第50話 自然
森の調査を終えたカガガと連れた兵が正門から帰還した。
一番にカガガはリテル達を呼び出した。
「今回の庭林調査で十分な成果を得られた。
お前らのお陰で原因の根源を掴むことに成功した!感謝するぞ。」
リテルの肩を壊す勢いで二度叩く。
ロス・ガデーンズ王国に旅人達が来なくなったのは主に、ある動物の行動だった。
それは良質な土と種を大いに好み住み着く地下生物、ヂカタタキ。
ヂカタタキは土を掘り起こし、棲家となる良質な土壌を作る。
その過程で本来、道だった場所や付近には掘り起こされた土が堆積され、道隠しになってしまっていた。
ヂカタタキは悪い生物ではないのだが、食物網上、駆除や捕食されなかった結果、増えてしまったそうだ。
「今後のヂカタタキの扱いは見直す必要がある。
これにて報告は終了する。
良き旅を祈る。」
森の異変の原因は無事突き止めることができ、国に来る旅人の復活が見込めた。
しかし今までの国に辿り着けなかった旅人はどこへ行ったのだろうか・・・。
カガガと話した後、リテル達はフギレと別れ、アメハと宿にいた。
「リテルさん、旅人になったんですね。
新聞で読みましたよ。
ラレラレット王国で何度も救い、ブレイサー港王国では海賊を追い払うとは。
立派ですね。私も何か成し遂げないと。」
するとサイダンは獣研では何をしているのかアメハに聞いた。
サイダンは昆虫について何か聞きだせるか胸を踊らせている。
「残念ながら私の所属の場所は、極獣を主に調べているので昆虫は詳しくないんです。
昆虫なら別の点の場所で聞いた方が望ましいかなと。」
少しサイダンの気持ちは下がった。
「でも昆虫は好きですよ。
私の目は特別なので。」
「特別?」
アメハの特性は視力を上げることができる特性、万物眼。
視力が常人の何倍以上にも拡大でき、粒子まで除くことができる。
弱点は過度な光であり、失明する恐れもある。
しかし生物の細胞を観察できるとして、極研に選ばれた。
「どんなものでも見れるのか?」
サイダンは興味津々だ。
「うん。透視はできないけど表面のものは全て最小単位で見えるよ。
君の毛穴もー。」
「やめろよ!」
宿に笑いが満ちた。
アメハは少しの期間、共に宿で過ごすことになる。
そしてある時リテル達が餅の源で草結串団子を食べていると、一組の旅人団がロス・ガデーンズ王国に訪れた。
グローズ旅人団。
団員の特性は統一されていて、主に自然を司る特性が集まってできている。
グローズ旅人団の団長は岩腕のエクスタ=イダイナー。
体から岩を生やすことが可能な特性、顕岩。
鍛え研かれた鋭き黒曜石は一度触れれば血飛沫。
グランドネーチャー里出身の旅人。
副団長は吹雪のアトリエ=アイサー。
アトリエの冷気に触れれば凍てつく極度が襲う。
特性は、霧霜露。
同じくグランドネーチャー里出身。
その他にも自然系の特性を持つ団員がいる。
「自然こそが最強」という我道を背負い、旅をする。
リテルが団子を嗜んでいると、グローズ旅人団の団長が突然隣に座り、言った。
「よお。おったまげたなぁ。
ここの森には動く木がいるのか?」
急に話しかけられたから団子が喉に詰まるところだった。
動く木・・・?
リテルは困惑した。
「動く木ってのは言眺蘇書物のこと?」
「ゴンチョウソショモツ?なんだそれ?」
どうやらエクスタは御徘霊式木を知らないようだ。
すると餅の源の長男のキキリが丁度近くにいて、説明してくれた。
「いや、俺が言っているのは目で見たぜ?」
その場にいた全員がその一言に驚く。
しかしアメハだけは違った。
熟考の姿勢で脳はフル回転だった。
「それ、極獣では?!」
「そ、そんなことないだろ。
俺の里じゃ森だらけだったが、一本たりとも見たことないぞ。」
「違います!近年、植物型の極獣が発生しているのです。
もしかすると・・・、植獣、メプル・ブアムアダムが庭林に来たのかもしれない。」
極獣 植獣 メプル・ブアムアダム。
樹木型の植獣で、移動は遅く、一日で進む距離は10mほど。
しかし歩いた場所の跡には樹液が散乱していて樹液の中には種がある。
種が咲くとその植獣は生まれる。高い繁殖能力を持つ。
樹液は粘度が高く、あたりの草木の光合成を妨害し、枯らしてしまう。
「一刻も早く対策を行わないと、庭林が樹液まみれですよ!」
「ふーん・・・・・・。」
物陰から耳を側立てる人影が・・・。




