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第11話 魔法学校7

 奇襲のスチル・ランカを討伐し終えたのち、騒ぎを聞きつけたゲツメ先生が来た。

 急に巨大蜘蛛が襲ってきたところを倒した、と状況を説明した。

 ゲツメ先生はまず褒めてくれた。

 それから、ゲツメ先生によると先生達や他の生徒からは極獣の姿は一切確認できなかったということだった。

 

 生死の賢者は透明化が可能とは言っていなかった。

 それにあれほどの爆音を特定の人物にだけ聞かせるという高度な技術持っている極獣は一体なんなのか。

 「人の手で改良された極獣」みたいな感じだった。

 スチル・ランカと襲ってきた謎の生物は本当に別物なのかもしれない。


「ところで死体はどこだ?

 辺りには何もないぞ。」


 倒したと同時に塵となり当然死体はない。

 あったのは爆音で揺れた木の葉だけだった。


 死体がなければ生態を知ることもできないし、対策のしようもない。

 それに今までに発見されていなかった未発見極獣は多くはない。

 もしかするとこの極獣は進化した極獣か、それとも新種の極獣か。

 極獣の生態は謎だらけだ。

 そして今年の旅人体験学習が終わりを迎えた。


 学校に帰ると、極獣の話を先生達が政府に報告をしていたらしく、政府勅使の研究者が数名来た。

 平均年齢は高めの研究者達だった。


 新種の極獣が現れるたびに目撃者に情報を収集する。

 それが極獣生物研究者の仕事だ。


「初めまして。

 政府極獣生物研究施設(獣研)のポイント研究者 ディープロス=ネオン と申します。」


 政府極獣生物研究者ディープロス=ネオンはポイント研究者。

 ディープロス(ポイント)と呼ばれている。

 ポイント研究者は数少ないエリートの研究者だ。

 階級は上から数えて3番目。

 特に貴重な情報収集に足を運ぶことが多い。


 筆記係は上級研究者のミドリ=カリウム。


「新種の極獣の情報収集を政府に命じられあなたたちに会いに来ました。

 今回の極獣の特徴からスチル・ランカに似ているとのことですので、ランカ科の極獣でしょう。

 その極獣の生物データの回収は非常に困難で詳細はなしですね。」

 

 一定数の事件の報告や、目撃者の証拠、その生物の生体のデータがあればそれを極獣とみなされる。

 今回は初めての報告でなおかつ、生態のデータがないので正式な極獣の決定はなく、「推定極獣」として研究者に決められた。

 推定極獣とは情報があまりなく決定的な証拠もない、つまり噂ほどの極獣のことを指す。

 生体の確認が正式にあるが、情報が少ない極獣を「候補極獣」というなど数段階で分けられている。

 ここでいう情報はその極獣の能力、性質、特徴、体内構造などのこと。

 

 ディープロス(ポイント)と情報交換をしていると・・・

 

「うわー!」


 薬品を撒いて転んでいる研究者がいた。


「アメハ。

 またお前なのか。

 何回ドジをすれば気が済む?

 今月で4回は薬品入りのフラスコを割り、機械も壊す、何をしに獣研に来た?

 下級研究員はいつでも解雇ができる。

 そろそろ覚悟を持っておけ。」


 アメハ=オガネソン。

 最近、研究者になった下級研究者。

 ドジすることが多く、未熟。

 本人は全力で取り掛かっているが、空回りして不運を招くことがある。


 アメハはせっせと薬品を片付け、俺達とディープロス(ポイント)は話を終えた。

 ディープロス(ポイント)達を見送り、一段落が済んだ。


 グラフ先生によると今までの旅人体験学習で一番印象に残る旅人体験学習だったのだと。


 旅人体験学習、訪問を終え緩やかな日常か帰ってくると思ったがまだだった。

 ギポーの存在だ。

 旅人体験学習中に何もされていないといいが。

 そんな理想はなかった。

 クラスに戻った時にカイと一緒に聞いてみるとゼヴァ含めゼヴァの班だった魔人がギポーの被害に遭っていた。


 サイダン・ヴェル=マータ。

 フラベレ・ヴェル=バランジェル。

 ダラ・ヴェル=ダラーシュタイン。

 

 この3人だ。

 魔人同士で班を組んでいたらしくそれ故にターゲットにされてしまったらしい。

 スチル・ランカと戦っていた日と同じ日に4人に襲われていたが、スチル・ランカには気づかなかっただとか。

 それはともかく、フラベレという女の魔人は襲われた時、手も足も出ず攻撃されたことに怒りを持っていた。


「落ち着いてよ。

 変に厄介になったら逆効果だよ・・・」


 ダラが優しく宥めるが効果はなかった。

 フラベレはギポー達の集団の所に行ってしまった。


 ギポー達はフラベレが近くにいたことに気がついた。

 そしてフラベレは言い放った。


「私、あなたが嫌いなんだけど。」


 ギポーはフラベレの言葉に一切動揺した様子はなかった。

 フラベレの対処も冷静で冷酷な言葉だった。

 しかし、フラベレはめげずに反抗する。

 そこで提案をした。

 

「決着をつけたい。放課後に。」

 

 その提案にギポーは乗った。


「魔人が人間の下にいる意味を教えてあげるわ。」


 そこで話は終え、俺達の方戻ってきた。

 ダラが心配するが、フラベレにはそんな心配は要らなかった。


「私、アバンギャルド。

 革命家だから。」

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