6話 夜の戦闘
あの後私は冒険者組合に戻ると、二人は既に私を待っていた。私は先程のことを二人に説明すると、二人は私のことを褒めてくれた。
そして、私達は近くの宿に泊まり、明日からの計画を立てた。
宿屋は、結構綺麗だった。というよりかはこの街自体がかなり掃除が行き届いているようだった。こういう場所はむしろ汚いのではないかと思っていたから意外だ。
ちなみに会議はすらすらと進み、一番危険の少ない近くの平原に行くことになった。
そして今、私はどうも眠ることができず、一人でベットの上に座っていた。枕が変わったからだろうか。
私はこういう時、大抵そのまま寝ることができないまま夜を過ごす。寝れなくても目を瞑った方がいいとニコラスは言うが、私はそれをしても寝れない日がある。それが今日だ。
私は夜が怖い。いや、一日が終わるのが怖い。なんだか、時間が消えていく感じがするからだ。
だから私は眠れない夜には星を見る。星を見ていると、気分が落ち着くからだ。
そうして私が星を見ていると、宿の向こうが騒がしくなってきた。
私が何かなと思い外を覗くと、何人かが魔法で一人の人間を襲っていた。私はそれを見た瞬間、慌てて二人を起こす。
そして、手話で魔法「ライト」を使い部屋を明るくすると、手話でニコラスに状況を伝え、アランのためにニコラスに手話を翻訳させる。
『なるほど。助けに行きますか』
〈二人とも手動かしてなにやってるの?〉
〈手話という言語です。今は気にしなくていいですよ〉
私達は急いで宿を飛び出すと、集団を追いかける。私はあることに気づき、紙にペンを走らせる。
――もしかしてあれ、私が昼助けた子かも
〈また襲われているとは、なにか事情があるのでしょうか?〉
〈んー、それよりかは昼の奴が報復に来たんじゃないのかな〉
――アラン、当たりだね。集団の中に昼見かけた二人組がいるよ
私はアランにそう伝えると先回りして、いち早く一人の少女に追いつき彼女の顔を見る。間違いない。ハルちゃんだ。
――なにがあったの?
〈え、カミラさん!? えーっと、私ちょっと特殊な力があるんです。それで力を使わせようと今追いかけられてる感じです〉
――特殊な力? どんなの?
〈時間を圧縮、伸張できるんです。それで急激に物体を加速させたり、遅くさせたりできます〉
――あー、それは狙われそうだねぇ。いかにも強そうだもん
私はそう感想を書くと、一つ疑問に思ったことがあったので聞いてみる。
――なんでそれ今使わないの?
〈あっ……〉
次回無双回です。