし終えると、思い出したのか何かをとりにいった。

 師匠が持ってきたのは数枚の重なった紙。

 その紙は入学試験の合否発表の紙だった。

 俺と師匠は唾を飲み込み、恐る恐る一枚めくる。



 そこには「合格」と赤く書かれていた。



 俺は両手をあげ、喜んだ。

 師匠は俺の顔を見て、緊張して上がった肩の力が抜け、俺の頭を撫でてくれた。


 その日の夜は安心して眠ることができた。



 合格の紙を貰った者は次の日に学校に来ることになっている。

 そして学校に到着。

 道中には特に異変はなく、極獣もいなかった。


 まずは学校前にある看板で自分の教室と書かれた紙を確認。

 そして自分の新しい教室に入る。

 初めての学校に俺は戸惑った。

 すでにグループができていたのだ。

 もちろんグループはできていない人もいるけど、結構友達になりやすいのかも知れない。

 

 一旦席に着いた。

 右横の席はあの筋肉のでかいやつだ。

 俺の方を見て、ニコッと笑顔を見せる。

 そして左後ろの席、場所的には窓側の最後尾、沈黙の雰囲気が漂う男が座っていた。

 腕を組み、じっと前を見つめている。

 帽子には・・・死警官と刻まれている。

 なんで死警官の帽子をかぶっているのかは謎だけど、怖い人なのかもしれない。

 どことなくデクノーアレ死警官に似ている気がする。

 人間観察をしていると、少しずつ人が教室に入ってくる。

 左には対戦相手だったリオナ・ヴェル=クロウが座った。


 数分後、この教室の担任になるだろうと思われる少し老いた男が来た。

 話し声が聞こえていた教室の雰囲気は変わり、椅子の軋みが聞こえるほど静かな教室に変わった。


 担任はフィスター=グラフ。

 見た目は老けているが年齢は見た目以上に若い。

 メガネをかけていて、半ズボンから見える足はすね毛がよく見える。

 グラフ先生と呼ばれている。

 旅人学科の授業を担当。

 特性は透明化。

 目を2秒以上閉じている間、透明になる。

 目を瞑ると周囲は見えなくなるが、第六感を成長させ克服をしているようだ。

 姿が見えなくとも後ろにいるかも知れない。

 

 その容姿を見てぼそっと誰かが呟いた。

 

「なんだ。

 ジジイか。」


 呟いた犯人はタルラロ=ニュロアス。

 いかにもグレてる、を強調した服と顔。

 反抗するタルラロに先生は叱った。

 が・・・

 

「ヨボヨボの老人が俺を止められるのか?」


 軽蔑的に挑発を続け、席を立つ。

 先生は呆れたように少しため息を吐き、スッと黒板の前から消え、姿を透明化させた。

 

「それで俺をどっ・・・おぉ!!」

 

 バタッとタルラロは吹き倒された。


「身の程知らずにも程がある。

 私を倒したいのならその腐った思考回路を直し、問題を認識、情報を整理、答えを導き出すまでの流れを自分で作ることだな。」


 タルラロは不貞腐れて席に戻る。

 その光景にぷすくすと声を抑えながら笑う皆。

 

 朝礼が終わり、一旦休憩になった。

 先生は教室を出た。

 先生は生徒の興味がないのか自己紹介は自分達でやれ、とのことだった。


 きっとこの時間は自己紹介の時間だろう。

 早速俺は隣の人、リオナに話しかけることにした。


「ど、どうも・・・」


 リオナは驚き、猫耳をピクッと動かした。

 周りの声も少し静かになった気がする。

 とりあえず自己紹介をした。

 けども、前のように明るくなくなぜか暗い。

 まるで別人のようだ。

 一応返事はくれたが、会話が弾まない。


 ちょっと気まずかったので今度は反対側の筋肉に話しかけることにする。

 話しかけると意外と話のキャッチボールができる。

 名前はムロフ=シロクロシー。

 特性は正々堂々。

 

 正々堂々


 魔法が使いにくくなるが、身体能力が増加する。


 彼らしい特性である。

 長所をさらに伸ばすことができる特性は生きる上で大切だ。

 

 周りに友達を作っておきたく、後ろの人にも話しかけようと思ったが、暗い。

 雰囲気がもう暗い。

 話しかけるのをやめて大人しく席に座っていることにした。

 グループが既にできているところは話が盛り上がっていて良くも悪くも騒がしい。

 ムロフは空気椅子で筋トレに集中していたり、リオナはずっと外を見ていたり、後ろは根暗で、デクノーアレ死警官似の人はただただ前を向いている。

 かなり気まずい。


 ガラガラっと扉が開く。


 グラフ先生ではなく全く知らない先生が来た。

 グラフ先生が来た時同様、教室は静まり返る。


「俺はゲツメ=オメガ。

 呼び名はゲツメ先生だ。

 お前らの旅人学科の運動指導を担当する。

 ちなみに今年の入学式は無しだ。

 校長が学校に不在だからな。

 それから今からお前らには実力テストをしてもらう。」


 実力テストのために校庭に移動させられた。

 種目は三つ。

 魔法テスト、運動テスト、特性テスト。

 今後の仕分けにも関わる重要なテストだ。


 初めに魔法テスト。

 ここで魔法が使えるのか使えないのかが仕分けされる。

 魔法を使える者はその者に合わせた授業をしてくれる。

 しかし、俺は魔法が使えないので初めのテストはスキップ。


 次に特性テストが構えている。

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