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29話 家族の呪い

 あれから私達は、マルスに事情を説明した。マルスは酷く驚いた顔をしていたが、一言〈ありがとう〉と言ってラースを渡してくれた。


 〈ところで、この後はどうなるおつもりで?〉


 〈この辺のモンスターを狩った後、適当に美味しい物でも食べたら別の場所に行こうかなと〉


 〈それならまだここに泊まってかれるのはいかがですか? 宿屋も安くはないでしょうし〉


 〈いいのですか? それではお言葉に甘えさせていただきます〉


 マルスとアランはそんな会話を二人でしている。この二人が話しているの凄い絵になるな。


 ――そういえば、マルスさん。この家ってマルスさんとアリス以外に誰かいるんですか?


 〈はい、私の兄と姉がいます。ちなみにこの家は私達の親が私達宛に残してくれていた遺品なのです〉


 ――そうだったんですか。ところでそのお二人は今どこに?


 〈兄は今ここでフルーツを育ててます。ここ最近は忙しいそうで家には帰ってきてませんけど。それから姉なら今ここにいますよ〉

 

 〈え?〉


 ハルちゃんは間の抜けた声を出すと、キョロキョロと目を動かしている。私もそれに続いて目を凝らして探すが、見当たりそうにもない。


 〈ここよ〉


 すると突然、近くの棚が回転したかと思うと、中から一人の女性が出てきた。


 女性はニッコリと微笑むと、〈それではさようなら〉と言って棚を再び回転させて戻って行った。一体なんだったんだろう今の……。


 〈あれが私の姉です。いつもなんか実験してます。なんの実験かは教えてくれませんが……〉


 〈そ、そうなんですか〉


 アランも困惑しているらしく、苦笑いをしていた。はっきり言ってホラーでしかない。


 〈あ、カミラお姉様。ちょっと後で私の部屋に来てくださいませんか?〉 


 ――いいよ。でもなんで?


 〈色々用事があるので説明が難しいですね……強いていうなら相談がメインですかね〉


 ――分かった。今でもいいよ?


 〈あ、では今お願いいたします〉


 アリスはそう言って階段を登ると、二階にあるアリスの部屋へと私を案内した。


 ――それで、なんの話?


 〈……私達の父が亡くなったことはご存知ですか?〉 


 ――え、いつ亡くなったの?


 完全に初耳だ。正直、あまり好きではなかったがそれでも悲しい。

 

 〈ついこの間です。丁度私が家出した直後に亡くなったそうだとか〉


 アリスは深刻そうな顔をしながら私の方を見てくる。


 ――なんで?


 〈噂では暗殺者に殺されたんだとか。それで、問題はここからです。その後私達の母が何をしたか知っていますか?〉

 

 私は少し考えた後、時期的に考えられる答えを出す。父さんが亡くなったから恐らくあの人は私のとこへ来たのだろう。


 ――私のとこにやってきてお金をせびってきた


 〈え、そんなことまでしていたのですか!? 自分で追放しておいてなんと厚かましい……!〉


 ――その様子だと言いたいことは違うみたいだね。なにしてるの、あの人


 〈……強盗です。人を殺して衣類を剥ぎ取ったり金目の物を奪ってるんだとか〉

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