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初Lvアップ

今更ですが

革→現実での動物にあたるモブ

皮→現実での植物にあたるモブ、アイテム

蔓を編むこと20分、ようやくカゴが完成した。何度か危ない場面もあったけど、なんとかものにすることが出来た。出来たカゴを手に取ってまじまじと眺めていると、 カゴ(ランクE)の表示が。


このゲーム、きちんと独立した状態で手に取らないと物がなんなのか鑑定することが出来ない。なので薬草が地面に生えていても、引っこ抜いて手に取るまで分からない人は分からない仕組みになっている。


しかも自分で作ったものじゃないとランクが分からない。最初の頃はこれで結構ゴタゴタしたらしいけど、鑑定スキルで解決することがわかったので第1陣のプレイヤーはほとんどが鑑定スキルを持っているそうだ。


しかし、別に鑑定スキルなんか持ってなくてもアイテム名は見ることが出来る。っていうかゲーム的にはこれは鑑定じゃないらしい。


商人ギルドに入ると取得でき、手に取らなくてもアイテム名が分かるのが鑑定スキルで、鑑定スキルのLvをあげていくと触らなくてもランクや原材料、装備効果や何で装備を強化すれば良いかわかるようになる。


でも、商人ギルドに入ると年会費とか初期費用とかお金を取られるらしく、今すぐにって言う訳にも行かないのがめんどくさいなぁ。


こっちが本物の 鑑定 で、今使っているのはちょっとしたおまけみたいなものだ。


でも、これが役に立っていることは間違いない。

そんなことを思いながら初めての作品をまじまじと見ていると、Lvアップ音が。


リン はLv2に上がった!


というのが、視界の端に出てくる。

早速ステータスオープン。


プレイヤーネーム リン Lv2 (ポイントあまり5)

職業 裁縫師 所持金 3700ゴールド


HP 100

MP 30


STR 20(+1)

VIT 0 (+10)

INT 0

DEX 50

AIG 30


装備

頭 なし

胴 ただの作業着

右手 なし

左手 なし

足 ただのズボン

靴 ただの靴


装飾品一覧

なし


スキル一覧

編み物Lv2


今はナイフも針もアイテムボックスの中なので右手がなしになっている。

あ、アイテムの ただの シリーズを見て思い出したことがある。


ただの って書かれているシリーズは作業着が防御力+5、ズボンが+3、靴が+2なんだけど、これ鑑定スキル持ちが鑑定してもランクが出ないらしい。けど防御力は存在している。


一方、ただの草を編んで草織布を作ると…何にもならない。アイテムとして認識されないのだ。だからそこら辺に生えてる草をなんでも利用すればいいってわけじゃないっていうのを知ったんだけど…


考えれば考えるほど謎な仕様だ。変なの。


っと今はそれより、Lvが上がったことで得られたポイントの振り分けだね。私はDEXに5ポイント振って…よし、確定!


後はこれを下に持って行ってクエスト用紙と一緒に提出するだけ。嬉しさを胸にピョンピョンと階段がを駆け下りていく。すぐに1階に。


「すみません、これ、お願いします!」


そう言ってカゴとクエスト用紙をカウンターへ。


受付嬢さんが手に取り…ちょっとの間が。そして直ぐに魔法陣が現れる。鑑定スキルを使ったみたいだ。


「はい、これで問題ありません。クエスト報酬の200ゴールドです。ギルドカードを頂けますか?」


「はい!」


「ありがとうございます」


そういうと直ぐにカードとゴールドが帰ってくる。これで初クエスト達成!早速次のクエストを受けなきゃ!


カゴクエストを受けると直ぐに大通りに出て、蔓が売っているお店を探す。ゲームの中だとだいたいよる7時ぐらい?で暗くなってきたが、まだまだ街には活気が溢れているようだ。


ギルドには道具はそれこそ全ての生産職の道具が揃っている(この街で入手可能なものは)のだが、素材は売っていない。っということで、蔓を売っているお店を探さないと。


えーと[メニュー]


そう呟くとリンの目の前にはステータス画面とはまた違ったパネルが。ここには、ログアウト、フレンドリストとオンライン状況、フレンドチャット、街の大雑把な地図(フィールドは適応外)、それと掲示板と攻略サイトにアクセス出来るなど、色んな機能がある。


攻略サイトを見ながらどこで売っているか確認してゆく。今は生産ギルド前だから…左に何件か進んだところにあるお店に…


いや、第1陣の裁縫師プレイヤーに会おう!

そう思ったリンは第1陣のプレイヤーがやっているお店を探していく。裁縫師はLv1で編み物Lv1、Lv5で縫い物Lv1、Lv10で革細工Lv1が解禁されるのだが、Lv15で革装備Lv1が開放されるのだ。


でも大きな革装備(盾とかジャケット、作業着など)を作るには初心者レザーセットだけでは足りない。第2の街のギルドからしか売っていないのだ。


でもLv15の時に第2の街へ移動すると、材料の値段が上がるので利益が出にくい。そこで通常は革製品をLv19になるまで作ってから移動する。(あんまり問題ではない。革の手袋や靴が、結構な職業で装備可能+革バックでSTRを補えるためそれなりの需要があるから。)


でも、通常のレザーセットを買うことが出来れば、もっと効率よくLv上げできるはず!


そう思ったリンは、レザー装備が売っているお店を探す。なかなか見つからなかったが、少し外れたところに売っていることを見つけ、早速その中へ。


「いらっしゃい」


低いが優しい声と共に男の店主さんが出迎えてくれた。プレイヤーネームは…ゼンさん。


このゲームはプレイヤーネームを出すかどうか好きに決めることが出来る。隠すことが出来るのは対人トラブルを考えてのことだそうだ。しかし、犯罪者プレイヤーはネームが赤くなる上隠すことが出来なくなるそうだ。


ま、そもそも犯罪者プレイヤーは街に入れないはずだからフィールドに出ないと関係ないけどね。


デフォルトは表示したままで、私も表示しっぱなし。でも屋台のおじさんは隠してた。なんだかんだで表示している人半分、してない人半分ぐらいになったのだそうだ。


「何しに来たんだいお嬢ちゃん」


歳は40くらい?顔はいじれるからリアルがどうかわかんないけど高身長、イケボだしリアルではイケおじなんだろうなぁとか考えながら服に目を移す。渋みがある服…素材に革も混ざってるのかな?


結構Lv高くないとできないって書いてあった。それに店内には色とりどりの服、盾、革装備などが並んでいる。これ全部おじさんが作ったのかなぁなんで思いながらこう返す。


「蔓と丈夫な草、それにうさぎの革を買いに来ました!」


「どのくらい必要なんだい?」


「えーと…蔓が120本、草が120本、後革は30個ぐらい欲しいです!」


「じゃあ全部で600の、1200の、1500で、3300ゴールドだな。」


NPCが売っているのと同じ値段だ。ゴールドとアイテムを交換しながら続ける。


「あ、それとレザーセットって売ってますか?」


「ここにはないねぇ…初心者レザーセットならギルドに売っているから見に行ってご覧?」


「いえ、普通のレザーセットです。」


そういった途端ゼンさんの顔つきが変わった。


「なるほど…俺は俺の分しか持ってないけど、知り合いの商人なら他多分持ってるな、この街にいるだろうし…っと今ちょうどお昼時でいないか(リアルが)。帰ってきたら言っておこう」


「ありがとうございます」


「じゃああいつの店を教えておいた方がいいな。ゼンに言われてきたっていえば話は早いだろう。」


「分かりました」


そう言われてお店の位置を教えてもらう。結構生産ギルドから近いようだ。


「それと、フレンドになってくれませんか?」


第1陣の、Lvの高い先輩プレイヤーとフレンドになっておくということは、アドバイスや情報源としていいと思ったからだった。


というのが建前で。リンはあんまりゲームが得意ではなかったが、ゲーム内のフレンドは少しはいた。が、全員が結衣のようなリアルでの知り合いであり、知らない人とフレンドになることは今までなかったのだ。


そういった意味で表には出さなかったが、このゲーム初めて、そして初めて知らない人とフレンドになるということで、ドキドキとワクワクでリンの心の中はいっぱいだった。



「おう、いいぞ」


そう言って相手からフレンド申請が飛んでくる。承認っと。このゲームで初めてのフレンドができた。やったぁ…と今はそれどころじゃない。


「今日はありがとうございました。また今度よろしくお願いします」


何事も無かったかのようにそう返す。


「また今度な」


そう言われて店から出ると、ちょっと行ってから見えないところでガッツポーズ。今は結構テンションが高いリンであった。


それから少し落ち着くまでゆっくり大通りのアイテムや装備を見つつ生産ギルドへ。5階に上がってまずはカゴを作っていく。ここでカゴ沢山作ってからクエスト受ければ良いことに気が付き、まずはカゴを沢山作ることに。


6個作ったカゴのうち2個は失敗しちゃったけど、なんとか裁縫師Lv5になった。一旦1階へおりてクエストを受けては納品、受けては納品を繰り返す。


このゲーム、クエストの複数受注ができないので、こういうところがめんどくさい。まあ、複数受注できるといいクエストを個人が大量に独占できちゃうからそれはダメって思っての措置なんだろうけど。


それが終わったら、200ゴールドで編み棒を買って、また作業場へ。今度は草織布を作っていく。これは時間がかかって、1個作るのに1時間くらい?かかっちゃった。これをあと5回か…


さっきの高いテンションとは打って変わって先は長いなぁと思い沈み気味のテンションの中、頑張ろうと思ったリンであった。



リンが商店ではなく裁縫師のお店に行ったのはこのゲーム先輩とフレンドになりたいっていうのが大きかったからで、素材売ってなくてもまた違うとこに行けばいっかなくらいの軽いノリでした。たまたま在庫が結構あったのでゼンさんは素材を売っていただけでした。運が良かったね。


実はこの ただの シリーズ、とある理由からリンが愛用するようになるのですが…それはまた後のお話。

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