今後の計画
あの後、私達は温泉から上がり、脱衣場へと向かっていた。
――なんでだろう。温泉入ったのに疲れちゃった
〈……カミラさんのその微妙そうな胸に聞いてみればいかがですか?〉
ハルちゃんは拗ねているのか、棘のある言葉を私にかけてきた。別に私胸小さくないんだけどな……。
――ごめんてば。後でアイスクリーム奢ってあげるから機嫌直して?
〈え、いいんですか!? ありがとうございます!〉
ハルちゃんは濡れた体で跳ねて、辺りに水を撒き散らす。私はそれを多少食らい、思わずのけぞってしまった。
それにしても、ちょろいなこの子。ダメ元で言ってみたけどまさか本当に機嫌直してくれるとは。
私がそう考えているとハルちゃんは足を滑らせ転びそうになった。私は慌ててハルちゃんを支えると、注意する。
――もっと足元注意しなきゃ駄目だよ! 水で滑りやすくなってるんだから
〈はい……ごめんなさい〉
ハルちゃんはしゅんとしてこちらに謝ると、脱衣場へと歩いていった。私はそれを追いかける。ちょっと言葉がキツかったかもしれない。
私が脱衣場に着くと、ハルちゃんは既にタオルで体を拭き、着替え始めていた。私はそれに続くように着替え始める。
〈そういえば、カミラさんってお嬢様の割には口調……というか書く言葉庶民的ですよね〉
――言われてみればそうだね。お母さんやお姉ちゃんは結構貴族って感じで話してるけど。別に意識したことないなぁ
〈そうなんですか。まあそういうのって自然と確立されるものですもんね〉
――私は言語習得特殊だからなぁ。そこらへんが関係してるのかもね
私達はそう言いながら着替えを済ませると、外に出る。
〈私達、この街いつ出るんですかね?〉
――さぁ、どうだろうね。リーダー(アラン)の判断次第だし。ハルちゃんは出たいの?
〈いや、そういう訳ではないんですけど。ただ、一つこの辺でしたいことがあるので……〉
ハルちゃんは体をモジモジと動かすと、言いづらそうに口をモゴモゴさせている。
――へえー、なに? 他の人に言いづらいなら私のとこで留めるけど。
〈その……この辺にあるガム海に行って
みたかったんです。可愛い空飛ぶイルカが見れると聞いたので〉
――なるほど。全然隠すことじゃないと思うよ。私も見てみたいし、そのイルカ
私はそのイルカがモンスターなんじゃないかと一瞬思ったが、黙っておいた。確証はない。
〈え、本当ですか? なら今度観に行きましょう! あ、あと洋服屋さんにも行きたくて……〉
――いいよ。今度行こうか
〈ありがとうございます!〉
そうして、私達が色々約束していると、アランとニコラスがこちらにやってきた。
〈なんというか、随分仲良くなった感じするね、君達。なにかあったの?〉
――ふっふっふ、内緒!
次回母親回です




