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34話 古代魔法

 〈なるほど、つまりカミラの魔力はアリスの五倍か! 凄いな!〉


 ――魔法との相性があるからその辺は一概に言えないと思う。年齢差を考えると私の方が上なのは納得だけどね


 〈私は時空操作とかの魔法は苦手ですからね。実際の魔力差は二倍ぐらいと思っていいでしょう〉


 私の意見ではもう少し差が小さい気もするが、わざわざ紙に書くことでもないので私はツッコまなかった。


 〈ほほう。ちなみにアリスが得意な魔法はなんなのだ?〉


 〈回復魔法と身体能力増強魔法辺りですかね。近接とサポート系特化ってタイプです〉


 〈なるほど、それならアリスが錬金術を使えないのも納得がいく。ありがとう、お陰さまで色々分かりそうだ〉


 〈そ、そうですか。あの、そろそろ返してもらっても……〉


 〈ああ、すまんすまん。ほら〉


 タンザはアリスに指輪を返すと、〈お詫びにいいものを見せてやろう〉と言った。


 そして、天井裏へと飛び上がったかと思うと、私とアリスを両腕で引っ張り上げてきた。どうやら拒否権はないらしい。


 〈ここが私の倉庫だ。見ろ、この宝の数々を!〉


 私達がそこで目にしたのは宝の数々……ではなく、ガラクタの山だった。


 ――ごめん、ガラクタにしか見えないんだけど……


 〈ふふふ、まあよく見てみたまえ。全部古代の魔法具だ。さすがに錬金術以上の物はないがな。良かったら何個かあげようか?〉


 〈え、実験に必要だったりしないんですか?〉


 〈もうこの辺の魔道具は研究しつくしたからな。少しぐらいならいいぞ〉

 

 〈ありがとうございます! ところでこの砂時計はなんですか?〉


 アリスは砂時計を手に持つと、タンザに見せて聞いた。


 〈ほほう、それに目をつけるとはお目が高い! それはだね、なにかにぶつけるとその周辺の時空が歪むようになっているんだ。名付けてバグロック!〉 


 〈ず、随分危なそうな装置ですね。こ、この吹き矢みたいなのはなんですか?〉


 〈それは爆発魔法を利用して鉄の玉を発射する装置だ。名付けてラボルバー! 昔の人の発想は面白いな!〉


 〈そ、そうですね。……それではこの二つをいただけないでしょうか?〉


 〈おお、いいぞ! こっちとしても集めすぎて置き場に困ってたからな!〉


 タンザはそう言って高笑いをすると、実験があるからと私達を屋根裏から追い出した。


 ――話のテンポが速くて全然ついていけなかったよ…… 


 タンザの早口はとても私の筆談が敵う相手じゃない。あれはもう無理だ。


 〈カミラお姉様はその辺はどうしても不自由になりがちですからね。すみません、勝手に装置選んでしまって〉


 ――いや、別にいいよ。私は基本的に武器なしの方が強いから


 〈ああ、確かにカミラお姉様はそうですよね。それで、これからどうしましょう?〉 


 ――とりあえず自由行動みたいだし適当に散歩でもしようか


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