第34話 出国、ラレラレット王国
祝祭が終わり、夜が明けた。
お見送りは朝始まる。
そのためリテル達は早朝から起きる。
旅人としては当たり前だが、疲れの溜まったリテル達にとっては結構きつい。
夜まで共に騒いだ人々は俺達よりも早く起きていた。
大門の前には道の両側に人がもう集まっていた。
陛下も公爵も男爵も。
陛下はリテルの前に立ち、国を救ったお礼に、お金とラレラレット王国の著名医者の特製治癒薬、加えて全地域を描いた地図をくれた。
著名医者というのはジャッジメント公爵の命脈を保たせた凄腕の医者のこと。
名前は極秘であり、名前を知るのは政府の上位の人しか知らない。
ジャッジメント公爵でも知っているのは姿だけ。
認知されているが名前を知らないため、呼び名はDr.ブラッシュと呼ばれている。
そして最後に旅人として大切なものを造ってくれた。
それは馬車だ。
旅人の移動には欠かせない物。
ゼヴァが注文した物だった。
ムロフが持つ為の手持ちには握りやすいように加工し、軽く強い素材で作られた木材を使っている。
二輪の素材には昆獣 スチル・ランカの細い鉄糸を使用して、擦り減らないよう輪の外にかけられている。
砂の上ではあまり走行はできないが、悪路では走りやすく、走破性に優れている。
「時期的に言えば「クリスマスプレゼント」という感じでもあるな。
雪は積もっておらんが。」
拝礼申し上げて馬車に乗る。
早速、新しい馬車で国の正門に向かう。
拍手の中を馬車に乗りながら別れた。
「この砂丘はミー達が引っ張るよー。」
声と一緒にカラルとスーぺが正門を抜けると飛び出してきた。
遠慮なく引っ張ってもらった。
砂丘を少し歩いたところでカラルはリテルに話しかけた。
「リテルのおかげでミーと弟は陛下から役をもらって借金を無くすことができそうなんダ。
ずっと借金を返す為の日々だったけど、今は仕事として稼ぐことができる。
ミーは最高の気分ダ!」
カラルは晴天の空に気持ちを投げた。
そして砂丘の終わりが見え始めた。
昼頃になったので暖かさと、盛冬の寒い風が少しずつ交わってくる。
「次の国はどこに行くんダ?」
カラルが耳を垂らしながら聞いてきた。
「港の国、ブレイサー港王国に行こうと思う。」
「隣の国か。
枯冬になればそこはもう暖かい。
魚も活発になり、旅人としても行って損はない。
甲斐があったと思える場所さ。」
そうこう話しているうちに別れの時が来てしまった。
「また来てくれよ。
安全と共に!マアッサラーマ!」
カラルとスーぺの別れの挨拶で遂に、ラレラレット王国から去った。




