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シンカータイカー   作者: よぐると
ラレラレット王国編
31/45

第30話 襲撃、黒色の刺客

 陛下の命令で召集された監視官(ワーデン)警備員(ガード)は国の外、高台、国中に広がった。


 クゥアンセン監視官とガルディアが高台で夜の国を見ながら話している。


「クゥアンセン様。

 今回の件はいかがで?」

「監視官を務めていて私は初めての経験だ。

 公爵の殺害は度々起こってきたが、侯爵が犯人だとは・・・

 そして、この警戒体制もあの元侯爵の発言がきっかけ。

 信じるも信じぬも判断し難い。

 備えあれば憂いなしの状態だ。」



 牢獄にて。


「貴様の発言により、大勢の警備が動きそむ。

 一体、何が目的だ?

 まさか、これで牢獄の警備が薄まる、だとか思っていないだろうな?」

「・・・・・・」


 何故この沈黙。

 心理学を学んでいた奇術師、図星の突きを読み取れぬ・・・


 


 陛下、女王陛下、オイカゼ旅人団、三爵が集まる大きな部屋で奇妙な笑い声が響いた。

 食べ物を運んでいた手を止め、リテルは上を見上げた。

 しかし人はいない。


「警備は雑魚だったな。

 呑気にお食事会をしていたお陰で、すぐに王を見つけることができた。」


 声と共に姿を現したのは、文様入りの仮面を被った黒フードの二人。

 一人は大きな刀を、もう一人は小さな小刀を二枚。

 大きな刀の先を王へ向けた。


「その刃先を下げろ!」


 警備員(ガード)が忠告をしても一切の動揺はなし。

 仮面を被っているから感情の乱れも伺えない。


「この王国を焼き打つ。

 すでに約六十人がこの王国に侵入している。

 ブルーイチを釈放し、国を滅ぼす。」



 城外では黒フードと警備員(ガード)、滞在していた旅人が戦っていた。

 始戦の鐘が鳴り響く中、クゥアンセン監視官も国の中で黒フードの相手をしていた。


「お前ら、ブルーイチの手下か?

 牢獄への道は茨の道、諦めろ。」

「残念ながら、私達は雇われの身。

 前払いされてしまったから諦める道はない。」


 警備員の数の方が多いが、強さでは負けている。

 複数人でやっと黒フードを一人撃破というところ。

 かなり戦力に差がある。

 そしてこいつは他の奴らよりも妙に強い。

 

 苦戦しながら剣を交え交戦するが、度々瞬間移動を使い、翻弄と不意打ちを強いられ苦労させられる。

 その瞬間移動が短距離ながらでも全ての黒フードが扱えていて、魔法や特性を使わなくとも一般人以上の力を持っている。


「どうした?息が上がっているぞ。

 この国の武力はこの程度か!」


 受け止めることができないほどに速さで刃が喉を目掛けて飛んできた。


 避けることもできない速さの刃が斬りかかろうとした時、青色のスカーフが目に映った。


 刃同士のぶつかり合う音と火花が目の前で迸る。

 

「・・・ガルディア!」


 数人の黒フードの間を駆け抜けてクゥアンセン監視官(ワーデン)を守った。


「監視官が死なれては困ります。

 俺は、最善を尽くします。」


 ガルディアはスカーフをなびかせ、その妙に強い黒フードの相手をした。

 攻めて、防いでを繰り返す内に、ガルディアは適応してきた。

 

 いくら攻めても劣らない速さと力、さらに甲冑を背負っていてもなおこの動き・・・

 一体何者だ?

 私を超える実力・・・


「お前は俺が全く息が切れていないと思っただろう。

 そりゃぁそうさ。

 俺は「不労」だ。」


 いくら全力で走ろうが、いくら全力で剣を振ろうが疲れない。

 鈍るのは相手のみ。


 相手の剣を弾き、怯んだ隙に一斬撃をお見舞いした。

 剣は地面に落ち、疲労により膝に手をつく黒フード。


「素顔を見られないなら、負け逃げるも惜しくない・・・

 ただ忘れるな、私達は一人ではない。

 次なる私達が襲う。」


 瞬間移動でどこかへ逃亡した。

 一息つきたいところだが、まだ戦は終わっていない。

 周りには数人がガルディアとクゥアンセン監視官を取り囲んでいた。


 

 一方、ラレラレット城ではオイカゼ旅人団が黒フード二人の相手をしていた。

 陛下と女王陛下はジャッジメント公爵に連れられ城の奥へと隠れ、ヨサヌス子爵とミンセン・ヴェル男爵は共に戦っていた。

 老いを背負いながらも特性を使い交戦する。

 ヨサヌス子爵は特性が「知恵(ウィズダム)」なので戦闘では不向きだが、魔法を使って応戦。

 ミンセン・ヴェル男爵は変身系、「書記官鳥(ヘビクイワシ)」。

 走行も飛行も可能とする鳥に変身し、繰り出す強烈な一振りのキックが当たれば無事ではすまない。

 そして華麗な羽ばたきで剣を躱す。


 五爵になるためにはただ偉いわけではなく、それなりの実力も備えている必要がある。

 国を守るための力が五爵になる一つの条件だ。

 

 リテルはバレットタイムを使って自慢の剣捌きで二枚刃黒フードを退治。

 残るは長い剣を持った黒フード。

 簡単には対処できない強い力と書記官鳥(ヘビクイワシ)の攻撃にも動じない体幹を持っている。

 

「五爵の一人の首はもらいたいところ。

 魔裂斬(まさき)。」


 ヨサヌス子爵の首が一瞬にして弾けた。


 み、見えなかった・・・

 

 この攻撃がリテルに向かっていたのなら、自分は死んでいたとわかった。


 バレットタイムを常時発動させていかないとこの黒フードにいつの間にか首チョンパされる。


「容易い子爵だった。

 欲張りは死を招く下手な行動。

 ここで首はもらっていく。」


 満足げに笑いながら子爵の首を持っていきなり姿を消した。

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