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目覚めの朝そして日課

「朝……?眩しい……」

私は体をゆっくりと起こす

私の体にかけてあった薄手の毛布が体から滑り落ちる

「んぅ……シャワー……」

ギシッとベットが軋む

充電をした携帯を握りながら眠そうな目を擦る

ペタペタとフローリング貼りの部屋から浴室に向かう

部屋にはあちらこちらに紙が散らばっており邪魔そうに足の裏についた紙をダルそうにそこら辺に投げる

「ふぅ……」

少し冷たい水を全身に浴びる

徐々に目が覚めてくる

(やっぱり水は最高……穢れた私を洗い流してくれそうで……)

シャワーを終え脱衣所で全身を軽く拭くとバスタオルを巻いてドライヤーで髪を乾かす

(流石に髪切ろうかな〜……でも美容室とか苦手なんだよね……)

そう思いながら鏡に映る自分を見てため息をつく

私は私が大嫌いだ

男によく間違えられるが私は女だ

鏡に映る私は背が高く声は少し低い

体格は細身ながらも程よく筋肉がついていると思う

少し眠そうな鋭い目つきに細い顔立ちダウナー系とでも言うのだろうか?

(それに胸も……)

大きな人は足元が見えないほどらしいが私は多少ある程度だが一応日本人の平均らしいけど……

やっぱり大きいのには憧れる

とりあえずドライヤーを終えそのままキッチンに向かう

郊外にある一軒家で家の周りには塀もあるため全裸でも問題はないと思うけど

(流石に裸族になる勇気まではでないなぁ……)

そう心のなかで苦笑しながらとりあえず朝食を作る前に携帯から愛しの天使の曲を流す

「やっぱり朝聞く私の天使達の曲は最高……!」

朝は軽くトーストと目玉焼き、ベーコンにすることを決め料理を始める

パチパチと油が弾ける音を聞きながら焼き加減を調整する

ちょうど一曲目が終わるタイミングでトーストが焼き上がりその上に目玉焼きやベーコンを乗せテーブルに並べる

(別にテーブルとか必要ないんだけど……)

家には一人しかいないし友人が遊びに来ることも無いため少し広いテーブルは必要ないがデザインが良かったので買ってしまった

「いただきます」

誰に言うわけでも無く呟き食事を始める

日本人の(さが)なんだろう

4曲目が終わる頃に食べ終え食器を流しに入れて自室に戻ると着替えを始める

自室のタンスから下着と短パン、大きめの上着を着て大きく伸びをする

今日は外出の予定はなく私の天使達を見守ることができる

そう考えていると

急に音が止まり携帯が鳴りだした

少し不快な気持ちになりながら携帯に出ると少しうるさい声がした

「なんだ起きてんのかよ〜つまんねぇ〜!」

「朝っぱらからからなんの要件?K」

電話をかけてきたのはKという情報屋だった

Kはインターネットで様々な人の情報を扱い金さえ払えば何でも売ってくれるらしい

「そりゃ生存確認♪大事な顧客様だからさぁ〜」

「そう……ならもう切るよ」

「待て待て!話はそれだけじゃねぇよ!」

「じゃあさっさと話してくれる?」

本当にお調子者で困る奴だ

しかし彼が持っている情報は信用にたりるため私もよく利用している

「お前の好きそうなグループ発掘したからよぉ〜つたえてやんなきゃなってな〜!ゴースト少女って言うやつなんだけど」

「それならもう天使入りしてる」

「なんだ知ってんのかよ〜…………それにしてもお前本当に女のグループ推してるよなぁ」

「ちゃんと男も居るけど確かに女性が多いかな」

「まぁ良いやあと頼まれた件何個か終わったから後で確認してくれや」

「いつも仕事ありがとうね」

「こっちも貰ってるもん貰ってっからな〜」

「それじゃあ」

そう言って携帯を切った

少し予定とはズレたけどとりあえず自室の隣にある趣味部屋に入る

そこには十数台のスマホにパソコン

そして壁には数々のグループや歌い手の写真やポスターが飾られていた

「あぁ……愛しき天使よ……今日も皆美しい……」

そう呟きパソコンの一つを開く

そこにはKに依頼していた人物の情報が数件ファイリングされていた

「う〜ん……やっぱり小物ばっかりだなぁ〜……」

Kに依頼していたのは私の推す天使達を誹謗中傷するゴミ共の個人情報だった

カチカチとクリックするも全て小物でため息をついた

「まぁ……そうだよね〜……あの程度じゃ……」

この国は誹謗中傷を取り締まる法案がやっと出来たばかりだがその重要性などは理解していないらしい

(まぁそうよね……人間自体がゴミなんだから……)

証拠の揉み消しは当たり前なこの社会

顔を出せずに威張るネット弁慶やキチガイが蔓延り政治さえ腐って居る

(それでも国は嫌いになれないんだけど……)

この国には私が崇める天使達が存在するのだ嫌いになれるわけがない

ただ彼女達を傷つけるゴミ共が裁かれずこの世をのうのうと生きていることが憎い

(本当……このゴミどもが……!)

ドン!と机に拳を叩きつける

だから私がお掃除をしているのだ

それが自己満足だとしても

「まぁ……自室の掃除は苦手なんだけどね〜……」

この趣味部屋には天使達の写真やポスター、CDがズラリと並べられてるが整理されてるのはそれだけで実際ゴミの情報や暴言の数々をまとめた紙は適当にほっぽっている

本当はファイリングとかそういうことをしたほうが良いのだが

()()()()()

その一点に限る

実際お掃除をしているとか言ってもただの自己満足にしか過ぎない

(それでも……)

彼女達の心労や傷を少しでも少なく出来ているならそれでいい

ゴミ共のようになるのは私だけで十分だからだ

「それにしてもまだ過激なのは居ないわね〜……」

誹謗中傷を見つけても私は反論することはない

彼らと同レベルになる気もないしそれを見て天使が悲しむのが1番嫌だからだ

(あとは……)

カタカタと何台かのパソコンを使い別の画面を開く

(まとめサイトもあるからねぇ……)

サイトにもそういうアンチは湧きやすい

ただ1人だけでは手が回らないためある程度集まったらKに投げつけまとめた情報を貰っている

(過激な子は……居ない〜……ん?)

そしてあるサイトのコメントを見つけた

一見普通のアンチコメントに見えるが……

(これってもしかして……)

次の獲物を見つけた

そう思った私の心に怒りとは別に喜びの感情が湧き上がっていた

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