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シンカータイカー   作者: よぐると
ブレイサー港王国編
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第46話 信じ難き光景

 リテルはニグメの不意打ちにより、腹を貫かれ、失血死した。

 そしてリテルが次に目を覚ましたのは全く別の場所だった。


 小鳥の囀り、草木が風で掠れる音、緑の上でリテルは目覚めた。

 少しずつ目の焦点が調い、一面に花畑の平原が見えた。


「え・・・?」


 呆然して思わず口からえ?という言葉が漏れ出した。

 

 どこを歩いても花々。

 特性が使えないのでずっと続く花を歩いた。


「やぁ・・・。」


 鹿の骸骨の頭のような見た目の死神が鎌を持って現れた。


 そして死神がリテルに鎌を構えた。

 リテルの手足は全く動かない。


 恐怖で動けないんじゃない。

 何かに縛られている・・・!


 リテルの首筋に鎌が当たる瞬間、突如、巨大ミミズが地中から飛び出した。  

 ミミズには大きな口があり、死神だけを飲み込んだ。


 ミミズは地面に帰り、死神は消えた。

 それと同時に花園の世界は赤く染まり、地盤には裂け目が発生。

 至る所に土が浮き、世界は真っ黒に収束した。


 


「うわーー!」


 目を覚ましたのはどこかの病室のベットの上だった。

 顔に被っていた一枚の白布を取った。

 額には気持ち悪い汗が垂れていた。


 悪夢だったのか・・・?


 蘇る夢の記憶に頭を抱える。

 次に自分は誰かに刺されたお腹と手の甲を確認した。

 完璧に治っていた。


 誰かが治療を施したのかと思った。


 ベットから立ち上がり、ペタペタと自分の足音を聞きながら部屋を出た。


 誰もいなかった。

 

 気まぐれに出口の方を探していると、角で人とぶつかった。

 シャッツだった。

 シャッツはまだ手で目を覆いながら歩いていたため、リテルを認識することができなかった。


「ごめんなさい、ごべんなさい。」


 涙ぐみながらシャッツは謝る。

 学校の時とは全く違う印象に驚きつつも、シャッツに大丈夫かと声をかけた。

 シャッツはリテルを見た。


「リテル?死んだはずのリテルが目の前に・・・いる。」


 さわさわとリテルの頬や服を撫で引っ張る。


 本物だ、と言った後、全身でリテルに抱きついた。


「生きてる!生きてるぞ!」


 大袈裟にリテルの周りを跳ね回る。

 シャッツの声と物音に何事かと思った別室で待機していたカイ達は来た。

 飛び回っているシャッツの前にリテルがいることに仰天した。

 カイ達もシャッツと同様に騒いだ。


 その光景にリテルを手当てしていた医者は開いた口が塞がらない。


「死んだはずじゃ・・・

 一体何が起きた?!」


 リテルは医者の質問に答えることができなかった。

 


 リテルが起きたということはすぐに広まり、王にもそのことは伝わっていた。

 王は飛び出して、病院に到着。


 リテル死亡事件は大事になる前に丸く収まった。

 許されることではないがリテルは笑いながら許した。


 そうしてリテル達は寿司をたくさん食べた。

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