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23話 調査開始!

 ハルちゃんは即答でマルスの依頼を断った。心底嫌なのだろう。顔が拒絶反応を起こしている。


 〈やっぱり駄目ですよね。申し訳ございません、変な話をしてしまって〉


 〈あー、俺で良ければやりますよ、神隠しの調査。報酬が弾むのなら〉


 アランは左手頭をかきながら右手で手を挙げる。こちらは最初から乗り気だったようだ。目が輝いている。


 ――私もやります。かわいい妹が消えたりしたら嫌なので


 〈なら僕も行かせていただきます。カミラお嬢様のお付きが私の仕事ですから〉


 〈本当にありがとうございます! 報酬は……そうですね、十万ラースでどうでしょう〉


 〈多すぎます! いくら危険が伴うとはいえ多くても一人五百ラースですよ〉


 アランは結構真面目らしい。せっかくなら黙ってもらってしまえばいいのに。


 そんな私の考えを見透かしてか、アランは私の方を見て苦笑していた。


 〈そ、そうですか。なら五百ラースにしておきます。すみません、相場が分からないものでして〉

 

 〈かなり危険な任務でようやく平均五百ラースですよ。十万なんか一日で稼げてたら皆冒険者になってますって〉


 アランがマルスにその辺のことを説明していると、いきなりハルちゃんが立ち上がった。


 〈……待ってください。皆が行くなら私も行きます!〉


 ――え、無理しなくていいんだよ?


 〈いえ、この際むしろ皆と一緒にいた方が安全かなと思ったので。もし犯人が人間なら一人になったとこを狙うでしょうし〉


 ――それは一理あるね。この世界フラグなるものが働く傾向にあるし


 理由がかなり消極的だが、協力してくれるのは非常にありがたい。嫌なのにやってくれるなら尚更だ。


 〈ありがとうございます! それから、よろしければこの家は自由に泊まってもらっていいですよ。ワトソン家程大きくはないですけど〉


 〈ワトソン家が無駄に大きすぎるだけですよ〉


 突然ダイニングの扉が開かれ、そこからアリスが出てきた。さっきまで姿を見ていないと思ったら、着替えていたらしい。服が変わっている。


 ――無駄にってとこに棘があるね……まあ同意見だけど


 〈同意見なんだ……〉


 その後、私達は雑談を色々したあと、夕方での調査へと向かった。時間が遅いからこそ分かることも多いだろう。


 それから私達は危険と効率を考え、二手に分かれることにした。


 一つ目が、私とアラン、それからアリスの三人。ちなみにアリスは手伝いたいと言ってついてきた。


 そしてもう片方がニコラスとハルちゃん。ハルちゃんの精神状態が若干不安だが、ニコラスがどうにかしてくれると信じよう。


 役割としては、私達三人が事件現場を直接調べ、ニコラスとハルちゃんが周りの人に聞き込むといった感じだ。


 だから私達は事件現場の一つであるユグ東側の森、アップル森に来ている。だが――


〈うん、見事になにもないね〉


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