表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シンカータイカー   作者: よぐると
ブレイサー港王国編
40/50

第38話 海の異変

 能砕と超砕を持つジャックを相手に、国を守るオイカゼ旅人団。

 剣も魔法も通用しないジャックに苦戦していた。


「期待はずれだな、あの集団に勝てたのもまぐれか?

 海賊ってのは負けた方の首を持っていくもんだ。

 リテル=クロテウスの首もっtッッゴフゥ!!」


 突然ジャックの右頬が凹み、吹き飛んだ。

 右頬を押さえながら、驚いた。 


 サイダンがジャックを殴ったのだった。


 正直、反応ができなかった・・・。

 何もできない奴だと思っていたが違うのか。

 あの速さで攻撃されては今の俺じゃ完全に防ぐことはできない。

 能砕で特性を多少無効して攻撃はできるが、防御に使うことはできない。


 ホールンはジャックの弱点がわかり、サイダンへ共鳴した。

 サイダンの加速運動は更に速く、強くなる。

 その強化したパンチをジャックの左頬に当てた。


 この強さは聞いていない?!

 このまま戦い続けても勝ち目はない・・・。


「て、撤航だー!

 かき集めたお前らじゃ手も足も出ねぇ。」


 ジャック、ゾー、その他船員は船に駆け込んだ。


「待てよお前ら!」


 リテルが逃げるのを止めるために舌で船尾を捕まえるが、ジャックの纏った雷で阻止されてしまった。


「逃がすかよ!!」


 ムロフが被っていた傘帽子を円盤投げのように船に目掛けて投げた。

 見事にジャックの頭に命中した。


「お前ら次に会うときは覚えてろよー!ゲテ者野郎。」


 頭にできたたんこぶを撫でながら、遠吠えを叫び去った。

 グレイン海賊が去ると、空の雨雲は晴れ、数週間ぶりに太陽が顔を覗かせた。


 物陰に隠れていたニザスが涙ぐみながら出てきた。

 ニザスに続き、国の入り口の奥の奥に隠れていた住民もぞろぞろと出てきた。

 走ってリテル達のもとへやってきた。

 が、何かが人々の喉を押さえているようで、声が出なかった。

 そしてこのブレイサー港王国の王のハゲおじが頭を下げて言った。

 この王はヘッサム=シェリフ。


「我々は・・・礼ととんだ勘違いを謝らなければならない。

 この国を守ってくれたことに大変感謝している。

 そして、我々は魔人に対して浅慮な考えで邪険に扱っていたことを謝罪する。」


 リテル達は別に魔人差別に遭っていなかったので、謝られたことにどう返せばいいか戸惑ったが、魔人差別はなくなってほしいと思い、魔人と仲良くすることを約束した。


 そしてブレイサー港王国は漁の再開をした。

 特別にリテル達を乗せて漁に連れて行ってくれることになった。

 操舵手は国一の操船、ノス=フー。

 今年で70歳になるそうだ。

 船には一人の甲板員がいる。

 ノスの息子、ソス=フー。

 コアセンド王国特注のエンジンを施した船を使い、海を駆け回ることができる。

 

 次の日の早朝、船はリテル達を乗せて出発した。

 朝日のない海はまだ暗く、魚の気配など一切感じられなかった。

 数十分海を横切っていると、ノスは突然船を停めた。

 船のハンドルから手を離し、船先の海を指差した。

 しかし俺達には見えなかった。

 俺は極獣 ルナ・プリュネルカの暗視があることを思い出し、暗視を通して海を見た。

 海中には左回りに回る魚群がいた。


「見えるか?お前ら。

 ちょうど下に「ホケ」がいる。

 ・・・・・・

 釣り上げるぞ。」


 ノスが水面に手を入れる。

 衝撃電気(パルスショック)、そう呟くと電気が海に溢れた。

 一瞬の電撃でぷかぷかと気絶したホケが浮き上がってきた。


「これがワシ流の取り方だ。

 浮かんできた魚を獲れ。」


 ホケを約50匹を捕まえることに成功した。

 ホケはブレイサー港王国の海域にのみ生息しており、大多数のホケはこの港から出荷されている。

 背中の赤い線が特徴で、盛冬から枯冬にかけて卵を持つ。

 今は枯冬なので卵を持つホケが獲れる。


 またノスはハンドルを持ち、次の場所に向かった。

 風に吹かれ、進む。

 リテルが海を見ていると、水中で何かが光った。

 船と同じ速度で、船の後をついてくる。


「極獣の生体反応。

 極獣 魚獣 エクサル・ラハバーン。

 一部赤く光る巨体の魚獣。

 体内の熱エネルギーを使い、加速します。

 激流を起こし、捕食対象を渦に引き込み捕食する。

 高度な知能を持つ極獣で、仲間とコミュニケーションを取ることも可能。

 気性は冷徹で、気に触れない限り人に害を与えません。

 ただし、空腹の場合はそうは限りません。」


 もしや襲ってくるのか?

 そんなわけない・・・とも言いにくい。

 俺はソスに極獣がいることを伝えたい。


「極獣がいる?この海域に極獣は経験上いない。

 どれどれ・・・・・・ッッ!

 これはまさしく極獣だ。エクサル・ラハバーンは基本的にここにはいない。

 だとすれば・・・。

 ノス船長!エクサルだ。港に引き返せ!」


 ノスは舵を切り、港の方向へ船を加速させた。

 しかしまだついてくる魚獣。

 確実に俺達を狙っている。



 港へ直行して数分。

 魚獣は姿を消した。

 諦めたのかと思っていたが違ったようだ。

 突然、流れる激流により船舵を失った。


「あいつ、渦を作りやがった。

 船から離れるなよ。」


 船の舷側にしっかり捕まる一同。

 だが、魚獣が船の底を築き上げて船体をひっくり返した。

 魚獣との衝突でノス、ソス、リテル達は船から放り出され、共に渦へ呑み込まれてしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ