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26話 作戦会議

 私達は二人と再会すると、夕食を食べるためにワイズ家へと戻った。そして、私は二人に今までのことを説明した。


 〈なんというか……とんだ災難でしたね。ドンマイです〉


 ハルちゃんは同情したような目でこちらを見てくる。正直辛い。


 〈ところで、本当にその人が失踪事件の犯人ではないのですか?〉


 ――さあ、知らないよ。嘘ついてるかもしれないし


 〈なんとなく嘘はついてない気がするけどね。噂で貴族が複数殺されたって話は聞いたことあるから〉


 〈なるほど。では一応本当という前提で話を進めますか。下手に打ち切る方が悪手でしょうし〉


 ニコラスは紅茶を優雅に飲みながら落ち着いた様子でパンを食べる。


 ――それで、そっちの調査はどうだったの? なんか進展あった?


 〈いくつか気になる話を耳に挟みましたが、まだまだ分からないですね〉


 ――その気になる話ってなに?


 〈被害者の方々の交友関係です。完全にバラバラなんだとか〉


 ――なるほど。ならもしかしたら犯人? は人間じゃないかもね


 抵抗の跡のない現場のことを考えても、人の手なのかは正直怪しいところではある。


 〈その可能性があるってだけでまだ分かりませんよ。別に恨みだけが人に凶行に走らせる物ではないですから〉


 ――あ、そっか。他になにかある?


 〈後はですね……最近、ある一人の少年の様子がおかしいんだとか。聞いた話によると、時々夜のユグを放浪するそうです〉

 

 ニコラスがそう言うと、アリスが口を挾んできた。


 〈それ、私も聞いたことがあります。確かライムという少年だったと思います〉


 〈おお、ご存知でしたか。今日、本人に話を聞きたかったのですが、不在だったんですよね〉


 ――大丈夫、それ? 消えたりしてない?


 〈カミラさん、怖いこと言わないでください!〉


 横でハルちゃんが顔をブルブルさせながら私に怒る。かわいい。


 ――ごめんごめん。それで、今回の事件って犯行夜だけだっけ?


 〈いや、そんなことはないです。時間も場所も人物も全部バラバラで、法則性が見いだせません〉


 ――なら彼が犯人とは限らないわけだね。まあ、明日見つけられたら色々聞いてみてよ。なんか知ってるかもしれないし


 〈かしこまりました〉


 〈了解です!〉


 聞き込み調査組の二人はそう返事をする。


 〈さて、俺達はどうしようか。現場はまだあるし見る?〉


 〈提案なのですが、一度、前にこの神隠しの謎を解こうとした人の家に行ってはみませんか?〉


 ――謎を解こうとした人? 解こうとしてどうなったの?


 〈……消えましたよ。ミイラ取りがミイラになってしまったのです〉


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