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革にチャレンジ!

それから何時間か経過した。1度再申請を挟み、なんとか5回草織布を作ることに成功したリンは、1回へと降りていく。


最初は大変だと思っていた縫い物も、最後の方には慣れてきて楽しかったなぁと思いつつ、生産職を選んでよかったなぁなんて考えていた。


降りたら右に見えるクエスト用紙の中から[草織布を作ろう!]を持ってカウンターへ。


納品してはクエスト用紙を取ってを繰り返し、ようやく全部終わった。ちなみにまだギルドランクは紫。


いつになったら上がるんだろうか。そんなことを考えながら、フレンドリストからチャットを開く…何も来ていない。ゼンさんからレザーセットを売っている商人さんが帰ってきたら連絡が入るはずだったのだが…まだ帰ってきていないようだ。




とここでそろそろお昼だったことを思い出す。ゼンさんに少し抜けますとだけ入れてログアウト…の前に。


ステータスオープン


プレイヤーネーム リン Lv10(ポイントあまり40)

職業 裁縫師 所持金 1150ゴールド


HP 100

MP 30


STR 20(+1)

VIT 0 (+10)

INT 0

DEX 50

AIG 30


装備

頭 なし

胴 ただの作業着

右手 ただの針

左手 なし

足 ただのズボン

靴 ただの靴

装飾品一覧

なし


スキル一覧

編み物Lv4、縫い物Lv1、革細工Lv1


残ったポイントのうち30ポイントはDEXに、10ポイントはAIGに振った。


リンはちょっと集中すると他のことを忘れてしまうクセがあった。


これからはLvupごとに振らないとねと思いつつ、ログアウト。


家族みんなでお昼ご飯を食べる。鈴木家はお父さん、お母さん、花梨、弟の4人家族。感染症のせいで両親はリモートワークなのでご飯作らなくていいのは楽ちんだ。お昼ご飯のパスタを家族みんなで食べる。今日もお母さんの作ってくれる料理は美味しい。


たわいもないことを話しながら食事を終え、再び自分の部屋にもとってゲーム。今日はあんまり長時間やる気じゃなかったんだけど、約束があるのでゲームの中へ。


ゲームに戻ってすぐフレンドチャット、を確認すると、ゼンさんから連絡が。


これは急がないとと思いつつ、ギルドを出て教えてもらったお店へ。ちょっと込み入ったところにあったけど、ギルドから近かったのですぐに見つかった。


結構大きいお店で、ゼンさんのよりも一回り大きいくらいだった。ゼンさんはお店を買った訳ではなく借りているだけなそうだが、こんなお店も借りれるのか。っとびっくりしながら中に入る。


「いらっしゃいませ」


透き通った高い声が店内に響き渡る。


広い店内の中には素材、装備、ポーション、装飾品、家具などの幅広いアイテムが置かれている。家具も置かれているのは、客としてNPCがやってくることがあるからだ。


そんな店内を横目にカウンターへ。30代くらいのお姉さんが立っている。名前は…サキさんっていうのか。


「こんにちは!」


「リンちゃんね。ゼンから話は聞いているわ。レザーセットが欲しいのだったわね…はい、1000ゴールドよ」


「ありがとうございます」


そう言いながらレザーセットと1000ゴールドを交換する。もう後150ゴールドしか残っていない。ここから頑張って稼がないと。


そう思っていると、サキさんが声をかけてきた。


「珍しいわね、最初の街でレザーセット欲しがるなんて。」


そもそもレザーセットはこの街の初心者プレイヤーが使うことは考えられていない。Lv20まであげるとしても小さな革装備だけ作ってれば十分Lvが上がるからだ。


「この街を見て回ろうって考えてて、そうするとLvが結構上がるかなって思って」


リンは正直に答える。リンは、ゲームにハマってきてもいたが、同時に綺麗な景色を見たり美味しい食べ物を食べたりしたいと考えていた。


そのため、それなりにこの街にいようと思っていたのだ。そのためには、お金が必要で、そうするとLvが20より上がるのではないかと思ったのだ。そしたら、効率よくレベル上げができるレザーセットを買った方がいいと思ったからだった。


「じゃあ結構長い時間この街にいるのね。」


「そうですね、学校の宿題もありますし1週間位はこの街にいようと考えてます。」


「そうなのね。それじゃあフレンド登録をしないかしら。この街にいる間は助けてあげられるわよ」


そういうのと同時にフレンド申請が飛んでくる


「よろしくお願いします!!」


そう言って承認ボタンを押す。このゲームで初めての女性フレンドでさっきほどではないがテンションが高いリン。


店先に並んだものを見るが特に攻略サイトに載ってなかったものもなく、そのまま帰ってきて、もう一度作業場の許可を取る。


今度は3階の隅に案内された。そこでレザーセットに入っていた2本目の針を取り出し、メニューとにらめっこしながら針に糸を通していく。…あれ?最初に穴を開けなくちゃいけないっぽい?


えーと菱目打ちを木槌で叩いて縫い穴を開ける…菱目打ちって何?えーとなんかちっちゃいフォークとでっかいフォークを使って刺していく…前によくわかんない隙間が空いてるやつで折り目付けなきゃ。


っとその前に型を革に移さなくちゃいけないんだった…


そう思い出しおまけで貰った型を使って型を取り、革包丁で切っていく。ヘリを落としてヘラでなじませて。えーとトコノール?ってのを使えばいいんだったよね?そしたら、印つけないと。


と、うさぎの革を目の前に穴が空いているやつ(ステッチンググルーバー)を持ってから気がつく。


敵モブ(うさぎ)の革使っちゃってるじゃん!!


結構大事な事だったが、計画を立てたりしても大事なところでよく抜けているところがあるリンにとってはある意味いつもの事だった。


5分くらい考え…た結果、自分で敵を倒さなければいっかなっと言う軽いノリに決まった。動物の素材加工できないのはどうしてもつまんなくなりそうだったから使ってもいっかなって言うことにした。何よりこんなに準備してできないのは悲しかったからだ。


そう言ってステッチンググルーバーでガイドをつけつつ直線では4つ目、丸いところでは2つ目を使いつつ木槌で穴を開けていく…コツは垂直に真っ直ぐ真っ直ぐ…あれ?これ1周しなくない?


穴をあけて行った結果始点と終点がどうしても一致しない。


「うーん困った」


そう小さく呟くと、目の前の革とにらめっこする…したところで解決策が思い浮かぶ訳もなく。困っていたところ、見かねた隣のプレイヤーがコツを教えてくれた。


「革を引っ張ったって調節するんだ。目に見えないけど、少しづつ隙間がちょうどいい大きさになって行くよ」


言われた通りにやってみる。いや革を引っ張ったところで伸びるわけが…


「っっ、ピッタリ」


なんとかさっきまで全然合わなかった穴の位置が、きちんと合っているじゃあないか。


「ありがとうございます」


「いいよいいよ」


そう言いながらほかの道具の使い方も軽く教えてくれた。


例えば、大きな製品を作る時はステッチンググルーバーよりもネジ捻りを使った方がいいだとか、小物を作る時はきりで穴を空けた方が時間はかかるが綺麗なあなができるだとか。


言われたアドバイスを元に、頑張って糸を通す。


まずは蝋引きをしてから表となる面から糸を通し、最初と最後は折り返し縫いをすることに気をつけつつ平縫い。


最後まで行ったらまた折り返して、マッチで糸端燃やして?あ、これは結び目を消すためにやるのね。で、革包丁でみみを揃える。で、最後にコバを磨くためにまたでてきたトコノールってやつを塗布しスリッカーで磨いて完成!!


初めての革製品の革のバック。リアルでこんなの絶対に作れないだろうしって考えると達成感がすごい!


いやーやっぱり生産職にしてよかった〜


そう思いながら、リンは階段を下った。




革製品って作るの大変なんですね。(無駄に結構リアルより。)


なんか変なとこあったら教えてください。

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