表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/34

10話 判明、そして騒ぎ発生

 ――バレちゃ仕方ない。隠す気もなかったけどね。そう、私こそがワトソン家の次女、カミラ・ワトソンだよ


〈あわわ、貴族の方でしたか! 今までのご無礼申し訳ございません!〉


〈なるほど、道理でそこまで強いわけだ。答えたくなかったら答えなくていいけどどうしてここに?〉


 二人が真反対の反応をするので、私は思わず笑ってしまった。


――家追い出されたの。邪魔だからって


〈へー、そうなんだ。まあ、強いなら何でもいいよ〉


――嫌じゃないの? 訳ありと一緒に居て


〈ここに来る人はほぼ皆訳ありだからね。俺もそうだし〉


 私はアランのその一言を聞いて納得する。やけにここの辺の人達は素直に筆談に応じてくれたと思っていたが、そういうことだったのか。


〈私も訳ありですね。最近だと結構遊びというか、訳ありじゃない人も増えてきてますけど〉


 ハルちゃんはそう言うと、手をくるくると回す。その行動になんの意味があるのかは分からないが、可愛いのでなんでもいい。


――へー、そうなんだ。それで、これからどうするの? 進む?


〈いや、それでも撤退しとこう。なにかあっても嫌だし〉


〈そうですね。アランさん以外まだ戦闘慣れていませんから、撤退するのが吉かと〉


 ニコラスはアランに同調すると、私にも撤退を勧める。私は否定する理由もないので、大人しく従う。ハルちゃんもだ。


 そうして私達がハレントへと戻ると、冒険者組合でなにか騒ぎが起きていた。どうやらなにか大ニュースが発表されているらしい。


 私達が騒いでいる民衆の近くに行くと、一斉に民衆が私達の元へとやってきて、質問攻めにする。


 もちろん私は彼らがなにを言っているのかは分からない。だが、騒ぎの理由が私達にあることだけは理解できた。


『カミラお嬢様。ここは僕にお任せ下さい。あなたは二人を連れて宿屋に行ってください』


『分かった。よろしく』


 私達は手話でそう会話すると、二人を連れてその場から逃げ出す。正直、ニコラスが死亡フラグを立てていた気がするが、大丈夫だろう。多分。きっと。なんとか。


〈あのモンスター、どうやら伝説のモンスターで間違いないようだね。となるとこの剣も、かなりいい値段になりそうだ〉


〈……売るより使うのはどうですかね。結構使えそうな感じしますけど〉


〈んー、自分もそれ考えたけど、誰か使えこなせるならいいけど、そうじゃないなら売るのもいいかなってね〉


――なるほど。ならニコラスが戻るの待とうか。ニコラス剣使いだし。……戻ってこれるのか知らないけど


 その後、私達はニコラスが戻るのを待ったが、彼が戻ってきたのは深夜の三時だった。やはりフラグというものはあるらしい。


次回家族側書きます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ