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魔法を覚えよう!

生産ギルドから出たリンは早速サキさんのお店へ。


「こんにちは!」


そう言いながら店内へ。


「いらっしゃい、今度は何かしら?」


そう言いながら笑顔で出迎えてくれるサキさん。


「生活魔法のスクロールを買いに来ました!!」


サキさんがちょっとびっくり。


「生活魔法のスクロールって…在庫はあるけど、一体何に使うのかしら?」


「この世界を回ってみようって思ってて…そしたら、あると移動が便利になる生活魔法は必要かな〜って」


「じゃあ初級魔法もついでに買っていったらどう?革装備まで作っているならお金はあるわよね」


「いえ、別に敵倒したいわけじゃないので大丈夫です、お気遣いありがとうございます」


これに対してはびっくりって言うよりは不思議そうな目で見られた。


「そうなのね…ま、事情はわかったわ。はい、これが生活魔法のスクロールね」


サキさんはカウンターの後ろの棚からひとつ取り出した。紫色のスクロールだ。


「スクロールの色はギルドのランクの色とだいたい同じね。で、1番下の紫が生活魔法、はい400ゴールドね」


「お願いします」


そう言ってスクロールと400ゴールドの交換をする。


今更だが、売買の仕組みとしては、物とゴールド、物と物を同時に交換する。アイテムボックスから1度も出さずに交換することも出来るが、店内に並べておくことも出来る。


そうするとその物は盗めることになるのだが、そんなことをするプレイヤーはほとんど居ない。盗みがバレると赤色のネームになり犯罪者プレイヤーとなる。だからほとんど盗みを働く人はいない。


犯罪者プレイヤーがいないわけじゃないけど、ほとんどが他のプレイヤーをキルしてなるし、そしたら街には入れないもんね。


そんなことを考えていると、咲さんが声をかけてくる。


「ところで、そのスクロールどうやって使うか分かってる?」


「えーと開けば使えるようになる…あれ?使えないぞ?」


リンは正しい向きで開いたはずなのだが、なぜが使えない。


「それじゃあ魔力感知スキルは持っているかしら?」


「なんですかそれ?」


「それじゃあ使えないわね。どうしようかしら。私も出来ないわけじゃないと思うけど…初めてだし…」


魔法は魔力感知スキルと魔力操作スキルがないと使えない。魔力操作スキルは、魔法が使える人と両手を繋いで魔法が使える人が相手の魔力を操作し、相手側が体内にある魔力の流れを感知すると取得でき、魔力操作スキルはその魔力をある程度操作できるようになると取得できる。


サキさんは魔法は使えるそうなのだが、他人の魔力を操作したことはないらしく、少し困っている様子だった。


「失敗したらどうなるんですか?」


「別にどうにもならないって聞いたけど…」


「じゃあお願いします!」


「ほんとに私なんかでいいのかしら。もっと魔法使うのが上手い人にやってもらったほうがいいんじゃ…」


「サキさんがいいんです!」


「そうなの…それじゃあちょっと待っててね」


そう言ってサキさんはカウンターから出てくる。さっき様子がちょっとおかしな気がしたのは気のせいだろう。


「それじゃあ始めるわね」


そういうと、手を握られる。そのままサキさんは目を瞑った。つられて自分も目を瞑る。


なんか変な感じがする。おへそらへんがあったかい気がする……?


そんな感じで何分か経つと、急に魔力がわかるようになってきた。なんていうか…心臓の下にもう一つの心臓があって、そこから暖かな魔力が全身に巡っているって、そんな感じだ。


魔力感知スキルを取得しました。


いきなり視界の端に出てきたのが Lvの表示ではなく若干びっくりしつつもサキさんにお目当てのスキルを取得できたことを伝える。


「やったわね。それじゃあその暖かいのを全身に回すイメージをするの。そうすればまた魔力操作スキルが手に入るわ」


これはちょっと難しかった。一部分じゃなくて全部に気を配らないとどこかが止まっちゃう。


そんなこんなで10分ぐらいかかったかな?そのくらいクルクル回していたら魔力操作スキルを取得できた。これで魔法が使えるようになった?


「そしたらさっき買ったスクロールを開いて。今度こそ魔法が使えるようになるわ」


期待を胸にスクロールをアイテムボックスから取り出し、いざオープン。


生活魔法スキルを取得しました。


やったあ。思わず飛び上がりそうだった。


「ふふ、嬉しそうね」


サキさんが笑みを浮かべながらそう言ってくる。はっそうだった今は一人じゃないんだった。恥ずかしいことしちゃった。そう思い顔が赤くなるリン。少し顔を下に向ける。


「喜んでもらえて何よりだわ」


「魔力感知や魔力操作まで教えてくれてありがとうございました」


「いいのよ、せっかく買ったスクロールが使えないのは残念だものね」


「はい!」


嬉しそうに返事を返すリン。


「それじゃあまた何かあったらぜひここにきてちょうだい」


「そうさせていただきます」


そう言ってお店から出る。魔法が使えるようになったリンのテンションは過去1高く、すぐに魔法を使いたかった。


でも流石に生活魔法といえども魔法は魔法、街中で使っちゃダメだよね。よーし早速外に出て使ってみよう。


嬉しさのあまり思わずスキップをしてしまい、通りすがりのプレイヤーの注目を集めたのはまた別のお話。







リンは裁縫師の習得可能魔法スキルのところに生活魔法スキルがあったなっていうことと、魔法がスクロールで取得できるのは知っていましたが、具体的にどうやったら取得できるか調べる前に買いに来てしまいました。おっちょこちょいだね。

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